2008年09月12日

9/12東京 西荻窪「屋」の付く二店!

西荻窪も古本屋がひしめく街。目標が絞りきれないので、屋号に「屋」のつくお店に狙いを定めた。


hiraki.jpg●西荻窪「古書 比良木屋」
駅北口を出て、北銀座通りを越えて線路沿い進むとたどり着く。店頭にはナナメ上を向いたワゴンたち。「美術手帖」や古い「太陽」などがこちらを見上げている。店のファサードは、大きな棚が二本とガラス窓、巨大な取っ手が付く引き戸で構成されている。すべて同一色の明るい木材で作られ、古本が無ければ花屋や喫茶店のように見えるだろう。そして天井近くには、店名をプリントアウトした紙が貼られている。引き戸をグイッとスライドさせて中へ。すかさず「いらっしゃいませ」と落ち着き払った声。奥のレジで本に囲まれ、森山大道のポスター前に店主が座っている。あぁ、今日もイカしてます。ノータイで糊の効いた白シャツにサスペンダー…ポリシー溢れるファッションがこの空間を完成に導いている。店内は両側の壁が天井近くまでの棚。真ん中には四つの斜めに置かれたボックス棚と、横積みされた全集のタワー。レジ前には古い机とその上に本。レジ下にも小さい棚がある。まずは右の壁際棚から見ると、絶版漫画・コミックスが少量だがマニアックな品揃えで並ぶ。次が食&料理・文学・伝統芸能・児童文学・文化・思想・宗教・哲学などが細分化され、行きつ戻りつして、文庫・新書・ハードカバーなど形態に分け隔てなく並ぶ。ちょっと集中力の必要な棚である。向かいのボックス棚には岩波文庫・LPレコード・海外文学が収まっている。奥の棚には、三島由紀夫の直筆原稿が無造作に掛けられている…私にはまったく見る目がないので「ホンモノなのだろうか?いくらするのだろうか?」と不謹慎なことを考えつつ、レジ下の棚を覗く。サンリオSF文庫・ロマン文庫や様々な絶版文庫が並ぶ。その向かいの机には、日本文学・評論・エッセイなど古目の本が、背を上向きにして二段重ねで置かれている。左側の壁際の棚は、大量の音楽本!現代音楽・クラシック・ジャズ・ロックと充実。所々にエリック・クラプトンのサイン入り写真が飾られている。中でもおかしいのは、とんかつ屋の前で撮った写真。この引き伸ばされた冴えない写真に、サインするクラプトンって…。『珍品』と書いてあるので恐らく売り物だろう。その横は写真集と写真評論が並び、ここも充実の棚と言える。入口横には、建築・デザイン・ファッション・芸術全般が収まる。この一角には通路にも本が積み上げられ、雑然とした雰囲気。本を携えレジへ。しかし、一番雑然としているのは、この店主の周囲である。そのために店主のフォーマルなファッションが異様に引き立つのだろう。狭い空間で優雅に膝を組みながら、いつの間にかこちらを向いた店主に本を渡して精算。フチなしの眼鏡がキラリと光る。私の頭の中の雑然とした本の山の中にも、いつのまにかこの店主が住み込んでいそうである。お店の隣りには、やけにオープンな市場のような模型屋があり、その店頭でも古本を売っている。時間のある方は、ぜひ覗いて見るのも一興です。角川文庫「迷子の天使/石井桃子」を購入。


gogoshima.jpg●西荻窪「興居島屋」
駅北口からちょっと離れ、北銀座通りから一本裏に入った場所にある。鞍馬天狗のイラストの看板、手彫りの大黒様と右側は…何だろう?…何かが守る店看板、店前には雑誌や絵本が置かれた低い平台と、古いミシン台を利用した均一台…すでに一筋縄ではいかない雰囲気。ライトグリーン枠の引き戸を開けて店内へ入ると、明るい表とはまったく正反対の内部。細長い店内に細い木製の棚、天井にはワット数を抑えた白熱電球と、布に刷られた色彩鮮やかな図版イラスト(中には本の装丁で見たものも。あ、『火星の庭』の図版もある)がぶら下がる。まるで木造の古い小学校か、もしくはひなびた温泉街にある本屋といった風情。壁は右も左も本棚。真ん中には細い背中合わせの棚が、手前と奥に一本ずつ設置されている。右の壁際は最近の日本文学から始まり、奥へ行くほど古い本が増えていく。その過程に、幻想文学・文化・映画・演劇・思想などが入り乱れ、独特なサブカルチャー的棚を作っている。思えば西荻窪は、ただジャンル分類や出版社分類、50音順分類をするのではなく、ジャンルが行ったり来たりして一見カオスと見間違えるような並びだが、でもちゃんとつながる必然性や店主の思惑が絡み合って、真剣に見ているといつの間にか心を弄ばれている棚を持つ店が多いように思う。棚から店主の個人的な『知』が滲み出しているのか!?この方式は、じっくり余裕のある時は神経を集中出来、新しい発見も含め楽しめるのだが、私のように時たまダッシュで駆け抜けねばならない者にとっては、大きな障害となるのである。もう、心と体が焦燥で分かれてしまいそうになるほどに!…やはり古本屋はじっくり見るに限ります…。足元の平台には、カラフルなグラビア誌が古いモノを中心に並ぶ。奥にはビジュアル本や写真集、その横の小さな棚には古書とCDが収まっている。向かいの棚はすべて文庫で、小説と言う大枠で50音順に並ぶ。その横はエッセイやノンフィクション・学術文庫、そして絶版文庫が並ぶ。二本目の棚にはSF文庫や新書が収まっている。反対の左の通路は独特な空間。壁際には写真集やミニコミ誌、岡崎武志氏の著作などが余裕を持ってディスプレイ。その横にはキレイでチープな風合いが魅力のマッチラベルコレクション。入口近くは児童書と絵本が並び、特に絵本はラックに表紙を見せて、キレイに展示されている。向かいは、レジ近くは古い絵葉書・地図・蔵書票などが。少量のコミックもあり、通路を隔てた入口側の棚は、料理・生物・海外文庫・100円均一文庫となっている。このお店は夜遅くまでやっているので、夜更けに来ると雰囲気倍増!通りに店の明かりが漏れている感じがたまりません。幻冬舎アウトロー文庫「破滅の美学/笠原和夫」を購入。

この街にはまだまだ個性溢れるお店がたくさん…あぁ、もっと後回しにしたい!
posted by tokusan at 22:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうして荻窪にはこんなに古書店が多いのですか?よろしければ教えてください。
Posted by okamoto at 2008年09月13日 23:04
さぁ…そう言えば考えて見たこともなかったです。中央線はスゴイですからね。何か理由はあるのは確実でしょうね…。すみません、お役に立てず。
Posted by tokusan at 2008年09月16日 20:01
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