2021年12月31日

12/31地元・阿佐ヶ谷にて古本納め!

午前中は、部屋を丸く掃くぐらいのズボラな大掃除に従事し、午後に今年の古本納めをするつもりで、ちょっとだけ外出する。すると外は服の間から冷気が入り込むほどの極寒状隊。見上げればそこには冷たい銀色の巨大な雲が覆い被さっている。心も身体も挫けそうになりながら、三鷹…それとも中野に向かうべきか?と思案しながら阿佐ヶ谷駅へ向かう。「ネオ書房」(2019/08/11参照)は、1/8までお休みだが、9日はトークイベントで、通常営業は10日からとなっている。そんなことを確認しながら、次第に冷えつつある身体を縮こめながら、駅北口の短いアーケードに入り込む。お正月の飾り付けや、年越し蕎麦を売る賑わいの中で、「千章堂書店」(2009/12/29参照)もしっかりと営業中であった。当然の如く立ち寄り、店頭では食指が動かなかったので、店内の文庫棚に向かい、そこで取りあえず一冊。そしてさらに左側通路の壁棚とじっくり対峙して行く。すると帳場も近づいた棚下に並ぶ古本列の中から、広論社 探偵怪奇小説選集「美少年の死/戸板康二」が、献呈署名入りの1200円で売られているのを発見する。本を抜き出し、パラリと捲ると、本扉に確かに万年筆の献呈署名が入っている。よし、これこそ探偵小説狂いの、古本納めに相応しい一冊だ!と角川文庫「鹿島茂が語る山田風太郎」とともに計1450円で購入する。
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というわけで、今年も最後の最後まで、馬鹿みたいに古本を買いまくることが出来ました。来年も同じように生きて行く所存なので、みなさま、この愚かなる古本屋さん&古本狂いを、何とぞよろしくお願いいたします。来年こそはコロナ騒動が収束し、平穏に古本屋を訪れ古本を買える日々がやってきますように。
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2021年12月30日

12/30まだ納めずに古本を買う。

午後にゆっくりと動き出し、昨日のハードワークの疲れをたっぷりと身体に纏いつつ、まずは荻窪までテクテク歩いて「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で古本吟味。なんと店内全品10%オフ中なのか。これはちゃんと何か買って行こう…と店内を彷徨い、中央公論社「金の鍵の函/里見ク」を10%オフの495円で購入する。昭和十一年刊の「婦人公論」連載の短篇小説集でちゃんと箱付き。里見クと言えば条件反射のように、観劇帰りに一緒に歩いていた志賀直哉が、電車に跳ね飛ばされたのを思い出す…。そして西荻窪に移動して、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に顔を出し、毎日新聞社「鑑識捜査三十五年/岩田正義」を百円で購入しつつ、店主・小野氏と負傷中の奥さまと、年末年始の挨拶を交わしつつ、来年のイレギュラーズについて打ち合わせる。そして最後に「何か買ってく?今年最後の買物してく?」と小野氏。スルッと差し出したのは、裸本の誠光堂新光社「アメージング・ストーリーズ 怪奇小説叢書 第2集 恐怖城他4編」だった。「カバーもないし帯もないし、500円でいいよ」「買わさせていただきます!」と迷うことなく購入する。今年もデザインにイレギュラーズにフォニャルフに、色々お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。お店を出たら西荻窪の街を北に遡上し、「古書音羽館」(2009/06/04参照)を経由して教養文庫「ウォー・ヴェテラン ディック中短篇集/フィリップ・K・ディック 仁賀克雄」を300円で購入しつつ、やがて『青梅街道』も越えて「古書西荻モンガ堂」(2012/09/15参照)へ。扉を開けて中に入ると、帳場に何故か立ち尽くしているモンガさんが「うわっ、来てくれた。誰もお客さんが来ないんですよ。誰も来ないんですよ。もう見捨てられたんですよ〜」と嘆き節で迎えてくれた。「もう年末だからしょうがないじゃないですか」などと慰めるも「いよいよ来年は十周年だけど、閉店セールかな」などと拗ね続けている。「モンガさん、ちゃんと棚から本買って行きますから。お店辞めないでください」と、まずは店内で開催中の良質激安本が並ぶ一箱系猛者の「M&M書店」新春フェアから一冊抜き取り、さらに宣言通りにモンガ堂の本を一冊。モンガ堂さん、お正月もしっかり営業されるそうなので、三が日に古本エネルギーが切れてしまった人は、ぜひともお訪ね下さいませ!岩崎書店 エスエフ世界の名作1「宇宙少年ケムロ/エリオット作 伊坂芳太良画」毎日新聞社「日本絵日記/バーナード・リーチ 柳宗悦訳」を計2500円で購入する。するとモンガさんが「売れた、二千円売れた…」と魂の切ないつぶやき。また来年も古本を買いに来ますので、営業継続でよろしくお願いいたします!
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こんな二冊が計2500円で手に入るなんて、2021年最後のニシオギバンザイ!
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12/30古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第十三章】

すでに昨日のことである。午前七時に自宅近くで盛林堂・イレギュラーズとなり、今年最後の日下三蔵邸片付け出発のため、すでに到着していた盛林堂号に乗り込もうとすると、いつも共にお店に向かうはずの奥さまの姿が見えない。助手席に滑り込んで小野氏に仔細を聞いてみると、何と足を負傷されてしまったとのこと。その後、病院の診察後に連絡があり、強度の打撲であることが判明したが、西荻窪のお店は急遽臨時休業に。年末は何かと何かが起こりますな。シャッターに貼紙をしていざ出発。
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やはり年の瀬とあって都内の道はすでに空き始めており、途中東名高速での帰省ラッシュにちょっとだけ巻込まれるが、午前九時半には無事に現地に到着する。本邸で日下氏と合流し、すぐにマンション書庫へと出発する。本日のミッションは、脱衣場にある木製のチェストを表に引きずり出すこと。そのためには廊下や玄関の古本タワーを何処かに逃し、チェストが通り旋回する道を造らねばならないのだ。というわけでまずは前回トイレ前に積み上げた本をリビングに移動させ、それを日下氏が要・不要に選別して行くことになったのだが、本が大量過ぎて意外に時間がかかることが判明する。すぐさま小野氏と日下氏が方針転換の協議に入ってしまったので、私はしばらくCD部屋をウロウロ……奥の翻訳ミステリ本棚の前で、何気なく視線を上げると、エンタメ系文庫の上に、いやに古い本が二冊揃って載せられているのを発見する。背伸びして取ってみると、ぬぉぉぉぉぉっ!宮野村子の「伝説の里」!
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すでにダブっているのはわかっていたのだが、そのダブりが何処にあるのか不明で(日下氏は「絶対CD部屋の奥にあるんですよ」と常々言っていた)、小野氏のブルドーザー作業を経ても見つからなかった代物なのである。喜び勇んで二冊を手にしてリビングに飛び込み「「伝説の里」見つけました!」と報告すると、「何処にあったの?やった!」と上がる歓声。いや、ミッションはいきなり頓挫したが、不明のダブり本が出て来るとは上々の立ち上がりである。そんなことが呼び水となり取りあえず選別は放棄して、まずはCD部屋の整頓をさらに進めてアクセスを良くし、そこに廊下の本を逃がし、何はともあれチェストを出すことにする。日下氏と小野氏がCD部屋にこもっている間に、私はひたすら廊下の古本たちを削いで行く…一時間二時間…かなりのスペースを確保することに成功。今までの魔窟状態をどうにか解消し、嘘みたいに廊下と玄関が通り易くなった。
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最後にチェスト前に積み上がった雑誌類をリビングに移動させ、引き出し類を引き抜いて軽量化を図り、それらを表に運び出す。そして小野氏を呼び、一度運び出しチャレンジをしてみようと提案。二人で駕籠屋のようにチェストを前後で支え、廊下を慎重に進む。玄関のクランクも無事に通過して、あっけなく表に出すことに成功。思わず全員から「やった、出たぁ〜」と喜びの声が上がる。運び出したチェスト跡地を見ると、大きなスペースがポカリと開いていた。「これはたくさん本が積めますねぇ〜」と日下氏がニンマリ。本を逃がす新たな場所が生まれたということは、この本だらけの書庫では、片付け作業がよりスピーディーに進捗するということなのである。
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というわけで本日のメイン作業が事無きを得て終了したので、午後はCD部屋の整理をさらにノンビリと進めつつ、ダブり本の探索に精を出すことに決める。お昼ご飯はいつものように美味しいお寿司。午後二時前にはマンション書庫に戻り、小野氏が見易いように整理を進め、日下氏が本を要・不要に分け、不要本を私が風呂場前まで運びプールして行く作業工程を採る。その合間に本邸一軍棚に加える本や、確実にダブっている本、ダブっているおそれのある本を選定する作業を進めて行く。その途中で日下氏が「これ見てください。赤川次郎「セーラー服と機関銃」の初版本です。何処か変だと思いませんか?」「変……うむむ?ちょっと見つからないですが…」「カバーの絵、セーラー服じゃないでしょう」「あぁあぁっ!」全く持っておおらかな本だったのである。イラストは鴨沢祐仁。発注ミスですな…。
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さらに作業は進む、ところが最初は楽勝だと思っていた作業が、段々とハードになって行く…何故なら、日下氏が不要本として出す本の量が、絶え間なく大量に続いて行くのだ。二百…三百…四百…いつの間にか七百冊。そのカウントを聞いて小野氏が「八百冊まで出しましょう」という。さらに加速するスピード…九百…「千冊越えましたよ」「まだもう少し出します」
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「千冊か。そろそろ縛らないとな」…千百…千二百…「まだ出るの?車に乗るかなぁ」「まぁ乗らなければ、置いて行けばいいですよ」…などとやっていたらついに千三百冊に到達!久々の大冊数を出す結果となる。奥を覗くと、棚が異様なほどスッキリしている。「これで本がたくさん入りますよぉ〜」と上機嫌の日下氏。すでに時刻は午後六時である。
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整理過程で見つかった面白い本。厳重にビニールで密封されたブリタニカの「きる」という絵本。
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日下氏も「なんでこんなの買ってんだろう?ちょっとどうしても開かないので開けてみてください」と手渡されたので、ビニールと全力で格闘しページを開いてみると「ぶん・こまつさきょう え・さとなかまちこ」というスゴいコンビの絵本であった。「うわぁ、良く買ってた。偉い、俺!」と日下氏。こんなの全然知りません!

そして本邸に引き上げ、お楽しみタイムの本日のダブり本確認作業に突入。
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写真は大量の小栗虫太郎戦中戦後仙花紙本(ダブりトリプり)が並ぶクレージーな状況を喜び記念撮影する日下氏の図。私もその余録に預かり、函ナシ本やトリプり本をいただくが、一番嬉しかったのは、驚異のクアドり本だった春陽堂書店 探偵双書「畸形の天女・十三の階段」である。
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本扉が切れているが、それでも身に余る一冊である!そんな結局はいつものようにハードな作業を終え、最後にアパート書庫に日下氏が明日のコミケ参戦に携える、コミケ用巨大バッグを回収して、本日の、そして今年の作業を完了とする。
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実はこの作業は来年も続くので、引き続き来年もよろしくお願いいたします。※この日下邸片付けに興味津々の方々は、「本の雑誌」の日下氏の集中連載『断捨離血風録』とともに当ブログ記事を読み込んでいただくと、よりハードな片付けの臨場感が味わえます!
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2021年12月28日

12/28入手難度が“A”だった。

昨日は夕方に高田馬場に出たので、「ブックオフ高田馬場北店」(2012/11/15参照)に立ち寄り、ウィリアム・カット主演の特撮面白ヒーロードラマ『アメリカン・ヒーロー』の主題歌が有線から流れて来たのに色めき立ち、角川文庫「怪物はだれだ/平井和正」を110円で購入。その帰りに新井薬師前で途中下車して「文林堂書店」(2008/08/04参照)にも寄ろうとしたが、お店の灯りが消えた閉店状態だったので、がっかりして出たばかりの改札を再び中に入り、帰宅する。そして本日はお昼前に動き始め、吉祥寺で所用を片付けた後、「古本センター」(2013/07/01参照)に飛び込んで、酣橙社航空情報別冊「プラモ・ガイド1974 飛行機キット1000」を80円で購入する。飛行機プラモデルの完成写真&箱絵とスペック&評価がこれでもかと掲載されたプラモデルガイドブックである。そんな収穫に足取りを軽くして「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。店頭で二冊掴んだ後に、店内文庫棚で創元推理文庫「ウインター殺人事件/ヴァン・ダイン」の1962年初版カバーを見つけたので、徳間書店「新井素子の?教室」徳間オリオン「川北紘一特撮ワールド 君もゴジラを創ってみないか/冠木新市」とともに計770円で購入する。最後に高円寺まで移動して「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)にて東京創元社「イラストレイテッドSF 魔法の国が消えていく/ラリー・ニーヴン エステバン・マロート絵」を300円で購入する。

そして家に歩いて帰り、湘南探偵倶楽部「初期創元推理文庫書影&作品目録 新訂増補版/奈良泰明編」を繙き、「ウインター殺人事件」について調べていると、予想外のあることが判明する。この「書影&作品目録」には、編者の奈良氏の個人的評価で、特に入手に時間のかかった文庫には入手難易度が“A〜C”で示されているのだが、先日何気に「古本屋さいとう」(2021/12/24参照)百均で買った「完全殺人事件」の初版白帯が、何とランク“A”となっているのだ。気まぐれな出会いが、時にこのような結果を生み出すことがあるから、古本買いは止められませんな。
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「ウインター殺人事件」のカバーには贅沢にも銀の特色が使われている(小父さんマークさえも銀!)。
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2021年12月26日

12/26愛しの「アカシヤ書店」が今年最後の営業日だった。

空は青く、雲は雄大に流れるが寒過ぎる日曜日。午前のうちは家の中で震えながらウダウダするが、午後に勇を鼓して外出。窓がほぼ全開の極寒バスで西武池袋線中村橋駅まで向かい、そこから電車に乗り込み、まずはひばりケ丘へ。駅北口に出ると、ゴチャゴチャした小ビルと商店の街路が一掃され、開けたロータリーが生まれているのに驚いてしまう。そして目指すはわりと駅近住宅街にある小公園前の「近藤書店」(2014/09/22参照)…あった。そしてしっかりと営業中である。
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この唐突に現れる感じの異空間ぶりが、いつ来ても古本心を和ませてくれる。店頭ワゴン上の古本タワーも健在。一冊抜き取り中に進むと、各所の高層古本タワーもまた健在であった。それにしても、次々とお客が飛び込んで来るのはどういうわけだ。地元民に愛される人気店というわけなのか。しかもみなしっかりとした値段の本を買われて行く。などと感心しながら、角川書店「双生児は囁く 横溝正史〈未収録〉短篇集」BL出版「プフとユピーのクリスマス/さく・ピエール・プロブスト」を計300円で購入する。続いて一駅東に戻って保谷駅へ。そそくさと愛しの「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)に駆け付ける。すると入口に年末年始の予定が貼り出されており、12/27〜1/4までお休みとなっていた…ということは今日が今年最後の営業日…あ、危なかった。と思いつつ、店頭&店内の百均本と、ハッシハッシと斬り結ぶ。海と空社「商船の形態/上野喜一郎」小壺天書房「料理小説 愛すべき舌/清水桂一」河出書房新社「江戸戯作文庫 腹筋逢夢石/山東京伝作 歌川豊国画」実業之日本社「山中貞雄作品集1」を計440円で購入し、満足して震えながら帰宅する。
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2021年12月25日

12/25少し早い「来年もよろしくお願いします」。

午後三時に南荻窪に流れ着いたのだが、いつものように荻窪方面には向かわず、住宅街を北に直進して『青梅街道』方面を目指す。今日からスタートの「Title 2Fの古本市」(2016/12/27参照)が目的なのだが、その前に『環八』から一本西のガード下を潜って、極端に営業時間が短い「絵本タイム猫タイム」(2016/02/19参照)がやっていたら覗いて行こう。ラッキーなことに営業中だったので、数段のステップを軽やかに上がって暖かな店内に飛び込み、絵本や児童文学を見つつも、奥の隙間に集まる200均文庫に惹き付けられてしまう。三冊を選んで帳場に向かうと、店主の本日の手仕事はお裁縫であった(女性店主はいつも必ず何か手仕事をされているのだ。一度なんかは機織をしてて度肝を抜かれたことも)。サンリオSF文庫「フレドリック・ブラウン傑作集/ロバート・ブロック編 星新一訳」講談社文庫「時の過ぎゆくままに/小泉喜美子」光文社文庫「不思議の国の猫たち/仁木悦子編」を計600円で購入する。お店を出ると、東京上空を寒気が覆いつつあるのか、さっきより気温が低下している。負けずに早足で歩き出し、『青梅街道』に行き当たって、やがて「Title」到着。一階は書店にもカフェにもお客さんが滞留中で、二階にギシギシ上がると、こちらも数人の方が滞留中。熱心に絵本を漁る女性や、ひそひそ声で話すカップル、立ち読みする青年…彼ら彼女らと上手く場所を譲り合いながら、古本と空間を味わう。中原淳一の戦前「少女の友」付録本や、岩崎書店ボニー・ブックス復刻版などに古本心がよろめくが、「一角文庫」ゾーンで、天や小口にシミがあるため激安300円の青林堂「空想探偵漫画 薔薇と拳銃/谷弘兒」を見つけたので、階下で購入する。
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そしてすっかり暗くなってしまった阿佐ヶ谷に帰り、今年最後の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)営業を名残惜しみながら堪能し、講談社ロマン・ブックス「妖異金瓶梅/山田風太郎」を420円で購入し、店主・天野氏と「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」と、年の瀬の挨拶を交わす。
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2021年12月24日

12/24神奈川・鶴見市場 古本屋さいとう

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いつもより早めの連載の取材を済ませてから降り立ったのは、京浜急行普通電車しか停まらぬ小駅。橋上改札を出て東口の階段を下り、外に出るとそこは線路際。東にちょっと進んですぐに南に入ると、駅裏手に固まる小ビルのひとつに古本屋さんが…ぬぉぉっ!営業開始時間の十三時はとっくに過ぎてるのに閉まってる。だが待てよ、閉ざされた入口横にキャリーケースが置かれ、その上にはピザの入った箱も置かれているではないか…これはしばらく待てば開くのかもしれない。よし、踏切を越えて「普賢堂書店」(2011/04/04参照)を見てから、戻って来ることにしよう。もはや十年前となる記憶をたどり、うろ覚えの道をテクテク。…ちゃんとたどり着けた上に、ちゃんと営業中だ。頼もしい限りだ!と店頭棚&ワゴンを見てから、中央通路一本きりの店内を奥に進撃し、講談社ノベルス「キマイラの新しい城/殊能将之」矢貴書店「銭形平次捕物控 捕物長編 怪盗系図/野村胡堂」(カバーナシ)を計300円で購入し、そそくさ駅へと引き返す。そしてお店の様子をうかがうと、今度はしっかりと開店していた。空振りせずに、本当に良かった。そう感動しながらお店に近づく、小ビル一階の小さなお店は、入口付近に台車に乗せた箱や小棚を多数展開させている。入口右側には絵本が多く並び、最上段にはクリスマス本がディスプレイされ、プレゼント用のラッピング見本まで飾られている。入口右側には新書&ノベルスの小棚があり、ちょっと見ただけで『期待が持てるお店だな』との予感が背中を奔る。ノベルスの中に古いものや後藤明生の文章指南書などが混ざっているのだ。左の文庫棚に目を移すと、並びは比較的新しめだが、一冊創作元推理文庫の白帯が混ざっていたりして、さらに期待を掻き立てる。とその時、ちょっと奥で棚の整理をしていた男性店主がこちらに気付き、「わっ!」とビックリして身を引いた。害意がないことを伝えるために「こんにちは〜」と挨拶しておく。看板を首から下げた鹿人形の横を通り中に進むと、外から見たままのお店で、ほとんど通路のような狭さと小ささである。左壁には相撲関連・児童文学・絵本・戦争・歴史・鉄道・文化・文学・美術・安部公房などが奥に向かって並んで行く。お店の外観と名前から、新刊系をメインに扱うお店を勝手に想像していたのだが、古書や七十〜八十年代辺りの珍しい本がしっかりと混ざっているので、完全に侮っていたことを心の中で謝罪する。そして右壁に目をやると、うぉぉぉ!と興奮してしまった古めの函入り児童文学が集まり、その下には女性・実用などなど。そしてさらに、棚上おススメディスプレイ・文庫本・哲学・思想・澁澤龍彦・幻想文学・海外文学・ビジュアル雑誌・図録と続く。奥には『さいとう』さん(恐らく)の詰める狭い帳場が造られている。本の数はお店の小ささに比例して少なめだが、見るべき本が潜んでいる楽しいお店である。値段は安め。創元推理文庫「完全殺人事件/クリストファ・ブッシュ」偕成社 新訳えほんシリーズ「まっくろネリノ/ヘルガ=ガルラーさく・やがわすみこやく」理論社・童話プレゼント「ノコ星ノコくん/寺村輝夫・作 和田誠・絵」(カバーナシ)を購入する。ここはぜひともまた見に来ることにしよう。アーリー和田誠の才気が迸る「ノコ星ノコくん」はすでに持っているのだが(そっちもカバーナシである)、千円なら買わずにおられないでしょ!
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というわけで二冊になりました。いわゆるひとつのダブりですな……。
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2021年12月23日

12/23こっそり革ジャンが偵察されていた。

日射しがとても暖かな午前十一時過ぎに家を出て、各所で雑事を片付けながらジリジリと西荻窪へ近づいて行く。そして「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の裏手で“盛林堂・イレギュラーズ”に変身。裏口から出て来た店主・小野氏とともに書評家&古本ライターの古本神・岡崎武志邸へと向かう。武蔵野の面影を残す樹木を青空をバックに眺めながらドライブし、一時間後に現地着。小野氏が車を停める間に「盛林堂で〜す」とピンポンを鳴らす。すると部屋着でくつろいだ態のの岡崎氏が現れ「おぉ〜、来てくれたか。もう本の片付けし過ぎで、頭の中が真っ白や」と宣った。毎度のように地下書斎への階段に積み上げられた本の山を見ると、およそ五百冊ほどか。濃度の高い、お笑い・タレント・芸能本が多い。どれも資料として読み込まれた形跡があり、付箋がたくさん挟まっている。「もうお笑いは辞めた。充分書いたから、書くこともあらへんやろ。で、売ることにした」とのこと(でも重要なネタになる本はしっかりと残されていた)。小野氏が階段でそれを縛り、私が階上でそれを引き上げ、玄関辺りにプールして行く。この量なら、あまり時間はかからぬだろう…だがそれにしても、今日は二匹の猫の姿が見えないのはさみしいなぁ…。と小一時間ほど軽作業し、車にも無事に積み込み完了。小野氏と岡崎氏が外でそのまま立ち話を始めたので、この隙に荷物や上着を取って来ようと、岡崎邸の玄関に引き返して扉を開ける。すると『ドタタタ』と奇妙な音が…ややっ!階段に置いていた私の革ジャンパーを、虎猫が偵察に来ているではないか!
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そしてそのまま大きく目を瞠りつつ硬直してしまったので、そっと慎重に近付き、人差し指をさらにそっと近付けて匂いを嗅いでもらい、ほんのちょっとだけ触らせてもらう。うぅ、かわいいかわいい。目はビックリしたままだが…。そして今日の報酬にと、岡崎氏から数冊の古書を拝受するが、特に嬉しかったのはこの二冊。大正八年刊の春江堂「凸ちゃんの世界見物」と昭和十六年刊の不二出版社「繪物語 世界一周飛行/八島みどり」(裸本で『繪物語』とあるが、中身はいわゆる漫画である。なんと贅沢にも全ページ色刷り)である。岡崎さん、ありがとうございます!
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その後は渋滞に巻込まれながら午後四時に西荻窪に帰り着き、装幀を担当した盛林堂ミステリアス文庫新刊「幽霊の接吻 他九編/宮野村子」を受け取る。今回何故か表題作を私が決定する光栄に浴したので、十編の中から、宮野にしては異色作の明朗怪談的な『幽霊の接吻』をセレクト。それに合わせてウキウキと華やか〜な感じに仕上げてみました。いや『幽霊の接吻』は、何だか久生十蘭的味わいがあって、本当にいいんですよ。25日土曜日から盛林堂店頭&通販サイトで発売開始予定。そして家に帰ると、性懲りもなく落札してしまったヤフオク落札品が無事に届いていた。いや、カバーが傷んでいるとは言え、ちょっと大物なので、落ちるとは思っていなかったのである。そこそこ入れて、高値更新されたらスッパリ諦めようぐらいの、サバサバした気持ちでいたのである。ところが、結果は四千円で落札…やったぁ!和同出版社「見なれぬ顔/日影丈吉」である。表題作以外にも三つの短篇を収録した分厚い一冊である。全集が出て容易に読めるようになったとは言え、やはり元本で物語に接するのは、古本好きにとって重要な読書体験なのである。よし、お正月はこれを読むことにするか。
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2021年12月22日

12/22色々古本を買いながら挨拶する。

午後三時過ぎに上井草の南端に流れ着いたので、今川を突破して「モンガ堂」(2012/09/15参照)に推参しようかと思ったが、よく考えたら今日は水曜日で定休日…しかたなくシンプルに上井草駅方面に向かい、「井草ワニ園」(2019/01/05参照)で古本を買うことにする。冷たい風が吹き荒び始めた店頭から一冊、グラノーラの薫り漂う店内で一冊を選ぶ。いそっぷ社「しりとり/谷川俊太郎+和田誠」(1965年に私家版として500部出版された本の復刊)河出書房新社「物しか書けなかった物書き/ロバート・トゥーイ 法月倫太郎編」を計950円で購入しつつ、店主に「今年も色々古本をありがとうございました」と挨拶すると「いえいえいえいえ」と恐縮の態。「また来年もよろしくお願いします」と挨拶してお店を後にする。年もすっかり押し迫って来ているが、自らこのように押し狭めてもいるのだなと感じながら帰宅する。一旦家に落ち着いた後、すっかり暗くなりさらに冷たくなった午後六時前に阿佐ヶ谷の街に出て「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)へ。主婦の友社TOMOコミックス「カリガリ博士/原作カール・マイヤー 劇画・浅井まさのぶ」を530円で購入する。本を受け取りつつ店主の天野氏に「今年は営業いつまでですか?」と聞くと、驚きの「25日までです」との答えが!「25日!? 早過ぎませんか?」と問い質すと「いや、26日から三日間、また撮影が入ってるんですよ」とのこと…もはや映画やドラマの中の古本屋さんは「コンコ堂」がスタンダードになりつつあるような気が。そしてさらに「年始は7日からです。久々に帰省するんで」とのことであった。ということは、十二日間も「コンコ堂」で古本を買えないのか…それはなんとも寂しいなぁ。今年最後の営業日には、また何か買いに来ることにしよう。
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表1袖には『ドイツが第一次大戦後、世界に大きな影響を与えた表現派映画の原作を、悪夢のようなイメージでおくるスリラー・アクション!』と、加納一朗先生の的確な説明が!

その後はさらに「銀星舎」(2008/10/19参照)に立ち寄り、集英社文庫「地獄の館/柴田錬三郎」を600円で購入しつつ、旦那さん店主と「野呂邦暢 古本屋写真集」の話。何と二冊もお買い上げいただいたそうで、感謝感謝である。「銀星舎」の年末営業は成り行き次第とのことだが、「28日くらいまでかなぁ〜」と呟いておられた。ところで、19日の読売新聞にその古本屋写真集の短評が掲載されたのだが、編者名は『古本屋ツアー・イン・ジャパン』が長過ぎたせいか、『岡崎武志ら編』になっていた……ちょっと面白いじゃねえか、ウフフフフフフフ。
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2021年12月20日

12/20「古書現世」に暮れのご挨拶。

水たまりに氷の張った寒い月曜日。夕方遅くに高田馬場に出たついでに、タッタカ白い息を吐きながら『早稲田通り』を東に進んで、『子育て地蔵尊』で小さな『竹恵の輪』というものを潜って、お地蔵さんにコロナ終息を力の限りお願いしてから「古書現世」(2009/04/04参照)に至る。先客がひとりおられたが、しばらくしてその先客が去った後に、店主・向井氏が帳場から、「フフフ、今日は一発で気付きましたよ」と勝ち誇りながら声を掛けて来た。というわけで気付かれているのを飲み込みながら棚をすべて見渡し、玄文社「亜米利加見物/八木與三郎」(大正九年刊、裸本、本扉に献呈署名アリ、さらに都立大学隣りにあった「都立書店」の古書ラベルアリ)を1200円で購入する。亜米利加・ワシントンで開かれる國際労働会議出席者に帯同し、百日間亜米利加を見て回った男の旅行記である。それにしても現世にある大正〜昭和初期にかけてのアメリカ関連本は、旅行記が多く動きが少ないので、少しずつ私が買い集めているカタチになっている。元は一人の方の蔵書なのだが、それを一冊一冊ジリジリと買い集めているということは、その方の旧蔵書を少しずつスライドさせて受け継いでるというわけである。だがいずれ、この本たちも何処かに流れて行くのは必定の理…まぁ手元に置ける間は、たっぷりと慈しむことにしよう。そして向井氏からは、十二月に入ってから半分はお店を臨時休業するほどの、買取ジェットコースターに乗り続けている話に、小一時間ほど花を咲かせる(何と明日もお店は臨時休業!)。いや、大変でしょうが、古本屋さんは買取が命!喜ばしいことですよ。そして現世に来るのは恐らく今年はこれが最後なので、ちょっと早いが今年一年お世話になったお礼とともに暮れの挨拶を伝え、来年も早々に古本を買いに来ます!と約束する。
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今日の収穫を『子育て地蔵尊』の『竹恵の輪』前で記念撮影。

そして家に帰ると、筑摩書房さんから何やら届いていた。封筒を開けると、「野呂邦暢 古本屋写真集」の書評が掲載された『赤旗』と、ちくま文庫新刊の「林静一コレクション 又吉直樹と読む/林静一 又吉直樹編」が出て来た。ありがとうございます!
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2021年12月19日

12/19「ALFRED HITCHCOCK'S MYSTERY SAMPLER」

日曜日なのに早朝から緊急のデザイン仕事と激しく斬り結ぶが、早々に決着を着け、お昼前には休日ノンビリモードに移行する。昼食を摂ってから、ブラブラと外出。高円寺までテクテク歩いてまずは「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)を覗く。すると店頭に茶色い古書が五冊ほど固まっていたので、腰を下ろしてゆっくりと吟味に入る。話の友社「常識百科 話の事典 宇宙の神秘/木村小舟」(物知り先生と彼の元に集う十二人の生徒が繰り広げる、物語形式の科学問答集)三杏書院「隨筆 寄席風俗/正岡容」(カバーナシで表1の題籖が剥がれているが、本体は美)を計200円で購入し、店主の粟生田さんと「寒いですね」「寒過ぎですよ」と他愛無い会話を交わす。店頭でこのような古書が安値で買えるのは、誠に贅沢至極である。その後は網の目のように広がる商店街を突っ切り、北口繁華街の東側外れにある『座・高円寺』に赴き、17日から始まった「本の楽市」を覗く。厳戒態勢な入口消毒ゲートを通過し、平台と木箱で造られた古本島々に、存分にうつつを抜かす。くるくると島から島へ渡り歩き、「丸三文庫」(2019/06/03参照)島で美術出版社「12人のグラフィックデザイナー 第1集 宇野亜喜良・永井一正・福田繁雄・細谷巖」が300円なのを見つけて喜び、満足しながらも「古書みすみ」(2020/11/23参照)島の木箱に並んだ洋雑誌「ALFRED HITCHCOCK'S MYSTERY MAGAZINE」に、ろくに読めもしないのに惹き付けられる。1957〜70年辺りのもので、新し目のものは500円、古いものには1000円の値が付けられている。表紙のヒッチコックの写真がどれもいかがわしくてそそる!そして左隅にあった、殊更背幅のある一冊を手にすると、どうやら「ヒッチコック・マガジン」二冊分の合本のようだ。1957年秋の「ALFRED HITCHCOCK'S MYSTERY SAMPLER」である。表紙写真の実験器具の前でコック帽を被るヒッチコックの写真が気に入り、ジャケ買いすることにする。二冊を計1300円で購入。この市は12/26まで。
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2021年12月18日

12/18今日は吉祥寺の別ルートを。

霜柱も立った極寒の土曜日、三鷹台南の牟礼に流れ着いたので、テクテク歩いて昨日に引き続き吉祥寺に出ることにする。だが、昨日とは違う感じで古本屋さんを巡って行こうと、まずは「一日」(2017/08/11参照)へ。ビニールカーテンを捲ってガレージに入り込み、日本評論社 日本プロレタリア傑作選集「氷河/黒島傳治」を330円で購入する。お店を出て、寂しい高架沿いの裏通りから賑やか過ぎる表通りに出て、次は二階の古本屋さん「百年」(2008/09/25参照)へ。若者たちが滞留する店内をゆっくり味わい、珍しく美術本棚に心を捉えられる…いやに背文字の読めぬ古い本が多いのだ。そして選び出したのは、野澤如洋後援會「豪侠画人 野澤如洋/薄田斬雲」という昭和六年刊の、未知の画家の評伝である。
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欧米を漫遊し、日本画の伝道師となりつつも、異様なほどの武勇伝を生み出し続けた奇人のお話。と、これだけでも面白うそうなのだが、口絵ページをパラパラ見ていると、口絵のキャプションで、この画家の絵を所蔵しているある人物の名が目に留まり、ハタと膝を打つ。“中山忠直”…この名は早過ぎたSF詩集「地球を弔ふ」の作者ではないか!後で調べてみると、中山忠直は野澤如洋の画集を編集しているらしく、だいぶ親しい間柄のようだ。この本の何処かに登場するかもしれないなと期待しつつ、1100円で購入する。お店を出たらさらに北上し、裏通りの「Main Tent」(2015/03/26参照)に到着する。バラエティ豊かな児童本が、寒空の下に花開く店頭を一通り眺めて、店内に入り児童文学棚に意識を集中する。すると最下段棚の端っこに、朝日ソノラマ ヤングシリーズ「SFロマンヤング 暁はただ銀色/光瀬龍」の函ナシが1100円で売られているのを見つけ、これだ!と購入する。光瀬の小説タイトルは、いつだって凛としていて、心の奥にヒュンと突き通って来るね。
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2021年12月17日

12/17ホンドー!

午後に高井戸の南に流れ着いたので、トボトボ北に歩いて荻窪に出ようか、それとも高井戸駅から電車に乗って吉祥寺に出ようか、しばし路上で考えあぐねるのを乗り越えて、吉祥寺向かうことにする。駅南口のまずは「古本センター」(2013/07/01参照)へ。店頭処分棚では気になる本一冊あるが、450円か…としばし悩みながら店内に流れ込む。すると右端文庫&漫画通路の奥に、ずらっと『ハヤカワ・ファンタジイ』が並んでいるのに気付く。その列の上の棚にも同シリーズとポケミスが混ざりながら横積みされている…だがあの一番上のヤツは何だ?そう違和感を覚え、背伸びして取ってみると、雄鶏社 おんどり・ぽけっと.ぶっく102「ホンドー/ルイズ・ラムア」であった。
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ジョン・ウェイン主演で映画化もされた西部小説である。お値段は550円なのでさっさと購入する。巻末自社広にある『おんどり・ぽけっと・ぶっく101』の「アスファルト・ジャングル/W・R・バーネット」が気になるなぁ…。続いて「バサラブックス」(2015/03/28参照)に向かうと、何とシャッターが下ろされお休みであった。素早く踵を返して「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。店内古書棚をササッと漁り、雄鶏社 推理小説叢書8「海象に舌なきや/小栗虫太郎」を550円で購入し(私の前に老紳士が大量の五十均文庫を購入しており度肝を抜かれる。すげぇ、すげぇ量だ。だから棚はガタガタになっていた)、最後に「古本のんき」(2021/03/31参照)へ。すると店頭棚で帯付きの新書館「暗いクラブで逢おう/小泉喜美子」が輝いていたので300円で購入し、今日は何だか雄鶏社との縁に感謝し、満足して帰宅する。
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2021年12月16日

12/16二日連続のイレギュラーズ!

ちくま文庫「野呂邦暢 古本屋写真集」は、神保町『東京堂書店』文庫売り上げで今週も第二位をキープ!発売からすでに一ヶ月以上経つが、これは嬉しい快進撃である。もうこうなったら、素人が撮った写真集として、一番売れて欲しいと切にねがってしまう。

そして本日は昨日の疲労を抱きつつ、クリスマスに間に合うよう大阪「梅田蔦屋書店」に無事に緊急補充古本を発送した後、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、二日連続の盛林堂・イレギュラーズ。小野氏とともに駐車場に移動し、盛林堂号で移動すること一時間弱。我々の姿は、広いキャンパスを誇る、某大学構内にあった。目的は大学教授研究室の書棚整理で、学術系の函入り本や大判本を、天井までの壁棚四本分運び出すこと。研究室の片付けを手伝い、キャッキャとさんざめくヤングな若者たちを尻目に、本を壁棚から素早く下ろし、素早く結束して行く。そして縛り上がったものから、借り受けた台車に積み上げ、校舎内の廊下を静かに静かに運び、エレベーターで外に出て、急な坂をウンコラセ!と馬力をかけて押し上げて、駐車場の盛林堂号に積み込んで行く。
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本は重いが函入り&大判がほとんどなので、冊数はそれほどではないのが幸いし、一時間弱でスムーズに作業を終える。教授とヤングな若者たちに見送られて研究室を後にし、一路西荻窪へ。素早い行動が功を奏し、多少時間がかかりながらもヒドい渋滞に巡り会わずに帰還する。お店にふぅと落ち着くが、今日はこれまで一冊も古本を手に入れていないので、帳場に疲れた身体を沈めた小野氏に、「何か好みの本はないか?」とリクエストする。すると背後の未整理棚から抜き出したのは春陽堂書店 探偵双書「美しき山猫/香山滋」であった。「それはヒドいシリーズだよ。春陽文庫からの紙型の無理矢理な流用だし、奥付に日付けの記載はないし、日下さんちにたくさんあるし。三千円でどう?」「買います!」と言い値で購入する。
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そして家に帰ると「日本古書通信 2021年12月号」が届いていた。リレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』は満を持して北原尚彦氏が登場。ケイブンシャの『ヒッチコック スリラー・シリーズ』について、思い出と論考を重ねておられます…おや?一ページで文章が終わらない…つ、次のページに一段分はみ出している!初っ端から飛ばしてるなぁ、北原さん。
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12/16古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第十二章】

すでに昨日のことである。もはや毎月のレギュラー行事となった、日下三蔵氏邸の書庫片付けに、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏とともに出動。盛林堂・イレギュラーズとなった私を自宅近くで盛林堂号にピックアップしてもらい、もはや走り慣れ過ぎた道を、多少渋滞に巻込まれながら疾走し、午前九時半には神奈川県某所の現地着。まずは日下邸・本邸に顔を出し、本の影の少なさをキープしている和室にて、本日のミッションの打ち合わせ。メインはマンション書庫の方となり、現在風呂場に据えてあるタンスを外に出したいとのことである…一聴、古本屋さんが手掛ける本の片付けなど無関係なように聞こえるが、書庫の状態を詳細に把握している我々はすぐに感付く。玄関から入って右に廊下を曲り、リビング手前をさらに曲がり込んだ、脱衣所のあの奥にある木のタンスを?いや、それには、玄関や廊下に壁のように建設された、古本+コミック+CD+DVD+紙物の重層を完全に撤去しなければならないじゃないか!むむむと三人が額を寄せ集め、その廊下の大量のブツを逃がすためには、玄関入って左のCD部屋の無作為乱雑CDタワー群を整理し、新たなスペースを生み出して、そこに運び込む他ないということで一致する。尚、この作業には「あの部屋の整理を進めれば、奥の奥に固まる黒い本が出せるはずです」と日下氏が証言した報酬がついてくることとなった。「よし、やるぞ!」と気合いを入れるが、「その前にこの家でもやることがあります」と言われ、まずはカラーボックス三つを組み立て納戸部屋に搬入。
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そしてそこに新たに探偵小説&ミステリ雑誌「幻影城」「ヒッチコック・マガジン」「マンハント」「耽奇小説」などを並べて行くので、その号数チェックなどの事務作業を行う…ふう。
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一時間ほどしてマンション書庫に出発。三人縦列で入り込み、入口の積み上がる物品を必死に跨いでCD部屋へ。左手にCD棚に周囲を囲まれた乱雑ゾーンがあるので、小野氏はいつものようにブルドーザーの如く整理に従事し、日下氏は右の棚が立て込むゾーンに侵入し必要雑誌の発掘と不要本の仕分けに従事、私は不安定な入口付近に待機し、手の届く範囲の整理を行い、さらに日下氏から本を受け取り、極狭廊下をひょいひょい伝って必要雑誌&発掘重要古本はリビングへ、不要本は風呂場入口に積み上げる役割となる。
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そんな風に作業を進めて行くと、たちまち恐ろしい古本が次々と発掘される。森下雨村「39號室の女」(これは確かダブりのはず)がっ!都筑道夫原作の映画台本がドッサリと!うわぁーーん、DVDの下から帯付きの宮野叢子「紫苑屋敷の謎」がぁん。見たことのない表紙の南澤十七「雷獣境」!フォークナーの「騎士の陥穽」が異装版で二冊!うわぁ〜〜〜〜〜、國枝史郎の探偵名作叢書第五編「沙漠の古都」がぁぁ〜〜〜〜!
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小栗虫太郎「探偵時代小説集」の戦時版!そして極め付けは、小野氏がCDの下から発掘した久生十蘭の「金狼」。その朗報を聞いた日下氏は「やった、ずっと探していたんです。あまりにも見つからないんで、五万円で買おうかと思っていたところです」と宣った……だ、だからダブルんですよ…。
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午前の作業で、リビング入口からCD部屋の奥まで見通せるように!

などとやりながら午後二時前まで作業し、プールスペースが出来たところで作業終了。駅前まで出て、美味いお寿司で栄養補給する。午後はいよいよ廊下の整理に突入。私があちこちに積み上がるCDを部屋入口まで運び、それを小野氏がスペースに運び込み、日下氏が選別積み上げという体勢。とにかくプラスチックのケースを見つけたら、がガッと腕に抱え込み、アリのように運び続ける…短時間でこんなにCDに触れるのも運ぶのも初めてですよ…。その作業が終わったら、現在紙袋の山で塞がれているトイレスペース前を空け、そこに廊下の本を積み上げて行くことにする。まずは大量の中身の入った紙袋を台所スペースに逃がす…たちまち台所に恐怖の山が出現。そしてコミック&文庫&雑誌をギチギチにトイレ前に美しく積み上げて行く。その間も、ここにあるべきじゃない本が次々と発掘…ほ、保篠龍緒「怪奇探偵 七妖星」(昭和二十四年)が封も開けずに……。廊下をスッキリさせた後は、小野氏は不要本の結束、私はCD部屋奥の録画DVD運び出し&結束本の積み込み、日下氏はDVD整理へと突入。…短時間でこんなにDVDに触れるのも運ぶのも初めてですよ…。その作業が終了すると、最奥の素晴らしい黒い本の山が出現!
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三橋一夫が大量発掘され、日本ルパンや少年探偵小説がドバドバリ…すげぇなぁ。ここで午後六時前となり、本日の作業はひとまず終了、本邸に場所を移し、お楽しみの発掘本ダブり確認作業に取りかかる。「小山さん、「39號室の女」何処にあります?」「確か仕事部屋の棚に……あれ、見当たらないな?勘違いだったかな?」すると探偵小説棚前に陣取っていていた二人から「あっ、こっちにあった。本当だ「39號室の女」ダブってる」と歓声が上がる。
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狭い通路に座り込み、楽しげに日影丈吉セットの確認作業を行う二人。

今回もハードな作業をこなした慰労として、ダブり本の三一新書「危険な標的 ソネ・タツヤ無頼帖/山下論一」鱒書房「若さま侍捕物全集1 舞扇の謎/城昌幸」文化出版局「フランス料理の秘密/日影丈吉」八紘社杉山書店「劔の系圖/横溝正史」(カバー&検印紙ナシ)を拝受する。ありがとうございます!そして最後に日下氏が「これヒドいんだ。インチキ「獄門島」」と笑いながら、東京文藝社「続刊金田一耕助推理全集10 獄門島./横溝正史」を差し出す。
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あぁぁぁぁぁっ!カバー裏表紙にとんでもない偽りがっ!と大笑い。ちなみにこの本には、これが書いてあるverと書いてないverがあるそうだ。すべてを終えたら焼肉屋に急行し栄養補給、午後十時半に西荻窪に帰り着く。昨日もお疲れさまでした!
posted by tokusan at 09:05| Comment(2) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月14日

12/14あったあった。

昨晩寝床の中で、昭和十六年刊の今日の問題社「ちりめん蜘蛛/城昌幸」を読んでいると、突然文章がtwitter的になったので思わず吹き出してしまう。
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「どうしませう! ああ! どうしませうぞなう!」…こんな言い回しあるのだろうか?私が無知なだけか、単なる誤植か……。

そして本日も昨日に引き続き仕事で夕方に高田馬場に出たので、寒さに震えながら坂を下り川を越え、「ブックオフ高田馬場北店」(2012/11/156参照)に入り込む。いつもは静かなのに、今日は人の姿の絶えない奥の古書コーナーから、新宿書房「エイリアン・ネイションの子供たち/野崎六助」を330円で購入し、下りて来た坂を上がって駅前の喧噪に巻込まれる。そうだ、あの古本屋さんはまだあるのだろうか?と思いつき、『早稲田通り』のガードを西に向かい、地下鉄入口脇の道にするっと入り込む。あったあった。「BookTaste」(2009/07/01参照)が暗い裏路地に明るく浮かび上がっていた。
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前面に扉や壁はないので、ほぼ街路と直結の寒〜い店内に入り、優雅に流れるジャズを耳にしながら、お店の主力である週刊誌&漫画雑誌ゾーンを素通りし、奥の動きの少ない文庫&単行本ゾーンに身を沈める。何か良いものあるだろうか?と考えながら、まさに人の読み終えた本が並ぶ棚を端から端まで眺めて行く……文庫は九十〜二千年代で止まっている感じなので、うむむむむ。ポプラ社「ほんまにオレはアホやろか/水木しげる」を150円で買って退散する。

そう言えば「梅田蔦屋書店」から連絡があり、十二月前半の売り上げが好調なので、もっと本を送れ!と言って来たのだった。西の古本好きのみなさま、ありがとうございます!よし、クリスマスに間に合うように、古本小箱を用意することにしよう。木曜辺りに発送出来るよう、頑張らなければ。
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2021年12月13日

12/13途中下車して絶版探偵小説文庫を。

すっかり暗くなった夕方の高田馬場で仕事を済ませた後、西武新宿線各駅に乗り込みガタゴト…そうだ、新井薬師前駅前の「文林堂書店」(2008/08/04参照)がやっていたら、途中下車しようか。なるべく前の車両に移動して、駅に停まった時に見えるだろうか……くくぅ、駅前再開発の工事用フェンスが邪魔して何も見えん。なので思わず下車してしまう。家路を急ぐ人波に乗り、改札を抜けて小さな駅前へ出る。西の踏切方向へ向かうと、おぉ、やっているやっている。やはりこんな駅前至近に古本屋さんがあるのは、とても幸福なことだ。そして夜の昔ながらの古本屋さんは、殊更ノスタルジックで叙情的だ。そんな感傷に浸りながら、人々が行き交う至近で腰を屈め(なんたって工事用フェンスが背後に迫っているので、駅前は少し狭くなっているのだ)、店頭棚を注視して行く。店内には先客が二人おられたが、うまくタイミングを計らい、それぞれの進路を妨害せぬよう上手く立ち回りながら古本を眺めて行く。そして最終的に行き着いたのは、古本コックピット的帳場の前面に少し固まる、ミステリ文庫群。その中に以前から気になっている新潮文庫「ブルクリン家の惨事/コール 加島祥造訳」(昭和三十五年初版)があるのだが、帯ナシで少し傷み気味で三千円と言う安いは安いが微妙なお値段なので、いつだって躊躇してしまっていたのである。もちろんこの時も躊躇を継続させつつ『どうしようかなぁ〜』と己を説得する材料を探しながら、ちょっと手にしてみる。すると、うわっ!値下げされてる!三千円が千五百円となっている!半額だ!これなら躊躇せず買いますとも!と素早く店主に差し出す。「おっ」と、その無駄な勢いに意表を突かれた店主だったが、すぐさま立ち直り精算してくれた。う〜む、これは嬉しい。新潮文庫の、この本じゃなきゃ読めない絶版探偵小説の一冊だからね。途中下車して良かった。
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2021年12月12日

12/12今日もコツコツ色々買う。

暖かで穏やかな日曜日。ノンビリと始動し、午後遅くに一抱えの古本を携えて、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。「フォニャルフ」に補充すると、売れていた分量にピッタリと収まり、予想外の快感を得る。河出書房探偵小説名作全集9「坂口安吾 蒼井雄集」を百円で購入しつつ、十二月のイレギュラーズ活動について打ち合わせし、春秋社「オフェリヤ殺し/小栗虫太郎」小壺天書房「流浪の瞳/宮野叢子」などを手に持たせてもらい、帳場脇で静かに興奮してしまう。その後は荻窪に出て、「竹陽書房」(2008/08/23参照)で偕成社 名作冒険全集42「無人島の三少年/バレンタイン 那須辰造」を百円で購入し、続けざまに「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、創元推理文庫「スーパーアドベンチャーゲーム ゼビウス/namco」を880円で購入する。おぉう、この伝説の名作シューティングゲームを無理くりゲームブック化した、妄想的一冊が手に入るとは!
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見よ!このヒロイックファンタジーに寄せて『ZEVIOUS』感の消えたカバー絵を。後の大きなオッサンはバキュラ博士…あのクルクル回って向かってくる鉄板を開発した人だ!

ウフウフ喜びつつ、すでに夜の帳が下りた街を急ぎ足で阿佐ヶ谷に向かう。もはやクリスマスソングばかりが流れる『旧中杉通り』で、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭棚を、今日も素早く品定め。すると角川文庫「ホット・ロック/ドナルド・E・ウエストレーク」に目が留まる。これは、つい最近読み終わってしまった盛林堂ミステリアス文庫「二人がかりで死体をどうぞ/瀬戸川猛資・松坂健」の『松坂健編 死体をどうぞ』で上出来と評されていた映画の原作本(映画はこき下ろされていた…)。こういう出会いは大事にしておこうと掴み出し、店内では早川書房「夜明けの睡魔 海外ミステリの新しい波/瀬戸川猛資」を見つけてしまい、読了の寂しさを吹き飛ばすために計640円で購入する。一冊の本から、取りあえず二冊の本に興味が広がってしまった。良きかな良きかな。
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2021年12月11日

12/11つまりは函を買ったわけである。

「少年騎士傳/浅原六朗」を興奮の内に読了したのであるが(二篇が少年探偵小説、一編が友情もの、一編が少年大陸冒険ものであった)、最後に収録された冒険小説『太陽の輝く處』に大変な誤植があるのを発見してしまう。物語では、敵の策略により無線機が据え付けてあった第二テントが大爆発を起こすのだが、その章タイトルがこうなっているのだ!
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こっちが笑っちゃったよ。何故か目次も『第二天幕爆笑』になっているのが、また面白い。それにしてもこれが見過ごされているということは、昭和十七年に、もう『爆笑』という言葉があったんですな…。

そして本日は午後イチに恵比寿に流れ着いたので、『恵比寿ガーデンプレイス』の隅にモニュメントとして保存されている、建築家・菅原栄蔵作の水盤(2009/12/03参照)をうっとりと眺めてから、渋谷に向かって歩き始める。ビルが櫛比し続ける賑やかな『明治通り』を北に遡上し、『ウィンズ渋谷』のある坂を上がって『六本木通り』を横断し、『青山通り』に出ると、目の前が『酸素ステーション』が設置されていた旧『こどもの城』前。今は役に立ったんだか立たなかったんだか判らずじまいでその役目を終え、封鎖されてしまっている。そこから『宮益坂』方面に進み、「巽堂書店」(2017/12/16参照)の跡地が枕屋さんになっているのを確認した後、「中村書店」(2008/07/24参照)にたどり着く。
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ようやく営業中の姿に巡り会えた…さり気なく感激しながら、店頭木箱と店頭文庫ワゴンから一冊ずつ掴み、店内へと進む。奥の棚を支配する古書で眼の保養をしていると、小山書店「維納の殺人容疑者/佐藤春夫簒述」が目に留まる。抜き出して本体を函から取り出すと、どうも様子がおかしい。何と裏表紙と奥付が欠けており、最終ページのイラストが丸出しになっているのだ。そのため値段は格安の千円となっていた。ぬぉう、これはチャンスだ。実は先日の日下三蔵氏邸お片づけ手伝い時に、お礼としていただいた本の中に、この「維納の殺人容疑者」の裸本が含まれていたのだ。つまりこれを買ってあの本と合体させれば、完本の誕生となるわけだ!これは素晴らしき巡り逢い巡り会い。そう喜んで、河出文庫特装版「海潮音/上田敏」晶文社「パパは神様じゃない/小林信彦」とともに計1200円で購入する。大急ぎで家に帰り、早速本を入れ替える。やった!完全なる「維納の殺人容疑者」が、この瞬間に誕生したのである。
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左端が函、真ん中が日下氏よりいただいた裸本、右端が裏表紙と奥付の欠けた今回購入本。
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2021年12月10日

12/10歩いてコツコツ買い集める。

午後に中野に出て所用を片付けるとともに、『早稲田通り』の「古本案内処」(2016/08/23参照)に飛び込む。すると中央通路入って直ぐの左側の一本が、推理小説文庫棚(一部官能小越文庫アリ)に変貌を遂げているではないか。どうもひとりの人の蔵書らしい並びだな。そう感じつつ、結局この棚から弾かれ店頭に出された二冊を購う。新潮社探偵小説文庫「黄色い部屋の秘密/ルルウ」創元推理文庫「茶色の服を着た男/アガサ・クリスチィ」(再版の小父さんマークカバーだ!)を計220円で。「黄色い部屋の秘密」には、『探偵小説文庫』の広告(片面は「マルクス・エンゲルス選集」で、裏面は山本有三編集の「新編日本小国民文庫」と、アカデミズム満点)が挟まっていた。
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嬉しいオマケである。その後は高円寺まで徒歩移動し、『庚申通り』入口の「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に顔を出す。時事通信社「サハラに死す 上温湯隆の一生」出版芸術社 ふしぎ文学館「月光学園/平井和正」青蛙房「寄席育ち。三遊亭圓生」(函ナシ)を計400円で購入する。「サハラに死す」は昭和51年六刷りの、サハラ砂漠を一頭の駱駝で決死の横断をする若者(現地での通り名は“ラクダ青年”)のハードボイルド冒険紀行。そんな古本たちを携えて家に戻るが、古本だけを玄関に下ろして外出を継続する。向かったのは夕暮れの「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭で、補充を行う奥さまと挨拶を交わし、中央アート出版社「ボニー&クライド/ジョン・トレハーン」を110円で購入し、今度は本当に帰宅する。
posted by tokusan at 17:16| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする