2021年10月31日

10/31『マー姉ちゃん』の影響か?

NHKプレミアムで最近再放送されている、朝の連続TVドラマ『マー姉ちゃん』が、完璧過ぎて面白過ぎる。当時リアルタイムで観ていたので、その面白さは分かっていたのだが、まさかこれほど面白いドラマだったとは、思ってもみなかった!小山内美江子の脚本の素晴らしさ!すべてのキャラが輝き息づいている画面!そして熊谷真美と田中裕子演じる姉妹の絶妙な九州弁マシンガントーク(この姉妹の麗しきじゃじゃ馬的じゃれ合いは、永遠に観ていて飽きないのだ)!そしてさらに田中裕子の悪魔的演技の素晴らしさ…こんな面白くてとにかく続きが気になるドラマ、朝に必ず観てしまうよな…。最新回では、ついに田河水泡先生が登場!…するかと思ったら、家や気配は登場すれど、ついに姿を見せなかった…あぁ、続きが本当に楽しみだ。なんて、日曜の一挙放送を堪能し、昼食を摂ってから外出する。まずは毎度お馴染み西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に顔を出し、受け取り+今後の打ち合わせを軽くする。その後駅北口の「TIMELESS」(2012/06/30参照)でオンデマンド出版の小学館P+DBOOKS「親友/川端康成」を220円で購入する。1954年に「女学生の友」に連載された少女小説である。挿絵もちゃんと入っているのが嬉しい。そして阿佐ヶ谷に戻って、中学校で投票を済ませた後、高円寺まで足を延ばす。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)の店頭に張り付くと、フラワーコミックスの5巻揃いの「ポーの一族」500円が目に留まる…ぐぬぅ、思わず無条件に買ってしまいそうになるが、文庫版がいえにあるじゃないか…まぁここはひとつ我慢しようじゃにかないか。取りあえず評論社「からだのなかとそと」(しかけえほんで、子どもの絵を捲ると、身体の内部が解剖学的に丸見えになるインパクト大な構成)文藝春秋「始まりにして終り 埴谷雄高との対話/白川正芳」を手にして店内に進む。すると文学棚に、ポプラ社の少女小説「心の王冠/菊池寛」を発見してしまう。昭和三十一年刊の息の長い第十五版で、お値段二千円……安い!買おう!と抱え込む。続いてさらにコミックスのコーナーに内田善美コーナーが出現しているのにドキッとしてしまう。憧れの少女漫画時代の一冊、集英社ブーケコミックス「ひぐらしの森」を手に取ると、これも値段が二千円……安い!とこれも勢いで抱え込み、帳場にて精算する。計4300円を支払いながら、店主の粟生田さんに「内田善美、安いですよ。実は今まで「星の時計のLidelle」しか読んだことがなかったんで、少女漫画時代の作品が読みたくてしかたなかったんですよ」と言うと「本当!?じゃあよかったよかった。ほら、ここにもう一冊あるから、それは安くして並べといたんですよ」とのことであった。よし、今夜はこの漫画に耽溺するぞ!
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今日もまた楽しく散財してしまった…そして何だか少女物ばかり……もしかしたら『マー姉ちゃん』の影響があるのかもしれない。

11/3の岡崎武志氏との午後四時からのトーク、お時間ある方はぜひともおいで下さいませ。東京の西の、もはや大自然が迫り始める高尾までお越しいただき、見知らぬ街を歩いて、ギャラリーで岡崎氏の新作絵画を楽しんだ後に、トークにご参加いただければ、とにかく幸せであります。ご予約は以下のギャラリー「白い扉」のHPをご参照下さい。おそらく当日突然参加でも、多分大丈夫だと思いますが…。
https://www.shiroitobira.com/
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2021年10月30日

10/30東京・祖師ヶ谷大蔵 nostos books

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午後三時半に、祖師ケ谷大蔵と二子玉川の間くらいの鎌田と言う町に流れ着く…コンクリで護岸されている仙川が、ドウドウと激しい音をたて流れている…。よし、「祖師谷書房」に寄って帰るぞ!と毅然と決意し、谷底から這いずり出て『世田谷通り』に到達する。この通り沿いは、駅からだいぶ離れているのに、いつでも賑わいを見せている不思議な通りである。駅に向かって進路を採り、テレビ撮影スタジオが集まる『メディアシティ』のある通りに入ると、西側にある化粧煉瓦マンションの一階店舗に、新たな動きを確認する。なんだかアート系のギャラリー的で、たくさんの人が出入りしている…ぬぉっ!ガラスウィンドウ越しに見えるグレーの壁棚にはたくさんのビジュアル系の大判本が並んでいる…あれは、もしや、古本?誘われるように中に入ってしまうと、なんとここが松陰神社前から移転して来た「nostos books」(2013/08/10参照)の新店舗なのであった。そうかそうか、もう移転して来たんですか。と偶然の出会いを喜び、三方をガラスウィンドウに囲まれた、右側スペース&中央フロアのギャラリー&新刊平台部分を横目に、左の壁棚にピタッと張り付く。最上段上部が緩やかな円弧を描き、その下に縦幅の広い五段の頑丈な棚が展開。それが手前と奥に凹凸に展開している。そのほとんどは重い大判本で、図録と作品集を混在させ、奥から建築・民芸・工芸・デザイン・イラスト・絵画・写真・幻想・版画・芸術文化・博物学的絵画というように並んで行く。レア本多数あり…おぉ「コリントン卿登場」にクラクラ。細かく蒐集された真鍋博にもクラクラ。こういうお洒落なアート系の中では門外漢とも言えそうな成田亨にもクラクラ…ただし値段はスキ無しのガッチリ目である。フムフムと品定めし、朝日新聞社「詩人の眼・大岡信コレクション」を税込の2640円で購入する。移転ラッシュとは言え、お洒落なお客さんの中に期せずして紛れ込んでしまった空手着の少年に、思わず微笑んでしまう。

その後は必死に駅まで出て、さらに駅を越えて商店街を北に遡上し、大好きな「祖師谷書房」(2009/03/05参照)へ。狭い店内の棚を遠慮せずにすべて見回し、オリエンタル・デザイン・プロダクツ「遠い昔のなきむしメルヘン/有賀忍」(1970年初版。有賀忍の挨拶折り込み付)KOEI「RAMPOヴァーチャル・ガイドブック」(今は昔のセガサターンの、松竹映画『RAMPO』を基にして、実写とCGを合成したアドベンチャーゲーム攻略本。江戸川乱歩役は竹中直人。横溝正史役は若き日の香川照之。乱歩が編集屋の横溝に原稿を催促されていて、そこはかとなく切ないっス…)を計1500円で購入する。
posted by tokusan at 20:03| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月29日

10/29古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第十章】

すでに昨日のことである。最近集中して行っている稀代のアンソロジスト&ミステリ評論家で、驚異の蔵書数を誇る日下三蔵氏邸の書庫整理に、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏とともに急行する。盛林堂・イレギュラーズとなっての日下邸通いは、大いなる楽しみでもあるのだが、その作業のハードさは他に類を見ないものである。東京を盛林堂号で午前七時過ぎに出発し、午前九時半に現地着。本邸車庫に車を停めると、暖かな上着を羽織った日下氏が現れ、その服装の違い思わずに季節を感取ってしまう。「どうぞどうぞ」と招き入れられ、すでに本の影が少ししか残らぬ玄関廊下を通過し、脇の和室に入り込む…あぁ、初めて日下邸を訪れた時のことを思い出すと、この通常レベルのスムーズさはまるで夢のようである(2014/12/10参照)…あれからもう七年が経過し、コツコツコツ日下氏と小野氏と三人で力を合わせ、本の山の片付けに腐心して来たのであるが、人間諦めずに継続すれば、いつかは実を結ぶものなのだなぁ〜と実感する。その本当にキレイに片付いた和室に、三人で車座に座り「いやぁ、周りに何もないと、グッスリ熟睡出来るんですよ…さて、本日のミッションです」と日下氏が一枚の紙片を差し出した。
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「これは、一軍のリストです」「一軍?」「そうです。これらの本を本邸書庫に残し、もう必要としない本はすべて出して、その後さらに一軍の本をマンション書庫から本邸に移し、完全な一軍の探偵小説棚を作るのです!」と高らかに宣言した。おぉ、それは探偵小説マニアにとっては、究極の夢の書庫である!しかも日下氏の蔵書のレベルなら、恐ろしいことにそれが実現可能なのである!しかしこの“一軍”の一覧表…これに似たのを何処かで見たことがある気が……そうだ、ミステリ評論家・新保博久教授の書庫整理の時だ(2018/01/10参照)。教授も似たようなリストを作成し、貼り出していたっけ…などと魔窟から魔窟への連想を果たし、仕事部屋横の本邸書庫へと進む。作業に掛かる前に、通路が物品で塞がれていたので隠されてしまっていた、書庫最奥のコミックゾーンを見学。
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ここはあまりに入り込んでいないので、棚が九十年代でストップしいるのでありました…。作業は最奥通路の探偵&推理小説単行本ゾーンで行われる。日下氏が最奥に入り込み、不要本&一時避難本をガバガバ取り出し、それを通路途中の小野氏が中継し、玄関ゾーンに待機する私がそれを受け取り、和室に運び込んで本を仕分けして行くというカタチである。まぁ一度に運べる本は二十冊弱くらいで、その奥の通路だけでもおよそ三千冊の本があるのだから、およそ百回ほど地道に細かく繰り返せばどうにかなるのだろう。
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「朝山蜻一が奥に隠れてました」「ここ一帯九鬼紫郎だ」「飛鳥高がどっか行っちゃった」「水谷準これだけだっけ?」「三好徹は残す本です」「高木彬光がなんでこんなにあるんだ!」「香山でせっかく二段作ったのにずらさなきゃ」「島田一男の山を仕事部屋から持って来てください」「あそこに横溝の「探偵小説五十年」の裸本があったはずです」などの言葉が飛び交いながら、およそ三時間も作業すると、あっという間に和室には本の山が完成…それにまだまだ処分本が二百冊くらいしか出ていない。
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「う〜ん、本はもっと減らしたいんですよね。まぁ後でもっと出しますよ。でもおかげさまで棚はだいぶ形になってきました」と日下氏が言うので見に行くと、確かにそこには奥から素晴らしく濃厚な探偵小説世界が構築され始めていたのである。
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これはその一部の九鬼紫郎棚。これに匹敵するのは江戸川乱歩邸くらいであろうか…。

駅前に寿司昼食に出て、帰りにマンション倉庫に立ち寄る。「一軍の本を少し持ち帰ります。まぁ、ダンボール三箱程度でしょうか」と言うことで、極狭通路を進み、トレイ前に積み上がった空きダンボール数箱をリビング中央の空きスペースに重ね、出されて来た本を詰めて行く。本の選定は最初日下氏が行っていたのだが、途中から入り難いところに小野氏が勇猛に進むことになり、俄然次々と本を発掘して来てしまう。
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台所横で次々と一軍本を発見する小野氏とそれを受け取る日下氏の図。

「小栗です。これは可哀想だから持って行ってください」「日影も可哀想だから持って行ってください」「戸川も置いといたらダメでしょ」「楠田が出て来ちゃいました」「城は一緒にしとかないとマズいですよ」…これが延々続き、あっという間にダンボールは十箱を越えてしまった。終いには日下氏が「小野さん、そんなに向こうにまだ入らないよ!」と嬉しい悲鳴を上げ始める始末。予定時間も既に一時間オーバーしている。ようやくブレーキの壊れたダンプカーのような小野さんを宥め、マンション書庫を脱出。「小野さん、見つけ過ぎだよ。古本屋さん、コワいよ」「だってスゴい本がたくさんあるんだもん、止まんないよ」「小野さん掘り過ぎ!日下さん買い過ぎ!」というわけで本邸へと戻る。
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これはマンション書庫で見つけた酷い誤植本。さて、何処が間違っているのでしょうか?

ダンボールを玄関にドカドカ運び込み、日下氏は棚造りの続き、私は和室から入れ戻す本の選定&棚造り補助、小野氏は持ち帰ったダンボールを開梱し仕分けして棚造りに備えて行く。それからさらに三時間…ようやく最後に近い“鷲尾三郎”まで到達するが、実はまだまだ入れ戻しは残っている。だが遅いのでこの日はタイムリミットとなり、取りあえず残った本は通路に積み上げ逃がすことにして、次回の訪問まで日下氏が一人で地道に棚造りを進めることにする。それにしても、だいぶ目的の本へのアプローチがスムーズになり、書庫本来の機能を取り戻し始めたのは僥倖である。結果、処分本は計350冊ほど。そして一日の労働の労いとして、城昌幸の時代物四冊(これで日下藩の城道場に通うことになってしまった…)とカバーナシ扉ナシ目次ナシの「その鉄柵を残して/鷲尾三郎」「恐怖博物誌/日影丈吉」「暗色コメディ/連城三紀彦」を下賜される(当然すべてダブり本で、城に至ってはトリプり本であった…)。結束した本を盛林堂号に積み込み、疲れた身体を引き摺って、焼肉晩ご飯でエネルギー補給。環八で激しい渋滞に巻込まれながら、どうにか午後十一時には帰宅する。みなさんおつかれさまでした!
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2021年10月27日

10/27消しゴムで消してやる!

やいのやいのと仕事に追い立てられ一日を過ごす。そしてようやく午後五時前に家を抜け出し、西荻窪に向かう。だがその前に、暗い路上に暖かな光を投げ掛ける「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄ると、店頭棚上の児童文学の塊の中に、冨山房「ワイルド童話集/平井程一譯」を見出し驚く。函ナシとは言え、これが均一に……なるほど、最初の童話『幸福な王子』に鉛筆の線引きがあるからか……なに、こんなもの、消しゴムでキレイサッパリ消してやる!と、佐谷画廊「第5回オマージュ瀧口修造展」とともに計430円で購入する。
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そして西荻窪は「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にたどり着き、主婦の友社「スヌーピーのしあわせはあったかい子犬/チャールズ・M・シュルツ作 谷川俊太郎訳」を百円で購入しつつ、たまたま居合わせた善渡爾宗衛氏とちょっと新たなお仕事の打ち合わせをしつつ、そこに届いた盛林堂ミステリアス文庫最新刊「木々高太郎科学小説集 或る光線」を献本していただく。カバーデザインを担当させていただき、何故か手元にあった古い十九世紀の独逸のメカの図面をモチーフに、クールに科学的に仕上げてみました!元本は昭和十三年にラジオ科学社から出たもので、“科学小説集”と銘打ってはいるものの、科学小説以外にも探偵小説あり、犯罪劇脚本やラジオ台本あり、怪談ありの、木々の器用さを表す一冊なのである。10/30より盛林堂店頭&通販サイトで販売開始予定なので、気になる方はお早めに!そんなことなどを済ませ、最後に店主の小野氏にお願いをひとつする。それは、先日落札した岩谷書店「探偵小説 眼中の惡魔」にパラフィンを巻いてもらうこと!おかげさまで美しく丈夫になりました。これで安心して読み進められますです。
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2021年10月25日

10/25過分なテキスト、届く!

この頃の慣例で、夕方に仕事で高田馬場に出たついでに、当然のように坂を下って「ブックオフ高田馬場北店」(2012/11/15参照)に入り込む。古書コーナーから文庫本を二冊。角川文庫「出口なし/福島正美」ハヤカワ文庫「人類補完機構1 鼠と竜のゲーム/コードウェイナー・スミス」を計220円で購入する。「鼠と竜のゲーム」は昭和五十七年の初版で、カバーイラストがSFファンタジー系のものとなっている…最初はこんなだったのか。
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家に帰って、後版のクールなカバーと記念撮影。

そして家に帰ると、ドキドキしながら待ち焦がれていたヤフオク落札品が届いていた。岩谷書店「探偵小説 眼中の惡魔/山田風太郎」である!傷みはあるが、ライバルなど影も形もなく、驚異の2430円で落札す!この本、暫く前にヤフオクで『探偵小説』で検索すると、一万円強の値段で登場していたのであるが、その値段でもあまりに安いので買おうかどうか迷っているうちに、何度も出品終了→値下げして再出品を夢のように繰り返し、とうとう二千円台に突入してしまったのである。検索には容易く引っ掛かるのに、何故入札されないのか?と不思議に思いつつも、どうか入札されないで、もっと値段を下げていってくれ!などと長らく願っていたのである。そしてついに我慢出来ずに入札して落札!稀少な山田風太郎の初単行本を手にしたら、あぁ、もう他の入札がなかったことなどどうでもよく、とにかく天にも昇る気持ちである!現在風太郎学校の日下ゼミで学び始めたばかりの身としては、過分な身分不相応のテキストであるが、この本をバネにより勉学に励むことにしよう。よし、今度盛林堂さんにパラフィンを掛けてもらおうッと。
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2021年10月24日

10/24「なごやか文庫」と志村けん像。

本日は、ちょこちょこ色々ノンビリ取りかかりながら過ごし始める。午後に鷺ノ宮に買いものに出たついでに、古本も買いたくなって来てしまったので、西武新宿線に飛び乗り、一路東村山へ。緊急事態宣言が解除されたので、ようやく営業を再開してくれた「なごやか文庫」(2020/04/07参照)を訪れる。自動ドアを潜ると森閑とした館内…誰もいない…。手指を消毒して、店前に蔓延る箱の中を覗いて行く…棚以外にも、左奥に古本箱&レコード箱島があり、左のレジ周りも古本箱で覆われている。リニューアル時より、だいぶ古本屋さんらしくなった光景に気を良くしながら、箱と棚を順繰りに眺めて行く。右奥の古書コーナーでは何も掴めなかったが、左側レジ脇の『昭和の押入れに入っていそうな本』コーナーはちょっと魅力的で、安値も相まり二冊を掴んでしまう。結局三十分近く古本群とにらめっこし、誰もいない事務室前の呼び出しボタンを押し、二階から慌てふためいて下りて来た職員さんに精算していただく。池田書店「日曜木彫/牧田正雄」講談社ミリオンブックス「センスのよくなる本/小林重順」PLANETA DeAGOSTINI「SIETE YAKUZAS/JEAN-DAVID MORVAN・HIKARUTAKAHASHI」真誠「THE SESAME BROTHERS/BY TAKASHI YANASE」小学館「星の旅行記/たむらしげる」を計370円で購入する。素敵な奥さんが表紙写真の「日曜木彫」は昭和三十三年刊。こういう古いDIY本はめっけものである。おっ、写真を「張り込み日記」の渡辺雄吉が撮っているじゃないか。「SIETE YAKUZAS」はフランスの漫画“バンド・デシネ”のスペイン語版。的確な資料を基に、浅草・表参道・新宿・府中・築地(フランスの漫画の中に、無惨に消滅させられた築地市場の面影が残されているなんて!)・中野など、東京を詳細に描写しているのが楽しい。そして「THE SESAME BROTHERS/BY TAKASHI YANASE」は、やなせたかしが絵を描き、小野耕世が英訳を担当している、愛知県のゴマ食品会社が胡麻の啓蒙活動のために出した非売品の一冊。洋書のコーナーに紛れ込んでいたが、見事救出に成功した、嬉しい収穫である。
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そんな収穫たちを抱えて東村山駅に戻り、地下通路で線路を潜って北口に出る。するとロータリーの西端には、新型コロナウイルスの犠牲になった、志村けんの銅像が建立されていた。人々が入れ替わり立ち替わり訪れ、写真撮影をしている。私も近づいて一枚パチリ。ポーズは『アイーン』のポーズであるが、その顔はあくまでも紳士で優し気な笑顔である。まぁあまりふざけた像を造るわけにはいかないので、こういうことになったのだろうが、やはりどうも釈然としない。せめて興福寺の阿修羅像のように、真ん中はこの顔で良いが、右に『アイーン』の顔、左に『だっふんだ』の顔を付けてくれれば、コメディアン・志村けんの功績がより伝わる銅像になったのでは……などと愚かに夢想しながら帰路に着く。
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2021年10月23日

10/23引っ越すお店とジャズ特集。

午後イチに上北沢に流れ着いたので。京王線で明大前まで出て、踏切近くの「七月堂古書部」(2018/01/13参照)を訪れる。ドアが開いて、やってるやってる。そして入口には一枚の貼紙が…豪徳寺に移転することと十二月初旬まで営業することが書かれている。いよいよこの地でこのお店を楽しめるのも、後一ヶ月と二週間余りか…何回来られるだろうか。そして移転ということは、それは大量の本の引っ越しなのである。無事に済みますように、とそっと祈りつつ、店内をウロウロ。棚の間に差し込まれていた、大正八年刊の布装本、洪洋社「東京府史蹟」を三千円で購入する。
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東京の武家屋敷の門や武家長屋やお寺や神社など、所謂史蹟の写真がたくさん載っているのだが、史蹟と言えども江戸の面影を色濃く残す風景写真なので、手の届かぬ百年前の世界に(無くなった風景多し。しかも編纂者の一人が鳥居龍蔵だ!)、魂が急遽燃え上がってしまったのである。ちなみに本に挟んでもらったオリジナル栞にも移転情報あり。非常に細やかな対応である。そんな風に散財した後に、代田橋まで『甲州街道』の強風に吹かれながら前のめりに歩いてバスに乗り、阿佐ヶ谷に帰り着く。北口の短いアーケード商店街に入り、昨日から設置されている「千章堂書店」(2009/12/29参照)の店頭ジャズ棚を眺める。エルスケンのジャズの写真集かぁ…植草甚一のジャズエッセイもある…あっ!「唄えば天国ジャズソング 命から二番目に大事な歌/色川武大」のミュージック・マガジンの元本発見!これは初めての出会い!と興奮しながら手に取り、表見返しに貼られた値札を見ると、なんと1200円なのである!これは買いだ!と勇んでスパッと購入する。
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なんかちょっと散財しちゃった感じだが、二冊とも良い本で相場よりお手頃価格だったので、まぁこれでいいじゃぁないか。今日も楽しく愉快に古本が買えたことを、とにかく喜ぼう。
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2021年10月22日

10/22「幽霊男」に呼ばれた気がする。

古本三十冊ほどをダンボール箱に収め、雨のふる中外出。郵便局で大阪に発送する。相変わらずのミステリ多めで、珍しい本や下らない本のごった煮状態でありますが、お楽しみいただければ幸いです。古書コンシェルジュさんの懇切丁寧な作業を経て、数日後には「梅田蔦屋書店」の古書売場に並び始めることでしょう。そしてその後は家に帰らず、西武新宿線に乗車し、沼袋で用事をひとつ片付ける。せっかくなので「天野書店」(2008/11/14参照)を覗いて行こうと、商店街を遡上すると、残念ながらパイプシャッターがガッチリ下ろされてしまっている。最近開いているところに出会えないのが残念である。だがまた折りを見て寄ることにしよう。…さて、どうしようか…隣りの新井薬師前まで歩いて「文林堂書店」(2008/08/04参照)に羽を休めることにしよう。そう決めて、傘を冷たい霧雨に差しかけ、トボトボ寂しく線路際を東に歩いて行く。途中、『リサイクル展示室』に寄り道し、少し縮小され、ブランクの目立つ本棚を真剣に眺め、ハヤカワポケミス「鬼警部アイアンサイド/ジム・トンプスン」をいただくことにする。入口近くに屯するオヤジさんたちに本を示し、許可を得てから鞄の中に収める。さらに線路沿いを伝い、踏切を渡って、南口の駅前広場にたどり着くが「文林堂」も開いていないか…なんだかさびしいなぁ。二連敗のまま帰るのはどうにうもやるせないので、南にズンズカ進路を採り、結局『早稲田通り』まで出て「古本案内処」(2015/08/23参照)に飛び込む。雨で入口付近に仕舞い込まれた百均棚を飢えながら眺めていると、河出文庫特装版の「春琴抄/谷崎純一郎」を発見したので気分がパッと明るくなる。そのまま店内棚の検索に入ると、ギュンっと目に飛び込んで来たのは、昭和29年刊の講談社「幽霊男/横溝正史」であった。こんなところにこんな本が!ちゃんと東宝映画化の帯も付いている。そして値段は三千円………安い!と即座に購入を決める。「春琴抄」と合わせ、消費税がプラスされた計3410円をレジで支払う。今日は「幽霊男」に呼ばれて、ここまで引きずり回されて来た気がする…。
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ところで「幽霊男」の巻末の自社広に、城昌幸の「若さま侍捕物手帖」が載っているのだが、若さまの紹介がなかなかに斬新なのだ。『私設探偵旗本の次男坊「若さま」が…』…“私設探偵旗本”って初めて聞いたぞ!
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2021年10月20日

10/20ジャズストリートはなくともジャズ本は並ぶ。

朝からワチャワチャと過ごしながらも、ひと塊の古本を準備し、午後に外出する。風は強いが、日射しが暖かで気持ち良い。阿佐ヶ谷駅北口の「千章堂書店」さん(2009/12/29参照)は今日は定休日だが、シャッターとフェンス壁に貼紙がされている(隣りには『次の百年のために』ポスターも貼られている)。
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『22・23・24日(日)の3日間店頭にジャズの本を並べます。ジャズス二本ほどのインスタント棚が出現する『千章堂ジャズ本祭』は今年も開催されるのだ!心中でその心意気に拍手を送りながら、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。「フォニャルフ」にスパスパ補充しながら(今月は売れてるぞ。嬉しい!)、店主・小野氏と色々打ち合わせる。ヴィクトリア・ホルトの文庫を買おうかどうしようか大いに迷うが、まぁ急がなくともいいだろう、とひとまずパス。何も買わずにお店を後にする。そして帰路、荻窪で「竹陽書房」(2008/08/23参照)に立ち寄る。棚に建築本の気配を濃厚に感じつつ、TNプローブ/大林組「ヘルツォーク&ド・ムーロン展:知覚への覚醒」メタローグ「シュルレアリスムとは何か 超現実的講義/巖谷國士」を計800円で購入する。「シュルレアリスムとは何か」は献呈署名入り。署名の上に描かれた流れ星が落書きっぽく、シュルレアリスムとは裏腹に何ともプリティーである。
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2021年10月19日

10/19ブックオフをはしごする。

もはや冬のような寒さの夕方に、仕事で高田馬場まで出る。その帰りに、いつものように「ブックオフ高田馬場北店」(2012/11/15参照)に吸い込まれ、最奥古書コーナーで寿満書店「カラー版 浮世絵怪異ものがたり/北園孝吉」を330円で購入する。妖怪や化物が登場する浮世絵から、その物語を読み解く楽しい一冊である。そして駅への坂を上がりながら考える。本来ならこのまま高田馬場駅から西武新宿線に乗って帰宅するところだが、今日は趣向を変え、『早稲田通り』をズンズカ西に進み、小滝橋を通過し、落合駅辺りをも通過して、坂の上で『山手通り』に出て駅方面に向かい、「ブックオフ東中野店」(2014/07/24参照)に足を延ばすことにしよう。そうと決めたら、すでに夜の帳が落ちている道路を。テクテク忠実に歩き続ける。およそ二十分強で、明るい光を通りに放つ、目的のお店前。中に入るといやに静かで、お客さんもほんとんどいない。すぐさま右手最奥の古書コーナーに向かい、集英社文庫「ダイナマイト円舞曲/小泉喜美子」角川文庫「さらば友よ/ダリル・ポニクサン」を計330円で購入する。ちょっと距離はあるが、この二店の古書コーナーを続けてみるのは、なかなか楽しいものである。

そしてかかり切りだった、ちくま文庫「野呂邦暢 古本屋写真集」がついに岡崎武志氏と私の手を離れ、後は本が刷り上がって来るのを待つばかりとなる。やることがたくさんあったが、充実した楽しい作業であった。大げさかもしれないが、私はこの本を作るために生まれて来たのかもしれない…。発売の曉には、この文庫を鞄の中に忍ばせ、ぜひとも野呂の視線を追いかけてみてください。1970年代の景色と、現代の景色が重なるその瞬間、野呂さんの古本屋さんを愛する気持ちが、きっと心にスルッと滑り込んで来ることでしょう。発売まで後二十四日!
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盛林堂書房版とは異なり、今回のデザインでは、『広島・エイス書房店頭に立つ野呂邦暢』の写真は、横向きに使用。帯が掛かるので、こうするのが一番でした。と言うわけで、店頭では横向きの野呂さんが目印です!
posted by tokusan at 21:45| Comment(4) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月17日

10/17函の中に何がある!?

せっかくの日曜日なのに午前を忙しなく過ごし(ただし昨日買った「浴室長期抗戦」を読んでクスクスゲハゲハと笑う時間もあり)、午後に突然の驚くべき寒さに備えて着込んで外出。中野で野暮用を済ませた後は、『中野ブロードウェイ』4Fの「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)に腰を据える。通路の百均赤棚と探偵小説ゾーンにしがみつき、邦文社「ロマンス生活新年號 東西性犯罪残虐ものがたりと性刑罰のうつりかわり」一光社 南洋一郎・冒険シリーズ「緑の無人島」(函ナシ)ポプラ社 少年探偵23「悪魔人形/江戸川乱歩」(西洋兜ver)芸術社 推理選書「競馬殺人事件/S・S・ヴァンダイン」を計990円で購入する。函に少し傷みはあるが「競馬殺人事件」が440円とはお買い得であった。ブロードウェイを抜け出た後は、『早稲田通り』を少し東に進んで「ブックオフ早稲田通店」(2012/11/15参照)へ。作品社「ことばの食卓/武田百合子・野中ユリ」を220円で購入するや否や、踵を返して『早稲田通り』を西へ西へと歩き続ける。そしてやがて高円寺に至り、『庚申通り』をちょっと入って「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)店頭棚を眺め始める。するとすぐさま目に飛び込んで来たのが、昭和二十五年刊の粗悪な造りの春陽堂現代大衆文学全集の一冊「夜歩く・本陣殺人事件・真珠郎 其他」であった。
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先客が立ち読みしてるその前に手を伸ばし、スパッと抜き取り百円で購入する。ところでこの本面白いのが、函の内側に裏映りとは思えぬほどの(函の紙は粗悪とは言え、それなりの厚さがあるボール紙なのだ)、逆版となったタイトルや模様が印刷されているのだ。いったいどういうわけで、こんな不可思議な仕様に…ちなみに装幀は恩地孝四郎で、収録作の『其他』は『黒猫亭事件』と『車井戸は何故軋る』のことである。
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これがその不可思議な函の裏側。まるで鏡の中の世界である。
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2021年10月16日

10/16残り物には福がある!

午後一時過ぎに高井戸東に流れ着いたので、本来なら荻窪まで歩き古本屋さんを巡るか、浜田山まで出てすぎ丸に乗って阿佐ヶ谷に帰るかするのだが、午後三時に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)との約束があるので、ひとまず京王井の頭線で吉祥寺に出て、時間稼ぎに古本屋さんを見て回る。「古本センター」(2013/07/01参照)では海文堂「海難物語裁決集/滝川文雄」を80円で購入する。神戸の今は亡き名書店&出版社(出版事業は継続している)の「海文堂」が昭和35年に出した、さまさまな海難を取り上げ、それを分析研究して原因を探る一冊。ほほぅ、奥付の検印紙は燈台がモチーフになっているのか。
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続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)に移動し、すでに厚手のビニールで覆われた店頭棚を丹念に観察し、ビニールを留めたクリップを丁寧に外し、婦人画報社「私の服飾研究/田中千代」(カバーナシ、背の上下傷み)をを取り出して110円で購入する。戦前に世界を旅して服飾の研究に腐心した、服飾デザイナーの昭和二十三年に出版したB5サイズの一冊。巻頭4色刷りの世界の民族衣装をまとめた『私の旅のフォルク・コスチューム』も素敵だが、巻中折り込みの『スカートの變遷圖』が長くてインパクト大である。
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そんな収穫を得て、トボトボ歩いて西荻窪にたどり着き、「盛林堂書房」のビニールカーテンに覆われた店頭にまずはしゃぶりつく。文藝春秋社「世界の裏街道を行く」「東欧の裏街道を行く」ともに大宅壮一と光風書店「乱歩幻想譜/斎藤栄」と日本旅行協會「東北温泉風土記/石坂洋次郎編」を掴んで、手指を巧みに消毒して店内に進み、通路に避難していた木箱をも眺める。うひゃっ!創元社「近代大阪 近畿景観第三編/北尾鐵之助」がちゃんと函付きで百円はありえないでしょう!と引っ掴む。ところがさらにどっひゃぁ!と歓喜すべき一冊を発見してしまう。函ナシだが、砂子屋書房「浴室長期抗戦/尾崎一雄」があるぅ!昭和十四年刊の、レアな一冊である。すべてを計770円で購入しながら、店主の小野氏に「なんでこんなの百均で出してるの!」と問い詰めると、「うわっ、何でまだこれ残ってるんだ。これが今日一番のサービス品だったのに!」とのことであった。これぞ、『残り物には福がある』を地で行く出来事。いやぁもう、嬉しくて仕事の話なんかどうでもいいやぁ。
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2021年10月15日

10/15秋のお知らせ二つ。

昨日の疲労を両肩に乗せながら(その原因については一つ前の記事を参照)、朝から一生懸命デザイン仕事に従事する。そして午後にプラリと外出。家の前から関東バスに飛び乗り、一直線に中村橋へ。「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)をじっくりと楽しみ(いつの間にか外の均一に小さな時代劇文庫棚が増えた)、新書棚でみたことないペーパーバックタイプの本を発見する。国際文化研究所 エンゼル・ブックス「赤い花辯/G・ブランデン」。昭和三十二年刊の、モスクワを舞台にして知識人・労働階級・スパイ・兵隊・共産主義者・庶民の活動と生活を克明に描く、スリルに富んだ小説とのことである。面白そうだ、買いましょうと七百円で購入する。そしてそのまま西武池袋線に乗車して保谷へ。極狭歩道を自動車と自転車に脅かされながら伝い「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)前。いつものように店頭棚を舐めるように見回すが、食指の動く本はナシ…まぁこういうこともあるさ。中の百均本プール山脈に期待しよう。サッシをガラッと開けて店内に入り、すぐに右を向いて古本の山と対峙する。一列一列丁寧に掘って行くと、やった!埴谷雄高『死靈』掲載の八雲書店「近代文學」が二冊出て来たぞ!表紙はそれぞれ向井潤吉と赤松俊子が担当している!と喜びキープする。その他にも二冊の冊子を掘り出した後、奥の方もガサゴソやると、おぉ、これは愉快な本が出て来たぞ。徳間書店 平和新書「ママのアフリカ欲ばり旅行/森繁杏子」である。
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名字からわかる通り、森繁久彌の奥さんの、一人アフリカ一周旅行記である。カバーデザインは松永真。うむ、良き収穫じゃと、「近代文學 No.7&9」ロゴス「好色文學批判」永晃社「女性開眼/川端康成」とともに計550円で購入する。

※お知らせふたつ。
「日本古書通信」2021年10月号から、『リレー連載「ミステリ懐旧三面鏡」』という1Pコラムがスタート。ミステリ界を突っ走る古本屋「盛林堂書房」店主・小野純一氏と、『古本屋ツアー・イン・ジャパン』たる私と、今や宝塚ファンにも人気のホームズ研究家&作家&翻訳家の北原尚彦氏の三人で、順繰りにミステリやSFやそれに近い話題について、書き連ねる愉快なコーナーであります。第一回目は小野氏の《角川文庫の横溝正史》。どうかみなさま、お読みいただければ幸いです。
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そしてもうひとつ。古本盟友で大先輩の岡崎武志氏が、個展『岡崎武志の絵画展』を、八王子のギャラリー『白い扉』にて開催されます。それに便乗して、氏と私が共編のちくま文庫「野呂邦暢 古本屋写真集」発売を記念し、11/3(水・祝)に超久々のトークショーを敢行いたします!16時スタートの料金千円で先着十名様。詳しくは以下のギャラリーホームページをご覧下さい。感染予防対策を万全にして、お待ちしております!
https://www.shiroitobira.com/
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10/15古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第九章】

すでに昨日のことである。朝七時前に家の近くで、ハザードランプを焚いて待機していた盛林堂号に飛び込み、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)店主・小野氏と奥さまに挨拶しつつ盛林堂・イレギュラーズに変身。日下三蔵邸の期間限定古本移動大作戦に向かう。やけに車の多い環八や高速をどうにか突破し(ただし途中の高速ICで話に夢中になり過ぎて出口を間違うアクシデントあり)。午前十時前に現地に到着。すでに活動を開始していた日下氏と、一時倉庫のアパートにて合流する。先日の地震でも被害ナシと言うので中に入ると、おぉ!本当だ!全然本の山が崩れていない。壁などを上手く利用し、高く積まれた本の山脈は、揺るぎなく整然と聳えたっているのだった。もちろん多少の修正は施したそうだが、それでもこの成果は誠に素晴らしいものである。そんな風に各所を確認していると、何やら見慣れぬ本がいつの間にか棚の上に出現していた。光文社痛快文庫「冒險探偵 黒星團の秘密/大下宇陀兒」…しかもピンピンの新札のような美しさ…いつの間にこんな本が湧いて出たのだろうか?
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改めて日下邸書庫の深甚さを経験しつつアパートを後にし、本邸へと向かう。本日の重要ミッションは、本邸書庫の入口に長年立ちはだかる本の山を除去し、アクセスをスムーズにしつつ、各通路に入れるようにすることである。書庫入口スペースが多少広いのをいいことに、本を積み上げ始めたのが運の尽き。たちまちその山は高く厚く広がることになり、いつしか書庫への侵入を阻むまでに成長してしまったのである…まるで鍾乳石のようだ。「あそこにあんなに積むんじゃなかった。早めに棚を入れるべきだった…」と悔やむ日下氏を鼓舞し、早速作業に取りかかる。まずは日下氏がその山に取り憑き、本邸に残す本とアパート倉庫に運ぶ本とに仕分け、本邸本は仕事場に待機する私に手渡されて積み上げられ、アパート本は玄関廊下に待機する小野氏に手渡され積み上げられることに決まる。というわけで、渡された本を仕事部屋の中央に注意深く積み上げて行く。
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…何故注意深く行うのかというと、本がスゴい本ばかりなのだ!鷲尾三郎・三橋一夫・飛鳥高・香山滋・日影丈吉・水谷準・都筑道夫・高木彬光・九鬼紫郎・今日泊亜蘭…それらのレア本のオンパレードなのである。都筑訳(伊藤輝夫名義)の「銀のたばこケースの謎」が二冊も出て来たじゃないですか!うぎゃ〜〜〜〜ア!香山の「科学と冒険」が二冊っ!ななななななな、なんですか!この同シリーズの「ジャングルと砂漠」って!…う〜ん、気絶しそう。
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…などと大騒ぎしながら、およそ三時間、悪魔の古本の山と三人で格闘した結果、山が消え去り、奥の通路が見えるようになって来た。だが、通路には崩れた本などが未だ蔓延っているので、まだ足を踏み入れることはできない。そこで小野氏が切り込み隊長となり、足下の本を運び出しつつ仕分けしつつ、ブルドーザーのように通路を開拓して行く。
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途中、日下氏のお母様が挨拶に現れ玄関での紙ゴミを受け取る四人体制になる出来事も。そして一時間、ついにすべての通路に入れるようになったのである。「バンザ〜イ」と開通を喜ぶ四人。試しにズイズイ入り込んでみると、やはり棚はスゴいことになっていた。乱歩の「殺人万華鏡」!博文館文庫「人間豹」が二冊!あぁっ!ここにも「銀のたばこケースの謎」がある。しまも四冊!…悪夢だ…。岡田鯱彦が残存する本タワーの中に多数紛れ込んでいる!南澤十七「新奇嚴城」が計三冊!うひゃぁ、大河内常平タワーの後に、大量の水谷準が控えている!などともう大騒ぎ。
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だがいつまでも喜びに満ちあふれている訳にはいかない。玄関廊下にあふれ出した本を箱に詰め、アパートに運ばねばならぬのだ!と書庫に後ろ髪を引かれながら作業する。それにしてもよくまぁ、この大量の本たちがあの場所に収まっていたもんだ。素早く二十箱ほどのダンボール詰めを作成し、アパートに運んだ後、駅近くにてお寿司昼食。午後三時半、今度はマンション書庫に姿を現わす。玄関の棚の一部が地震で壊れたのか、傾きが酷くなっていたので応急処置を施し(ちなみにこちらも地震の被害はほとんど無かった…改めてスゴい!と感心する)、遅めの午後のミッションに入る。それはお風呂場にプールしてある大量のコミックスを、リビング中央の小スペースに運び出し、同じ作品をまとめて行くというもの…だが本の運び出しは単純作業で簡単なのだが、本を揃えるのがすぐさまとてつもない難行だということがわかり、千日手に入ってしまう。運び出すのは私の役目だが、揃えるのは日下氏と小野氏の二人がかり…「◯◯の一巻がありました。二巻はありませんか?」「五巻ならあります」「◯◯見ませんでしたか?」「こっちにはありません」「◯◯をそこで見たような気がするんですが」「××ならありますよ」……まるで数百種の札で神経衰弱をやっているようなものである。
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一時間ほど作業して、さすがにこれはこの短時間では無理だと悟り、作業は次回へ持ち越しとする。その後、玄関左側にあるCD部屋&書庫に突入し、必要とする本の発掘に入る。二人は奥の奥に入り込んでしまったので、私は入口付近で待機し、本とCDの混合山をほぇ〜と眺めることにする。「あっ、日下さん。柴田錬三郎の「狂気の白夜」がありましたよ」「白いヤツですか?黒いヤツですか?」「函が黒です」「やった!探していたヤツです。出しておいてください」…棚から牡丹餅の発見である。さらに山の下層に目を凝らしていると、まるで見慣れない裸本が一冊あるのに気付いてしまう。とても気になったので、慎重に山を切り崩し、手を伸ばしてみる。グランド社「現代探偵傑作集」…中を開いてみると、大正十三年刊の、田中早苗の翻訳短篇探偵小説集であった。聞くと小野氏も見たことのない本だと言う。ウ〜ム。読んでみたい。

そんな風に発掘を終え、アパートを経由して本邸に戻った頃はすでに真っ暗。だが、やはり開通した本邸書庫は、底無の魅力を持っていた。しばらく三人であちらこちら観察するが、当の日下氏が一番喜んでいる模様。「ここにあったのか」「こんなの持ってたのか」「げげげ」「ウハハハハハハハハ」ととにかくニコニコえびす顔なのである。いやぁ、まさに悲願の書庫開通なのである。よかったよかった。そして今日の作業のお礼にと、桃源社「幻の女/田中小実昌」東都書房「首/山田風太郎」ベストブック社「戦慄ミステリー傑作選 死体消滅/山村正夫編」をいただきつつ、さらに「何か他にないかな…」と探す日下氏に、「ロマン・ブックスの山風の「青春探偵団」がダブっているので、これをいただけませんか」と書庫棚から取り出してリクエストする。「あぁ、いいですよ、でもそこのは一番キレイなやつですから、こっちにしてください」と仕事部屋に引っ込んだ日下氏が抱えて出て来たのは、六冊の「青春探偵団」であった。
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ギャフン!ありがたく一冊を拝受する。風太郎学校・日下ゼミの生徒として、読み進めます(ちなみに先日いただいた「誰にもできる殺人」は読了し、日下氏に「山田風太郎版「めぞん一刻」ですね」と感想を伝え、苦笑いされる)!その後は焼肉食で書庫開通を盛大に祝い、古本屋話に楽しく打ち興じ、午後十時過ぎに西荻窪に帰り着く。
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2021年10月13日

10/13秋の雨の日

相変わらず続くバタバタを縫って外出し、荻窪「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に姿を現わす。雨のため人影の少ないワルツ。じっくりと店頭&店内で古本を掴む。岩波の子どもの本「スザンナのお人形・ビロードうさぎ フランスのおはなし/訳石井桃子」(表見返し左下に、小さく『装幀 原弘』とある)岩波書店「やまのたけちゃん/文・石井桃子 絵・深沢紅子」ぺりかんしんしょ・21「世界の一流品 銀座が選んだベスト100/吉田安伸」日本週報社「肉の砂漠/清水正二郎」(“月の砂漠”に掛けているのだろうか…?内容は大学生の清水が中央アジアを旅する記録小説である)日芸出版「春や春 カツドウヤ/山本嘉次郎」を計1100円で購入する。「春や春 カツドウヤ」が帯付きで440円とは!信じられん。お店を出たら「竹陽書房」(2008/08/23参照)に向かうが、珍しくシャッターが下りてお休み中。仕方ないのでビルの裏通りを通って「竹中書店」(2009/01/23参照)前に出て、朝日新聞社「山藤章二の似顔絵塾」を200円で購入し、トコトコ阿佐ヶ谷へと戻る。そして「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかったら、丁度店主の・天野氏が飛び出して来た。挨拶を交わしつつ、電飾看板に手を伸ばす氏を見て「えっ?もう店仕舞いですか?」と問うと「いえ、電気をつけるだけです」とコンセントをブスリ。ふぅ、良かった。工作舎「人間人形時代/稲垣足穂」を110円で購入し、トットと帰宅してバタバタを再開する。
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これが秋の雨の日のナイスな収穫である。
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2021年10月11日

10/11ちくま文庫から出ます!

昨日も今日もドタバタし過ぎて、古本屋さんに行けたのは一瞬で、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で婦人画報社 MEN'S CLUB BOOKS-S.E.「男の定番事典3(道具編)」を110円で買うのみに留まる。なぜこんなに忙しいかというと、そのひとつの原因が、11/12にちくま文庫から「野呂邦暢 古本屋写真集」を出すからなのである!二〇一五年に、奇跡的に残されていた野呂邦暢自身が撮りためていた古本屋写真を、岡崎武志氏とともに共編し、盛林堂書房より発売してからすでに六年。それが、令話の時代に、ちくま文庫として甦るのだ!というわけで、文庫化作業を進めたり(これが意外にやることが多いのである。それにしても、今まで飽きるほどこの写真集を眺めて過ごして来て、さらに文庫化作業でしつこく同じ写真群を眺めているのだが、まったく飽きないのはどういうわけなのだろうか…)、加筆訂正したり、古書エッセイが収録されたり、ほんのちょっぴり新たな写真を加えたり、岡崎氏と対談したりして、現在はゲラ作業の大詰め三校に差し掛かっているところ。まだ発売まで一ヶ月ありますが、どうかみなさま楽しみにしていてください!岡崎氏とともに引き続きがんばります!
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ドキドキワクワクする色校たち。今回素晴らしいことに、カバー&帯デザインも担当させてもらっている。オ、オレがちくま文庫のカバーデザインを!?……全く持って信じられん…。


そして本日辺りから発売になる「本の雑誌 千歳飴大当たり号」の連載『毎日でも行きたい古本屋さん』では、大山の「ぶっくめいと」で、箱入りの児童書二冊に散財す!しかも文中に出て来て取材時はパスした、カバーナシの文藝圖書出版社「恐怖王/江戸川乱歩」は、やっぱり欲しくなって後日わざわざ買いに行く始末…古本欲を果てしなく刺激し、財布の紐をひゅるんと緩める、良いお店なのであります。
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2021年10月09日

10/9色んな本が手元に集まる。

午後三時に吉祥寺の北に流れ着いたので、駅近くに出て、いつものように古本屋を巡ろうかと思っていたら、久々の絵本&児童文学古本屋「MAIN TENT」(2015/03/26参照)に出くわす。店頭で一部の在庫処分セールを行っており、それに通りがかりの子供たちが激しく食いつき、なんだか賑々しい。みなの夢の時間を邪魔せぬよう、身体を小さくし、気配を薄くして箱の中の百均児童文学をジッと眺める。理論社「カモメの家/山下明夫=作 宇野亜喜良=絵」は帯の表1側が破り取られているが、見返し裏に署名落款があるじゃないか!と喜び小脇に抱える。さらに講談社青い鳥文庫群の中に、「わんぱく天国 按針塚の少年たち/佐藤さとる 絵・村上勉」を発見する。「青い鳥文庫で出ていたのか。知らなかった…」とこれまた喜び、この二冊を手にして店内へ。さらに右側の児童文学棚に張り付き、欲しい本を何冊か見つけるが、それなりのお値段なので、今日はまぁいいだろうと我慢し、持ち込んだ二冊を計220円で購入する。
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その後は西荻窪に出て「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。學藝書林「幻想博物誌/日影丈吉」岩谷書店「幻影城/江戸川亂歩」(再版版の三版)を計220円で購入しつつ、或る仕事をテキパキと済ませ(その過程でたまたま日下三蔵氏より連絡アリ。なんと書庫の本はほとんど被害無く無事だったそうである…)、預かっておいてもらった新刊を受け取る。カバーデザインを担当した、東都我刊我書房「鷲尾三郎傑作撰参 影を持つ女」である。鷲尾の和製スピレーン風ハードボイルド中編がニ段組みで四作収まった、濃厚凝縮な一冊!今回のデザイン基盤に使った写真は、実は日本ではなく、九十年代の返還前の香港の雑居ビル風景。まさか昭和三十年代をインスパイアするのに、こんなにマッチするとは自分でも思いませんでした。何でも撮っておくものですね。只今「盛林堂」店頭&通販サイトと中野「まんだらけ海馬」で絶賛発売中であります。
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そして家に帰ると。ヤフオク落札品がお待ちかね!大都書房「宇宙線の情熱/大下宇陀兒」。ライバルありの2900円で落札す。背が傷んで奥付の検印紙が無いが、昭和十六年の宇陀兒がこの値段ならまぁ御の字か。
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2021年10月08日

10/8昭和三十三年の稲垣足穂!

昨晩の地震は、すっかり白河夜船状態の時に襲われたので、下からの激しい突き上げと同時に寝ぼけ眼で飛び起き、家の真ん中の柱に慌ててしがみつき、揺れが治まるのを待つと同時に、各所で本の山が崩壊するのを虚しく目撃。揺れが治まった後は、賽の河原の子供のように、半べそをかきながら、長い時間をかけて本の山を再び築いて行く…ちょっと頑丈にして。ところで、日下三蔵邸書庫の本は、大丈夫だったろうか?そして本日は一日中色々な仕事に追いまくられていたので、どこにも行くこと叶わず。だが、古本は欲しい!とちょっとだけ抜け出し、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に買物に行く。あんなにも本の山が崩れ行くのを目の当たりにしたので、本来なら本を買うのは控えるべきだろうが、なぁに、一冊ぐらいならたいして変わらんだろ。上手く積めばいいんだ。そう高を括ってお店の前。入口右側一般書古本棚から、金の星社「こわい話ふしぎな話7 フランス編 夜歩く手/モーパッサン原作」を抜き取って店内へ。左奥の詩書コーナーに直行し、先日の買取査定時間に目を付けておいた一冊を抜き取る。中外書房「青春と冒険 神戸の生んだモダニストたち/青木重雄」である、昭和三十四年刊の、サブタイトルにある通り、神戸生まれの文学系モダニスト三人を取り上げた、評伝&評論である。そしてその三人とは、小松清と竹中郁、ラストは何と稲垣足穂なのである。冒頭は著者が、昭和三十三年当時足穂が住んでいた宇治の古寺『恵心院』を訪ね、インタビューするところから始まる。うぉぉぉぉ、燃える!これは嬉しい足穂文献だぞ(描いていた未來派風絵画についても言及あり)!と二冊を計1690円で購入する。店主・天野氏と昨日の地震の話をひとくさり。本を携えすぐさま家に戻る。
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足穂パートの扉。見よ、このぶっ飛んだ教育ママのような前衛的眼鏡を!写真下にはダンセーニの言葉『わたしは世界の果てからネクタイを取り換えに來た』が引用されている。
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2021年10月07日

10/7百五十一刷!

からゆるゆる仕事をしながら、ワクチン接種の経過観察を己に行う…打たれた左腕上腕に筋肉痛のような痛みが生じ、身体が多少倦怠感のためかフワフワしている感じである。だが発熱などはないので、ちょっとホッとする。そんな感じなので、午後二時過ぎにちょっと外出し、フワフワ歩いて高円寺まで出る。「西部古書会館」(2008/07/27参照)で「BOOK&A」が10/07〜10と開かれているので、覗いて行こう。ガレージの古本を見て、手指消毒と検温をクリアし、会場内へ。するとはいったらすぐの棚が、古書が多めの「水平書館」(2014/05/23参照)!これは見事だ!と喜び、熱い視線を送る。そして早速一冊抜き取る。会場は平日のためか、各通路に十人弱が入り込んでいる見やすい状態である。先客が佇む棚も、ちょっと待てばすぐに見られてしまう。うむ、ストレスほぼなし!などと一周し、大日本雄辯會講談社「猛獸征服 吼える密林/南洋一郎」(カ
バーナシ。昭和十五年の百三十一刷!)を800円で購入する。戦前版だが、すぐそこまで戦争が近づきつつあるためか、表紙は布装ではなく紙装バージョン。その表紙はちょっと傷んで記名があるが(表紙に國民學校四年記名があるということは、カバーは早々に剥いで失くしてしまったのだろう…)中はいたってキレイである。「水平書館」よ、ありがとう!とフワフワ帰宅する途中、すぎやまこういちの死を知ったので、ドラクエの『ほこら』の音楽を歯笛で繰り返し吹き続けて、フワフワテクテクと歩き続ける。
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2021年10月06日

10/6ワクチンと古本。

今日はようやく初めてのワクチン接種。午前中に会場となっているマンションのモデルルームに赴き、スムーズに接種を受ける。…どうもこういう全体主義的な、有無を言わさぬ流れ作業に乗るのは苦手なのだが、みなさまご苦労さまです。およそ三十分で会場を後にして、そのまま荻窪へ向かって歩き始める。すると阿佐ヶ谷駅南口の飲屋街で、シャッターの閉まったお店の向かいに、マスコミがズラリ待機している光景に出くわす…なんだろう、何があったんだろう…。そしてやがて「古書ワルツ」(2020/07/30参照)へ。ともに函ナシの改造社「ツタンカーメンの生涯と時代 埃及發掘物語/埃及人ビシヤラ・ナハス」(大正十三年刊)コーベブックス「後方見聞録/加藤郁乎」を計220円で購入し、とっとと家に向かって引き返す。今のところ副反応はナシ。午後昼食を摂ってから「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に読了&不要本を持ち込む。店主・天野氏が市場に行って不在なので、奥さまに重いカバンを預け、夕方の再訪を約束する。すると家に戻ると、ポストに久々のヤフオク落札品が飛び込んでいた。昭和十七年刊の新正堂「江戸時代名作讀切集/城昌幸編」である。ライバルナシの850円で落札す。
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戦時中の仙花紙本で、十三の時代小説が収録されているのだが、作者名が何処にも書かれておらず、始まりの部分に二三行の梗概が付属しており、何だか物語り本編がダイジェスト的になっている気が…怪しい、なんて怪しい本なんだ!城昌幸は本当に編集しているのか!と喜ぶ。巻末に耶止説夫と國枝史郎の自社広告あり。『流麗な筆致を以て鳴る國枝史郎氏が精選に精選を重ねた傑作讀物の集粋!怪奇とスリルを胎んで讀者の心臓を奪ひ去らんとす。』とある。なかなかの名文だ。欲しい!
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そして一仕事終えて夕方午後五時半。「古書コンコ堂」を訪ねると、天野氏はまだ戻って来たばかり。「これから査定します」とのことなので、いつものように店内をウロウロ。あちこちガサゴソやっていると、ある一冊の本が目に留まる…これ、いつか買おうっと。そんなことをしていたら査定が終了し、すぐさま交渉成立する。そして持ち込んだ一冊、宝文館「黄色い楕円/北園克衛」を挟んでちょっとお話し。「この本、いいんですか?」「うん。もう読み終わったから」「えっ?ちゃんと読んでるんですか!?」「読んでますよ!……いや、もちろん全部じゃ、ないですけどね…」…よくある古本屋さんでのやり取りを展開する。そして今のところ嬉しいことに副反応はなし。まぁ色々終わったから、後はゆっくり静かに休むことにしよう。
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