●吉祥寺「さかえ書房」駅北口のロータリー左端から北にのびる巨大アーケード『吉祥寺サンロード商店街』の中央にある。…が、しかし!お店の前面にはすでにネットが掛かり、内装の工事が始まってしまっている!…間に合わなかったぁー…遅刻だ…アウトだった…。まさか伊勢丹吉祥寺店より早く閉店してしまうとは。ネットの向こうには、本棚がすでに取り払われた、寂しい店内が見えていた。唯一ここが古本屋さんだったと認識出来るのは、もはや遥か頭上の二階部分にある、アーケード共通の店名看板のみ。そこには『古書買入 さかえ書房』の文字。道行く人は店舗に一瞥も与えず通り過ぎて行く。あのガラスウィンドウのあるお店で、私が最後に買ったのは、向井透史氏の「早稲田古本屋街」。その時の、金子光晴の書画が印刷された包装紙は、今でもしっかり手元に残してある。そこには「書は以って心の糧とすべし」…。店前からさらに北へ進み、横断歩道を渡った所にある、商店街の巨大案内地図を眺めてみる。すでにお店の名前は消され、お店の場所は真っ白になっていた。長い間お疲れさまでした。
●吉祥寺「外口書店」悔やんでも悔やみきれないので、すぐ近くにあるお店へ向かう。北口ロータリーから『サンロード』に入り、50mほど北に向かうとそのお店はある。「さかえ書房」とかなり近いので、それほど古本屋さんを意識していなかった昔は、どちらがどちらのお店なのか、この通りにあるのは一店なのか二店なのかが、こんがらがっていた覚えがある。大理石調パネルの外壁、軒に楷書体の看板文字。出入口に扉は無く、店頭にはイベントのポスターが三方に貼られた木製ワゴンが置かれている。中には200均の文庫・単行本・新書。左右出入口の左から店内へ。左右両壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、店奥に帳場のシンプルスタンダードな構成。帳場にはパワフルな雰囲気を醸し出す白髪のオヤジさんがひとり。キレイで明るい店内には、通りからお客さんも多く流れ込む。左壁棚は大量の経済・経営・仕事本から始まり、全集・国際社会・科学・宗教・辞書・語学・歴史・風俗・建築・芸術と続く。向かいには、新書・ハーレクイン・ノベルス・岩波やちくまなどの教養系文庫・時代劇文庫、下には雑誌類が平積みされている。店主が両肘を突き、組んだ手の上にアゴを乗せている帳場の下には、左に東洋文庫・右にアジア関連の本棚。右側通路奥の帳場横には、300均のノベルス・文学本の本棚が横向きに置かれている。後ろの壁には写真集や大判本、右壁棚に文学評論・探偵小説・日本文学・思想・文化・海外文学・最近刊日本文学・ノンフィクション・サブカル・趣味・実用と、入口に向かって並んでいる。向かいは海外文学文庫・官能文庫・日本文学文庫・ホラー文庫・女流作家文庫と収まり、下には箱に詰められた海外文学文庫と雑学文庫。古い本はあまり無いが、しっかり街の古本屋さんとして機能しているお店である。ビジネス関連の充実が特徴的で、値段は普通〜ちょい高。本を買うと、江戸名所図絵「井頭池 弁財天社」「小金井橋春景」が印刷された書皮を掛けてもらえます。粋!文春文庫「マルサン-ブルマァクの仕事/くらじたかし」を購入。
『いつまでも あると思うな 古本屋』…時計はジワジワと進んでいる。新しく生まれるお店もあれば、当然消えて行くお店もある…大きな流れから見れば、所詮は瞬きの瞬間に等しい出来事。それでもツアーを続けて行こう!例えそれが足跡しか見つからないとしても。時代の瞬間しか切り取れないとしても。そしてなるべく遅刻しないためにも!まだまだ行くべきお店は、この日本に散らばっているのである。


なんと!さかえ書房が...このところ、長らく行っていなかったのですが大変残念。外の台の上に山積みになった中から、掘り出し文庫本を引っ張り出す技術をようやく身に着けたと思っていたところなのですが...
吉祥寺の大切な立ち寄り先が減ってしまいました。無念。