●札幌「古本 なづな書館」市電の西15丁目駅近くにある。広い道路、まばらな建物。その中に『書』という一字を掲げた看板が見える。近づくと、もうそのたたずまいだけで、完全KO!!木枠に一枚板ガラスの扉、青いブリキの庇、『古本買いたし』の擦れた文字。もう高倉健の映画に出て来ても…いや、高倉健自身が中に座っていてもおかしくない!ホントにこのまま居抜きで撮影に使えそうなお店。多少歪んでいるが、スムーズに滑るガラス戸を開け中へ。外観以上に中もスゴイ!もはや開拓民の古本屋です。しかも床はうねり、棚は傾き、見方を変えればドイツ表現主義に見えなくもない。店は横長で、壁は一面本棚。入口手前から対角線上に平台が二つ。逆の対角線には、背中合わせの棚が二つ。入口近くの棚と平台はコミック。奥の背中合わせの棚には、新しめのハードカバーと少量のアダルト。壁際はコミックから始まり、奥に歴史や経済・ノンフィクション本が。そのまま角を曲がると自然科学(動植物多し)が棚の大半を占め、奥に音楽や映画が収まっている。向かいは海外文庫がびっしり。特に岩波文庫・赤が大量である。どうやらこのお店、見た目のくたびれた感じとは裏腹に棚は抜群な模様。裏は時代劇文庫ですべて埋まっている。その横の平台は、下の棚部分に将棋・囲碁、平台部分に大判の本がディスプレイされている。再び壁際に戻ると、店奥倉庫への入口の周りに作られた、手作り感満載の棚には芸術関連の本。再びちゃんとした棚が始まり、海外文学・日本文学(北海道作家の本あり)・評論&評伝・思想・哲学・古代史と並ぶ。レジ横はすべて北海道の本。北海道史・アイヌ文化・大自然・都市史・昔話・民俗・生活…など様々なバリエーション。横の背中合わせの棚には、文庫と新書がしっかりとしたセレクトで並んでいる。レジでは店主がお茶を淹れている。店の中にもうもうと立ち上る湯気。板ガラスを通して入ってくる光の中で、湯気が揺らめく…。全体的に新しい本が多いが、日本文学には古いものも多く含まれている。本はしっかり店のポリシーに基づいてるので、見ていて飽きることはない。値段も安く心も休まる故郷のようなお店でした。学陽文庫「古本探偵の冒険/横田順彌」を購入。
●札幌「さっぽろ萌黄書店」地下鉄西11丁目駅近くにある。ビルの一階に入った明るく広めなお店。丁寧にパラフィン紙に包まれた本が白くまぶしい。店内は正方形に近く、奥にレジ、壁は本棚がズラリ。入口側ガラス窓の前には低めの棚が置かれている。店内には左側に背中合わせの棚が一本。右側には色々な棚が組み合わさり、背中合わせの棚を形作り、一本ずつ少しずらして置かれている。左の壁際は新書・将棋・囲碁・競馬が並び、そこから北海道&アイヌ本がズラリ。炭鉱の本も多く収まっている。奥は思想や哲学。向かいは文庫棚で、右側に新しい本、左側には絶版文庫が多く並ぶ。あぁ、見たことのない本が多い。探偵・SF・ミステリーも充実している。最近、色んなお店の文庫棚で驚くことが多過ぎる気が…。裏にはオカルト・旺文社文庫・海外文庫・女流作家文庫が並ぶ。その向かいには、風俗&性愛・ジャーナリズムなど。ガラス窓前は現代ミステリー中心の棚。背中合わせ棚の裏側は、文化・宗教・写真評論&評伝・映画・テレビ・落語、という構成。向かいの壁際は、山岳・戦記・日本文学・探偵&推理(濃!)。レジ横には写真集がザクザクと収まっている。うーーん、欲しい本が多い…たくさん見つかり過ぎの嬉しい悲鳴。しかし値段がキッチリ付けられているので、全部買うと確実に予算オーバー。涙を飲んで、せこくセレクト…。途中男女二人がネットで見た本を買いたいと入って来た。ところがその本が見つからず、店主と奥さんとその二人の、計四人で店中を大捜索し始めている。探書は「ロンパリウサギ」。奥さんが何度も「ロン……何だっけ?」と確認しているのが、おかしくも心に残りました。角川文庫「東京爆発小僧/末井昭」岩波文庫「伝奇集/J.L.ボルヘス」を購入。
札幌にはまだまだ古本屋が多く存在する。北海道本の充実ぶりといい、古本屋さんの多さといい、北の大地は出版文化がしっかり根付いている気がします。また来年来ます!


🏚️画像脇の狭い小路の並びにはパーマ屋さん、その辺りからくるっとまわって遊び歩いた幼少期を思い出し...