2008年12月20日

12/19香川・高松で様々なお店三店!

四国の道は何だか白い。特に陽が照り返すとスペインのように白くなる。そしてここ高松にも、うどん屋さんだけでなく古本屋さんもある。…初めて出会うタイプのお店もそこに…。


pukupuku.jpg●高松「ぷくぷく書店」
巨大アーケード・田町商店街の終点にある。白いボードに覆われた店入り口の両脇には、ゲームのポスターが貼り付けてある。店頭には二台のワゴンがあり、どちらもコミックが入っている。入口から真ん中の通路に入ると、目に入るのはすべてコミックとゲーム。左側の通路も同様である。おぉ、スーファミの在庫がすごいなぁ…。本の姿を求め右側の通路へ。入口側に向かって“コ”の字に棚が並び、壁際には単行本と作家50音順文庫。文庫は基本100円だが、ビニールに入ったものは少しだけ値が張る仕組み。コバルト文庫とソノラマ文庫がさりげなく充実している。初老の夫婦がそのソノラマ文庫に狙いを定め、棚に張り付いている…孫にでも読ませるのだろうか…もしやセドリ?奥に小説単行本、通路側棚には古いコミック・ノベルス・新書が並んでいる。レジ横にはゲーム攻略本も。本は安いが、ほぼ小さな新古書店の趣き…。新潮文庫「海の仙人/絲山秋子」Nintendo「Baseball/旧ゲームボーイソフト」を購入。


fuji.jpg●「不二書店」
田町商店街から出て左に進み、住宅街の中に入り込むとたどり着ける…はず。道路に出ている立て看板がなければ、古本屋と認識するのはほぼ不可能だろう。店前に大きく開かれたスペースに入り込み、入口前に立つと、ガラスの向こうに本があることがようやく分かる。印象は『本に埋もれた工務店』である。扉に手を掛けようと思ったら、突然ガラララッ!ただのサッシと侮っていたら、しっかり自動ドアでした。お店も侮れないかも…。中は森閑としており、左のレジと言うか机におばさんが一人。棚は何やら雑然としているイメージ。右・正面・左の壁際に棚が置かれ、目の前にある雑誌ラックの後ろの背中合わせの棚が、右側に行き止まりの通路を一本作り出している。右奥と左手前、通路棚の裏には比較的整頓された文庫が並ぶ。ほとんどは小説だが、新しいものから古いものまで中々いい感じ。それ以外の棚には、あらゆるジャンルの新本古本がタテヨコに収まり、非常に見にくい棚構成。単行本・ムック・全集・ノベルス・新書・コミック…。所々ジャンルっぽく固まっているところもあるが、私には判別不能…。各棚の各段には、白い四桁の数字が書かれた帯を巻いた文庫本が、横向きに入れられており、どうやら棚がしっかり分類されていることを表しているらしい。と言うことは店側は明確な意思を持って、棚を作っているのだろうか…。左側の広いスペースに向かう。棚は相変わらずなカオスぶり。こちらにはアダルトも混ざり、部屋の真ん中にはエロ雑誌の島まで出来ている。レジ裏には二台のパソコンと誇りまみれの運動器具。先ほどの分類コードと言い、どうやらネット販売もしているようだ。文庫から一冊抜き取りレジへ。値段が書かれていなかったが、お店側が把握していればいいこと。とりあえずおばさんに声を掛け、本を渡すと100万弗の笑顔がキラリ。しかしその笑顔とは裏腹に「値段書いてあるかなぁ〜」と不安な一言。「ないなぁー、あぁ〜、どうしよう…」何やら一人で懊悩開始。「値段分からないんですか?」「うーん。インターネット見たら書いてあると思うんだけど…それ見て確認してもらえれば…」な、何を言ってるんだ?私が店に本を買いに来たことを、根底から揺るがす発言!「じゃあ売ってもらえない?つまりはムリだと?」「そうね〜」「…じゃあいいです…」「ごめんなさいね〜」10弗の渋い笑顔。あぁ、ついに本を売ってくれない古本屋に出会ってしまった…切ない…。


river.jpg●高松「リバー書房」
中央通りと兵庫町商店街がクロスする場所から、少し高松駅寄りにある。店の前面はガラス張りで、大きなシンボルマークと店名が描かれている。店頭棚は硬めだが、文庫中心で充実な並び。横には雑誌・ムック・写真集・絵本が入った小さいラックが二つ。どっちに開けたらいいのか戸惑う扉を引き開けて中へ。奥行きのある明るい店内、床は木の板、奥は何故か壁が鏡張り。通路は広々としており棚も見やすい。そして少し雑然…奥のレジ周りが雑然…さながらベーカー街のシャーロック・ホームズの部屋。壁は左右とも本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本。左の壁棚にいきなり目を惹き付けられる。探偵小説とその周辺・都市文化・ジャズCD・別冊太陽などのムック…サブカルとはまた一味違う、カルチャーな棚。下にはちくま文庫がズラズラと並んでいる。その奥は大判な本がメインで、芸術・骨董・民藝・建築。向かいは図録から始まり、ポケミス・講談社文芸文庫・サンリオ文庫・教養文庫・講談社大衆文学館などがラインナップ。奥には、書・建築(単行本。おぉ伊東忠太の法隆寺が!)・音楽が収まる。この通路棚は低めである。レジ前を鏡に映りながら通り過ぎ、右の通路へ。通路棚には、映画・歌謡・新書・岩波文庫・講談社学術文庫が礼儀正しく並んでいる。壁棚は文学評論・詩歌・幻想文学・海外文学・戦前の満州&台湾&朝鮮などのアジア関係・生物・山岳・社会・歴史・思想・郷土本と硬めな並び。下には岩波文庫・青がズラズラズラ〜。古い本や珍しい本が多く、とにかく見ていてウキウキアセアセ楽しい。お値段はジャストな感じ。店主は一見無愛想な感じですが、私はこの人の「ありがとうっ」が大好きです。買う本を差し出すと、普通の声ながら「ありがとうっ」と言う短い言葉に、『本を買ってくれてサンキュー!』と言う思いと親しみが滲み出しているのだ。それだけで何だかホッとする。遠い旅の地でホッとする…。福武書店「『COMICばく』とつげ義春/夜久弘」を購入。

とにかく…こう…本は売って欲しい。店番の人でも売れるシステムをしっかり確立しておいて欲しい。本が買えなかったことより、ある意味資本主義を根本から揺るがすほどのシステムに衝撃を受けたツアーでした。安穏としてられませんな。
posted by tokusan at 01:18| Comment(12) | TrackBack(0) | 中国・四国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
2番目の店が、気になりますね。

基本は、通販なのか、まだ開店したばかりなのか、ブログ主さんの文章にパソコンと書いてあるのに価格を調べてくれない。

おばちゃんは、パソコンが使えないのか。昔、価値のある本を勝手に安く売って、旦那さんか息子さんに怒られたことがあるのか。

私も販売業の経験があるので、このおばちゃんの気持ちがよくわかりますね。客の立場からすると把握しとけよですが。

新刊書店では、あり得ない展開ですね。(在庫確認ではありますが)これも古本ツアーならではの面白さなんでしょうね。
Posted by 古本道 at 2008年12月20日 09:05
とにかく色々な形態のお店がありますね。古本屋と言う商売がますます混迷の彼方へ。しかしその振り幅が楽しくもあり、驚きでもあり…。最も、是が非でも欲しい本だったら、もっと切実に食い下がるんですが…。
Posted by tokusan at 2008年12月22日 01:39
高松にはよく行きますが、不二書店は知りませんでした。田町商店街のぷくぷくの反対側に比較的大きな古本屋があったのですが、今はもうないので、移転したのかもしれません(今度たしかめてみます)。

リバー書房の主人はなぜか関東弁なんですね。店をもつ前はセドリ師をやっていたんだとおっしゃってました。じつはこの店でも値段のない雑誌を売ってもらえなかった経験があります。最近は、とにかくネットで値段を調べてからでないと売らないという、多少さびしい傾向が顕著のように思います。

古本屋ツアー、今後も楽しみにしております。


Posted by sumus_co at 2008年12月26日 09:46
コメントありがとうございます。元セドリ師…古本屋さんにも当然それぞれの人生があるんですね。香川では、名前がスバラシイ昭和町の方にも行ってみましたが、目的のお店はシャッターが閉まってました。何か分かり次第お教えいただければ幸いです。来年は早々に京都にも伺う予定です。どの辺をどのくらい回れるかまだ分かりませんが、勉強させていただきます!
Posted by tokusan at 2008年12月26日 23:32
昭和町のお店は今年の一月に店売りを止めたらしいです。本はそのまま置いてあり「倉庫」と貼紙していますので、ネットで営業しているのかもしれません。ここがいちばん楽しめる店でした。

高松へまた来られるなら、讃州堂書店をおすすめします。香川県高松市松島町2-1-9電話087-834-1533。コトデンの松島駅下車すぐ。

京都は一乗寺から南下がおすすめです。
Posted by sumus_co at 2008年12月27日 22:05
再びありがとうございます。店売り終了でしたか…一度見てみたかった…。京都は一乗寺から。宮本武蔵な感じがたまらないですね(すみません…下らなくて)。ダッシュで行けるかどうか分かりませんが、参考にさせていただきます!
Posted by tokusan at 2008年12月28日 19:14
リバー書房のご主人は、とってもいい人でした!
値がつかない海外アーティストブックや洋画のパンフ等を買取って下さり、コーヒーまでご馳走して下さったのです。
感謝の気持ちでいっぱいです!!
Posted by Natsuki at 2010年01月24日 13:05
Natsuki様。コメントありがとうございます。リバー書房に行かれましたか。しかも本を買いにではなく
、売りに!どうかより仲良くなって、これからもご贔屓に!あぁ、何だか羨ましいなぁ…。
Posted by tokusan at 2010年01月24日 23:38
先日は西荻ブックマークで楽しく為になるお話をありがとうございました。西荻でお渡しした名刺のメアドを上記メアドに変更しております。
広島ではもうご存知だと思いますが、本通に2店舗ある「アカデミィ書店」も是非、まだでしたら、行ってみてください。
広島カープのグッズなどもあって、地元民には楽しい古本屋です。
Posted by 増田啓子 at 2011年03月23日 14:01
増田啓子様。コメント&先日はありがとうございました。でもあのような話は、果たして為になるのでしょうか…!?広島、「アカデミィ書店」はすでに満喫済みです。確かに支店のカープグッズはわくわくしました。今度広島に行くことがあれば、大学方面に行きたいなと思っています。
Posted by tokusan at 2011年03月23日 19:15
御著『古本屋ツアー・イン・ジャパン』原書房、拝読しました。贅沢な一冊を堪能しています。昭和町の昭古堂は、高松市立中央図書館近くにあり、先代が店主をされていた頃、図書館の貸出だけでは満足できず、帰りによく寄りました。ネット専門店では、岡山の「班猫軒」が一押しです。宝石箱を覗いているような商品のレイアウトが、手持ちの余裕を無視して買いたい気持ちをそそります。それと忘れていました。高松では、NHKローカルでも放映された、予約をしないと入店できない謎の古書店
「なタ書」です。四国のメガバンクw「百十四銀行」の東側。フェリー道りの西側あたりの旧場末の
路地にあるとのことです。すみません。実は私もまだ訪れていません。ブログを楽しみにしています。益々のご活躍を。
Posted by sollers at 2014年12月04日 13:38
sollers様。あのめんどくさい本を読了!感謝です!中国・四国のお店、なかなかツアー出来ないので、どうにかしなければと日頃から思っております。四国は海沿いにぐるっと回って、古本で荷物を重くしたいですね。そちらの情報、またお教えいただければ助かります。よろしくお願いいたします!
Posted by 古ツア at 2014年12月04日 20:11
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