●浜松「典昭堂」遠州鉄道・遠州病院駅を出て、目の前の大通りを西へ。常盤町の交差点を過ぎてから見えるバス停の前にお店はある。おぉ!古めかしいが何だか立派である。特に庇の上にニョキっと飛び出している立体の看板文字がたまらない。店頭には右側にコミックの揃い、左に括られた異様な安さの全集や辞典類。10冊100円、17冊300円…文庫の端本は30円…。店内は薄暗く、床はコンクリ、天井や棚は木製。壁は一面が棚、奥が帳場、真ん中に背中合わせの棚が二本。入口左横には全集類の山、右前にはコミック揃いの山。そこには『水島新司のコミックは棚の下に』と強力プッシュポップも。右壁棚下には確かに水島コミックの揃いが並んでいる。右の壁際は文庫から始まり、日本文学・教養・女流・現代小説・時代小説と並ぶ。その奥は、郷土・人文・歴史・民俗の単行本が。この中には新刊の特価本も多く混ざっている。向かいの通路棚は、岩波新書&文庫・他社新書がズラッと収まる。ここでも岩波新書の未使用新品が100円で売られている。不思議なお店だな…。真ん中の通路には、大判の美術本・実用・建築・科学・自然などが…あぁっ!東海大地震の本が固まっている!やっぱり心配なんだなぁ…。左の通路の壁棚は、宗教・小説・ノベルス・ハーレクイン・海外文学&文庫(ポケミス少量あり)が並ぶ。宗教・小説にはまたもや新刊特価本多し。向かいには美術や文学評論が並んでいる。このお店は1/4くらいは新刊の特価本のようだ。そう言えば窓には『赤札値引開催!』と貼ってあったが、これらのことなのだろうか。まぁ値引がなくても古本はとにかく激安である。30円や50円がゴロゴロしているのだ。10冊買っても500円…思わず数冊買いそうになるが、グッと思いとどまる。本はよく吟味して買いましょう。岩波新書「パリ1930年代/ルネ・ドゥ・ベルヴァル」を購入。
●浜松「古書の三軒堂」先ほどの通りから一本北へ上がった六間道路を、ひたすらただひたすら東へ。馬込川を越え、佐藤の交差点を過ぎ200mほど進むとようやくたどり着ける。三店舗連なる長屋形式のお店。ちなみに左が寿司屋、真ん中がスナック、そして右端が古本屋…すし→スナック→古本屋と流れるのがベストであろうか…ハッ!?三軒並びだから『三軒堂』なのか…?店前は駐車場になっており、空色の車が入口ギリギリに停まっている。あぁ、ここもお店の看板がいいなぁ…看板屋がその昔に書いたであろう筆文字の書体が力強い。隣り二軒の有りモノの書体など、まったく比較にならないほどだ。取りあえず車の後ろをすり抜け店内へ。寒い中を歩いて来た身体が、店の暖かさにホッと一息ついている。まず目につくのは入口脇に置かれているワゴン。秋田書店のサンデーコミックスや大都社の絶版漫画がバスバス並べられている…しかも安い…こんな並びのワゴン見たことないなぁ。壁は一面棚、真ん中に背中合わせの棚が二本、入口左脇に平台、奥に帳場がある。ワゴンに驚いたまま壁棚に目をやると、スポーツ・ハーレクイン・宗教・言語・古本・アダルト・オカルト・哲学・化学・数学と続いている。道路脇の看板に『文学・宗教・地方史』と書かれているだけあり、宗教が二本ほど棚を占領している。向かいには、文化・民俗・江戸・東京・山岳・文学評論が収まり、面白そうな本が安値で並んでいる。官能小説の並んだ細い棚前を通り、真ん中の通路へ。新書・映画・車の本…近いせいかトヨタの本も多い。下には古い雑誌が並べられ「滑空機」などと言う不思議なものも。向かいには最近のコミック(立読み禁止!)・エッセイ・静岡関連本…あぁっ!ここにも大地震の本が集結!何か怖くなってくるなぁ…。入口左横の平台にはまたもやアダルト、その前は古いコミック棚。ここにも絶版漫画がチラホラ。左の壁際は、詩歌・またもやオカルト・古代史・小説・時代小説・戦記・歴史、帳場横に静岡地方史が並ぶ。向かいには結構バラバラに並んでいる新しめの文庫たち。中心地から少し遠くお店も小さめだが、探せば何か見つかりそうである。そしてここも店内は木とコンクリで作られている。もちろん打ちっ放しやジャパニーズモダンとは無縁だが、この雰囲気は長い熟成期間を経ないと出てこない雰囲気。これが味わえただけでも来た甲斐があると言えよう。ノーベル書房「侍 市川雷蔵 その人と芸」を購入。
この地では古本屋は、まさに点在していると言う表現がふさわしい。それにしてもどのお店も古び方がいい感じで、特殊な魅力にあふれている。以前訪れた『時代舎』も含め、お店の中身はそれぞれだが、この共通のたたずまいは、示し合わせてるのかと思うほど。これからもどうか浜松の文化の一翼をひっそりと担ってください。

