●浅草「地球堂書店」駅を出て『雷門』を潜り『仲見世』を北へ。若者と観光客と外国人でごった返す参道を、阻まれながら少しずつ進む。そしてようやくの『伝法院通り』を西に進む。仲見世横のひとつ目のアーチを潜り、さらに二つ目のアーチを潜ると、そこに時代劇映画のセットのような書割的店舗が連なっている。通りかかった人力車の車夫が「ここは江戸時代の街並みを再現した通りです」などと乗客に説明している。再現するのはいいのだが、この薄っぺらなニセモノくささは何とかならないものか…。今回のお店はその中の一軒である。もちろんお店の外観は擬似江戸様式。二階から突き出した小屋根の付く店看板、軒には古銭を意識した丸い店看板。その下に瓦の小さな庇があり、さらにそこから藍染の暖簾風日除けが下がっている。染め抜かれているのは『古書』の文字と本のマーク。店頭は本……ではない!左に一袋100円の飴が詰まったダンボールが十一箱と、おつまみ的乾き物!さらに右に目をやると、浅草ピンズのガチャガチャと競馬新聞!さらには手書きのレース結果表!!!浅草と言う土地柄を見事に体現した店構えである。安売り台は小さめなのが競馬新聞の後ろにひっそりと置かれている…。先ほどからおばあさんが店先をウロウロしている。どうやら店先は彼女の管轄のようだ。中はスッキリとして、整頓が行き届いている。店舗は逆さ“L”字型で、左奥にスペースが広がっている。壁際は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、左奥に平台、正面右奥に帳場がある。眼鏡に黒い服のオシャレヒゲ店主が、ビシッと起立したまま作業中。右壁はビジュアルムックから始まり、日本文学・歴史&時代劇・日本近代文学・復刻本・文学評論・詩歌・美術・工芸などが並ぶ。向かいの通路棚は壁棚に呼応するかのように、日本文学・三島由紀夫・奥野信太郎などが並び、下段のラックに美術雑誌、右側に海外文学文庫・新書・絶版文庫・教養系文庫が収まっている。裏側には日本文学文庫・時代劇文庫・ノベルス・新書、下段のラックにコミックや雑誌類となっている。左壁棚には、戦争・近&現代史・民俗学・建築・宗教。そのまま左奥スペースに移り、壁際には演劇・映画・歌舞伎・音楽・能・狂言・文楽・食・江戸・落語などが、ぐるりと少し混ざり合いながら続き、レジ周りに集められたプレミア本に行き着いて行く。平台には大判本・豪華本など。各棚下には平台もあり、全集本や雑誌などが並べられている。日本文学・演劇・伝統芸能に強いお店。芯の通ったしっかりとした棚造りが連続する。値段は高め。相変わらず起立作業中の店主に、横から本を差し出し「すみません」と声を掛ける。主人は少しも慌てず騒がず作業の手も休めず視線も動かさずに「いらっしゃいませ」。『アナタが本を買うのは判っていましたよ』と言われた感じ。応対は柔らかで丁寧。帳場後ろの壁に貼られた、氷川きよしの生スナップ写真が輝いてます。白川書院「京の庭を巡る/重森三玲」を購入。
●浅草「生活雑貨 東京蛍堂」このお店に古本は売っていない。しかし街探索の末に見つけ、古本に近い匂いを発しているので紹介させて頂きます。『伝法院通り』をそのまま西に進むと、ビルとビルの隙間に『生活雑貨』『モボモガ御用達』と書かれた看板。その隙間を覗き込むと、地面に置かれたぼんぼり風ライトが照らし出すその奥に、何やらお店の入口らしきものの姿。そこには店名の入った、月のようなまん丸の玄関灯が輝いている。古い三階建ての中に踏み込むと、何かのお店を改造したような不思議な造り。雰囲気はそのままで、洋服・アクセサリー・雑貨・写真館のソファー…とにかく古くいい雰囲気を発している者が集められ、あまり高くない値段で売られている。文藝春秋のライターや東郷青児の置時計は見物である!これ欲しいな、などと思いつつお店を出ようとすると、「地下はご覧になりましたか?」と若い和服イケメン店主の声。地下っ!?と色めきたち、いそいそと右奥へ進む。そこは狭いながらも吹き抜け的な場所。地下に続くハシゴと、中二階へ続く階段が激しいトキメキをもたらす!地下に下りると、何とそこには本棚の姿が!お店にマッチした昭和初期関連の本多し!『やった!ツアーが出来る!』と喜んだ瞬間、棚に貼られた『本は非売品です』が目に入る…あぁぬか喜び。とにかくお店が格好良く素敵です。何でも飲食店の宿舎兼貯蔵庫だったのを改造して使っているそうです。浅草にお越しの際は、ぜひ中に入り込み昭和初期にタイムスリップを!「学習院の陶器湯呑」を購入。
●阿佐ヶ谷「ピーコック前の古本台」阿佐ヶ谷駅の南にのびる『パール商店街』を南から遡っていると、スーパー「ピーコック」の前に古本屋の平台!実はこのお店、以前も同じ場所で見たことがあるのだ。店名などは一切なく、何故スーパーの前で古本を売っているのかも不明。しかも品揃えは何だかとても良い!そう広くない“L”字型の台に、古い教科書・児童書・絵葉書・絵本・美術・文学・エッセイなどが並び、新古書店的な本はゼロの本格派!ますますナゾは深まるばかり。その中に欲しかった写真集を発見。しかも相場より安いぞ!これは買うしかない。台の向こうに座る、ニットキャップを被った大柄なお兄さんに本を差し出す。そして「このお店、以前もここに出てましたよね?」と聞くと「あ、大体三ヶ月に一回ぐらいでやってます」「これはどこのお店がやってるんですか?」「あ、神保町の方から来ました」…『消防署の方から来ました』って言う消火器販売のような答え。本を見て「あ、これお買い得ですよね〜」の言葉に会話が流される。結局詳しいことは判らず終い…三ヶ月後にまた尋ねてみるか。新潮社フォトミュゼ「ジャパン/倉田精二」を購入。
最後は無事に『古本』で終わらせることが出来た。しかし新たなナゾが浮かび上がった阿佐ヶ谷であった。アーケードを抜けると、雨がポツリポツリ…。


このなんともいえないテーブルクロス?は同じものだと思いますし、店番のお兄さんも同じ人だと思います。品揃えは文庫・新書などは一切なく、少ないながらもいい物が混じっているように思いました。代々木上原駅では31日(土)までの出店だそうです。
今思えば「これはどこのお店がやってるんですか?」と聞けばよかったんですが、そこまで気が回りませんでした。そのかわりに書籍購入後に領収書をもらったところ、住所は神保町ではなく川崎市でした。店の名前も聞いたことがないもので、先ほどネットで検索してみましたが、ほとんどヒットしませんでした。
店もサイトも持たずにこういう外売り?だけのお店なんでしょうか。ますます謎です。「本棚探偵の冒険/喜国雅彦」「初期少年まんが選集/藤子不二雄A」を購入。