
神保町交差点に近い白山通りにある。狭い折り返しの階段を昇ると、踊り場には本がディスプレイ。ウィリアム・クラインの「東京」が飾られている!さらに昇ると、鮮やかなオレンジ色の扉の前に到着。ここは写真関連専門の古本屋さん。有名店である。目の前の、閉ざされた扉のプレッシャーは、明るく巨大だ。このまま下に降りてしまいたい!しかし、お店の扉に対してそんな泣き言を言っても開く訳はないので、ええいっ!と中へ。ドアが異様にきしむ…店は右に奥まっている。奥を見ると、怪訝そうにこちらを伺う店主とバッチリ目が合う。…まぁ落ち着こう。他にもお客さんが三人。写真雑誌をめくり続ける女性、フランス人男性と日本人女性のカップルは、フランス語で会話しながら店内を往復している。「カルチェ・ブレッソン」とか「木村伊兵衛」とか「ユージン・スミス」とか聞こえてくる。入口前にはガラスケースが置かれ、主に国内作家のプレミア本が陳列されている。あ、でもマリオ・ジャコメッリとかラリー・クラークも!壁際は両方とも本棚。右の入口近くには。写真技術や機材関連の本、そして雑誌類が並ぶ。左の棚の下部は、積み上げられた写真集や写真雑誌に遮られ、見ることは出来ない。しかし上の棚は整然としており、パラフィンに包まれた写真家の評伝・評論・研究本・小型の写真集がズラリと揃っている。棚の中断はラックになっており、ビニールにマジックで値段の書かれた写真集が、表紙を向けてディスプレイ。その奥には国内作家の写真集が、都市・風景・自然・ポートレイトなどのジャンルに分けられ棚に収まっている。しかしこう見ると、写真集と言うのは本当に形態が様々。大きいものも多く、形も特殊、厚さもまちまち…棚にキレイに収める苦労が伺える。奥のレジ前は海外作家の洋書写真集や豪華写真集。洋書は相変わらず背文字を読むのに苦労するなぁ。棚の前には巨大な梱包用のプチプチロールがドン!とあり、その上に黒い箱状の物体が蓋をパックリと開け置かれている。覗き込むと銀の円盤、上蓋の裏に『高梨豊』や『吉増剛造』の名前がプリントされている。写真集なのだろうか…。最奥はレジ。傍らには仏像の写真やイラストが飾られ、眼鏡をかけた短髪白髪の店主が座っている(ちょっと『少林サッカー』の監督役の人に似てる…)。その前を過ぎると右はまた洋書棚。そして何とその横は、可動式の書棚となっているようだ!おぉ!かっこいい…。床にはレールが敷かれ、厚い棚は三つも重なっている。この棚の前面には、大型のポスターが飾られている。この時は西武百貨店関連のポスター(デザインは恐らく田中一光でしょうか…)が飾られている。品揃えは抜群!しかし神保町&専門店と言うことでプレミア価格の本多し。が、ここでしか見られないものも多し。本を手にレジへ。可動式書棚横の通路で作業していた店主に声をかける。本を受け取りレジへと戻る店主。書籍郵送用の固い封筒に入れてこちらに渡す。店では珍しい包装だな…と思いつつ五千円札を渡すと、いきなりバタバタ。引き出しを見る、財布を見る……「お釣りがないなぁ〜」「え?まったくですか?」「ないねぇ〜」小銭が無いのかと思い「千円札ならありますか?」「さっき切らしちゃったんだよ」…しょうがない「じゃあ外でくずして、また来ます」「スマン!」と頭を下げる店主。苦笑しながら、近くでちょっとした買い物を済ませ、再び店へ。いつの間にかお客の増えた店内。その人の間をすり抜け、レジへと向かう。お金をキッチリと差し出すと、店主が何故かピースサイン。え?と思い、さらに近付き手を前に出すと小さく何か言っている。「〜千円でいいよ…」……どうやら値引きをしてくれたようだ。嬉しい誤算!では遠慮なく、と思いお金を差し出す。「お手数かけて悪かったね」と通常の声で店主。いえ、こちらこそありがとうございます。でもお店に千円札はあった方がいいと思います!朝日ソノラマ「大型カメラの世界/北代省三」を購入。
posted by tokusan at 22:01|
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広島の老舗のカメラ店 (大洲カメラ店)が
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カメラはほんのわずかですが、新規にカメラ関係
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