●広島「景雲堂書店」原爆ドームの対岸、国道54号に面した相生橋のたもと近くにある。比較的新しくこじんまりとした店構え。店頭にはワゴンが二台、本棚が一本、ビールケース+ダンボールのミニ平台が二つ。100均文庫&新書、単行本が並んでいる。古い本が散見されるので、自然と期待に胸が高鳴る!中に入ると細長い店内。最奥では店主がパソコンとにらめっこ中。壁は左右とも本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、通路は各所に本が美しく積み上がりその幅を狭めている。そこには紙物や古い雑誌もチラホラ…。右棚は、日本文学。文学評論・海外文学・戦争関連・差別&マイノリティ・民俗学・江戸・世界・哲学・思想・古典・詩集・歌集・句集と言う並び。店頭と同じく随所に古い本が入り込み、見難い背文字に思わず顔が接近してしまう。向かいには、日本文学文庫作家50音順・教養&岩波&ちくま&中公文庫、そして岩波を中心とした新書棚…棚が白に染められている…。左側の壁はレジ横に広島の資料本。後は黄色いスチール棚に重量感のある大判本やムックが並ぶ。科学・美術・文学・映画・地図など様々である。入口近くには歴史読本と共にサブカル本が何冊か収まっている。、向かいの通路棚には文学文庫50音順の続き・海外文庫・実用・料理・選書、そして政治・文化・文学・映画・音楽・美術などがこまごまと並んだ棚が続く。印象はとにかく店内も棚も薄く細長い!まるで新書のようなお店である。各ジャンルに古い本がしっかり混ざり込み、見ていて楽しめる質の高めな棚造りがされている。値段は安め〜普通と言ったところか。店主の応対は『懇切丁寧』と言うコトバがピッタリである。岩波書店「郡虎彦 その夢と生涯/杉山正樹」を購入。
●横川「神戸堂書店」広島市街から市電で10分ほどの街・横川へ。寺町通りと並行して走る商店街『横川本通り』の、天満川近くにお店はある。通りは綺麗に整備されているが、人通りは少なくとても寂しげ。緑の日除けの下に店頭台などは無く、代わりにあるのは窓ガラスに描かれた本の絵。絵本や漫画らしき本、『広島の街 横川編 神戸堂書店』と言うナゾの本…などが白い線で踊っている。引き戸を開けると薄暗い店内、入店を知らせるチャイム、奥から聞こえてくる大きなテレビの音…しかし誰も出て来ない。薄暗さに慣れた目を棚へと向ける。右壁は本棚、左には三本のスチール棚と平台付きの大きな棚。その奥に階段下を利用した小部屋的スペース。そこの壁も棚で埋められ、ワゴンも置かれている。右壁棚には、文学・歴史・超能力(何故か目立つ)・全集・アダルト・美少女コミックが並ぶ。奥の帳場近くには、古いアイドル写真集が面出しで並べられている。佐野量子・工藤夕貴……こう言うのって結構お宝なのでは、と思いつつビニールに貼られた値段を見ると、意外なほど高値のしっかりした値段が付けられていた!ただの街の古本屋だと思ってたら…結構やるな…。とここで奥からおばあさんが「いらっしゃい」と言いつつ登場。帳場にゆっくりと腰を下ろす。入口近くにはハーレクインが大集合し、その後には文庫が続いて行く。下の平台にも文庫が並び、ほとんどがエンタメ&ミステリ&時代劇。隅の方では五木寛之の単行本と美少女コミックがまとめられたりしている。奥の小部屋に入ると、壁棚はすべてコミック。左側に官能小説とアダルト雑誌が集まっている。レジ下にも文庫本があり、書皮が掛けられたままの本が一冊!手に取ると村上春樹の「レキシントンの幽霊」…そっと棚にそのまま戻す。アイドル写真集以外はパーフェクトな街の古本屋さん。そうそう世の中甘くはないですな。本を手に取りレジへ。帳場ではおばあちゃんより大きいであろう、巨大なキューピー人形がこちらを見下ろしている。本を差し出すと、値段を確認し半額にしてくれた!本が多少ひしゃげていたためと思われる。おばあちゃんは本を両手で挟みこみ、少しでもキレイなカタチに直そうとしていた…それじゃあ直らないと思います!でもありがとう!値引&その気持ちだけで充分です!朝日文庫「街道をゆく21/司馬遼太郎」を購入。
●横川「ムーンブック」寺町通り沿い、市電駅・横川一丁目近くにある。黄色い日除け、サッシには女性のポスター…う〜ん、これは完全にアダルト中心のお店だろう…どうするか…しかし入口の向こうに廉価コミックの並んだ棚が見えている…これなら普通の本も少しは…と意を決して中へ!…薄暗い店内に瞬時に目が慣れると、そこには予想外の本の空間が広がっていた!天井まで続く棚が何本も目に飛び込んで来る。そのほとんどはコミックのようだが、アダルト専門店ではなかったことに『入ってよかった!』と望外の喜び。壁はびっしりと天井までの本棚。同様の三本の背中合わせの棚。左には、これも棚に囲まれたレジと「いらっしゃいませ」の声と共に出迎えてくれる店主。奥行きも意外なほどあり、遠くに文庫棚が見えている!重ねて『入ってよかった!』と心の中でつぶやく。右壁棚はアダルトとゲーム攻略本、向かいにはコミック。その裏はノベルス(おぉ、帝都物語がっ!)とコミック、その向かいは表・裏すべてコミック。そのさらに向かいにはハーレクインとコミック、その裏もコミックとなっている。コミックはビニールにしっかりと包まれ、出版社別の50音順に並べられている。入口正面奥の壁に日本文学文庫棚。結構しっかりとした棚造りで、純文学もしっかり細かく集められている。それにしても西村京太郎と和久俊三の棚占有率には凄まじいものがあるなぁ…。左壁は、SF&ラノベ文庫・雑学文庫・文学&サブカル&実用単行本が少量並ぶ。コミック・文庫・アダルトと言う非常に判り易いお店である!そして所々に小型防犯カメラが仕込まれ、死角を生み出さぬよう工夫されて全方向を監視中!まるで『デスノート』の『L』に匹敵する徹底っぷりである。本を買って表に出ると、再び陽光降り注ぐ街路。振り返って窓のポスターを見ると、AVのものだとばかり思っていたそれは、缶コーヒーやお茶のれっきとした健全なポスター…勝手にアダルト系だと思った自分を反省…。文春文庫「コンピュータ新人類の研究/野田正彰」を購入。
帰りは横川駅から市電に乗り込み再び市街へ。車窓に訪れた古本屋が流れて行く…あぁ、仕事さえなければもっと古本屋を回れるのに…いつの日かまた訪れてみせるっ!

