2010年05月30日

5/30福島・郡山は音楽都市三店!

大宮から東北新幹線に乗り込み北へ。進むほどに、曇り空を切り裂くように晴れ間が現れてくる。目指す郡山は仕事で何度も訪れているのだが、忙しくて古本屋に足を運ぶことが叶わなかった苦渋の土地なのだ。なので自主ツアーを敢行する運びとなりました。それにしても新幹線は速い…。


tokumotodo.jpg●郡山「徳本堂」
まずは西口巨大ロータリーから『フロンティア通り』を南に向かうと、「古書てんとうふ駅前店」…シャッターが閉まっておりどうも営業していない感じ。残念に思いながら駅前に戻り、ロータリーから西にのびる巨大商店街の『駅前大通り』を進む。ここには、ピアノ型ベンチやリコーダー吹き口の椅子(変)など、音楽をモチーフにした公共物が並んでいる。何でも郡山は『音楽都市宣言』なるものをしているらしい…。そのまま西へテクテク歩き続けると、交差点の近くに「古書ふみくら」…むぁっ!閉まってる。何だか嫌なパターンだなぁ、とすぐの交差点を南に曲がり、『昭和通り(国道4号)』をちょろっと進む。するとすぐの左手雑居ビル二階に、ターゲットであるお店を発見。『しかしやっているのだろうか…』疑心暗鬼になりながらもビルの下に駆け寄ると、窓ガラスと看板に『ギター/CD/本』の文字…これはおかしなことになってるぞ!と右側二階への階段へ。『本ギター』と書かれた入口を潜り階段を上がると、『ピンポ〜ンピンポ〜ン』と赤外線センサーでチャイムが鳴り響く。二階の踊り場に立ったところで、左の開け放し扉の店内に、横分け・グレージャケット・色違いスラックスの共産圏スタイル店主が現れ「いらっしゃい」と声を掛ける。こちらも一礼して、ドア脇の100円棚を眺める。すると突然店内から音楽が流れ始める。聞いたことのない80年代的女性ボーカル…店番の始まりである。店内は右半分に壁棚と背中合わせの棚が二本あり、こちらはもちろん古本屋なのだが、左奥の窓際通路には多数の新品&中古ギターが、スタンドに立てられズラッと並んでいる。完全なるギター屋さんである。もはや合っているのか間違っているのか、私には判断不能!右壁から奥壁に向かって、日本文学文庫(上段にちょっと古い100均文庫)・雑学文庫・海外文学文庫・ノベルス・新書・バンドスコア・女流作家単行本と並ぶ。入口左横にはジュブナイル&ティーンズ文庫棚。右側の背中合わせの棚には、エッセイ・日本文学・社会・実用・福島関連・辞書・全集が収まり、左側はコミック・音楽CD・ゲームソフト(SFCやセガサターンあり)となっている。何とも形容しがたい不思議なお店である。古本屋は街のお店的で、それほどこだわりは感じられないが、かと言って放置されているわけでもなく、手入れはしっかりとされている。値段は安め。入口側左奥の帳場で、改めて見ると平田満似の店主に本を手渡しながら「一緒にギターを売ってるなんて面白いですね」と聞いてみた。するとプチッとBGMをオフにして「四年ぐらい前からギターを置き始めてね。そしたらこんな風になっちゃった」「あ、元々は古本屋さんなんですね」「そう。元は古本とゲームを売ってたんだけどね。今は三階でスタジオもやってるんだよ」。音楽都市の面目躍如な古本屋さんであった。小学館「伊能忠敬測量隊/渡辺一郎」を購入。


tentoufu_ikenoue.jpg●郡山「古書 てんとうふ 池ノ台本店」
『昭和通り』をさらに南へ。人影の少ない大通りをしばらく進み、『文化通り』にぶつかったらそこを西へ。市民文化センター越えると坂道が始まり、右手の坂上には庭園風だが、子供が多く遊びまわる『麓山公園』。その向かいに手強そうなお店がそびえていた。レンガ造りのビルである。二階もお店のようである。その二階の窓にはズラリと並ぶ、こけしの後姿…。入口階段に巧みに飛び出した100均棚を眺めてから、大きく開いた敵の顎に飛び込んで行く!おぉ、やはり複雑な広い店内…半ば絶望しながら、ジャンルの取りこぼしを少なくしようと神経を集中する。入口正面に弧を描く帳場があり、左には二階への階段。帳場周りは棚で固められている。フロアは右側奥に向かって続いており、窓際・壁際は共に棚、手前に縦に背中合わせの棚が一本と“L”字に組まれた棚。奥には横向きに背中合わせの棚が三本続き、棚脇にも小さな棚が設置されている。店内には丸眼鏡の壮年店主と若者店員がひとり。二人ともとても忙しく働いている。帳場周りには、書・骨董・美術関連が集まり、これは左奥壁棚の美術図録&作品集まで連続して行く。窓際には陶器や古道具と共に趣味の本。フロア手前棚左側には、児童文学・絵本・新書・海外探偵文学・海外文学文庫・辞書。雑学&教養文庫が並び。右のL字棚には岩波文庫・日本純文学文庫・講談社学術&文芸文庫・ちくま文庫、裏側に戦争・占いなど。右の壁際は、社会・歴史・古代史・宗教・思想・哲学と続く。奥の横向き棚一本目は、日本文学文庫・写真・武術・音楽。二本目はアイドル系写真集・古雑誌・スポーツ・茶・料理・古典文学。三本目は海外文学・探偵&伝奇&幻想小説・詩集・文学評論となっている。奥の壁棚には圧巻のセレクト日本文学がズラリ。先に帳場で精算を済ませながら「二階も見せてもらっていいですか?」と聞くと「どうぞどうぞ、ぜひご覧になって下さい」とにこやかに返答。お言葉に甘えて、音楽CDと階段に詰まれた全集を眺めて二階へ。壁には様々な古地図たち。そして上がるとそこはすでに通路と化している。民俗学・山岳・地学・地理・農業。通路の左奥は、福島・郡山・東北関連の資料がギッシリ。明るい窓際に近寄ると、こちらは戦争関連や和本がドッサリひしめいていた。う〜む、いいお店である。美術と日本文学の充実が目立ち、蔵書量も古い本も多い。ジャンル分けはここに明記したものより、実際はもっと細やかである。値段は文庫は定価の半額、他の本もお手頃な値付けとなっている。それにしてもお店の二人は、果てしなく忙しそうだ。私は『あ〜たくさん棚見たぞ!』と満腹状態で、顎から外へと逃れ出る…。現代企画室「随筆 志賀先生の台所/福田蘭堂」宝文館「現代児童文学辞典/川端康成・小川未明編」を購入。


tentoufu_anex.jpg●郡山「古書 てんとうふ アネックス」
そしてお店を出ると、何と坂をちょっとだけ上がった隣の建物一階にも古本屋さんが!しかも看板には「てんとうふ」の名前…これは一体?『アネックス』はどうやらこの建物の名前で、隣には『サロン・ド・恵子』と言う美容室。店頭には四つの100均箱、窓ガラスには『小説・文庫・ハーレクイン・映画・絶版漫画・同人誌・オカルト…』などと硬い筆跡で書かれた貼紙…本店と取扱品目が違うってことか?薄暗い店内に入ると先客が通路でうごめいている。右側に帳場があり、フロア手前はほとんどがハーレクイン・絶版漫画・コミックによって埋められている。左奥に進むと、壁棚に日本文学が新しめを中心に並んでいる。奥には戦争や文学評論。奥の横向き背中合わせの棚には、映画・動植物・自然・児童文学・日本文学文庫・海外文学文庫・時代劇文庫が収まっている。奥壁には歴史・オカルト・宗教・民俗学・美術・郡山関連・ハヤカワポケミスなどなど。やはり本店とは異なる棚造りで、ちょっとリサイクル古書店的である。しかし新しい本だけではなく、時折古い本も出現している。…駅前店があの状態で、本店横にこのお店…?精算ついでに、帳場に立つ仙台四郎のような福々しい男性店員に、駅前店について聞いてみた。すると「ああ〜駅前店はですね、あの場所を閉めてですね、こっちに移って来たのがこのお店なんですよ」とのこと。なるほど、色々あるのですな。しかし!このお店はもうあなたがいる限り大丈夫でしょう!二店で郡山の知を、これからもよろしくお願いします!新潮文庫「神楽坂ホン書き旅館/黒川鍾信」を購入。

滞在時間・二時間半で東京へとんぼ返り。福島には、福島・会津若松・いわきなどなど行くべき都市がまだまだたくさん続く。が、がんばって一都市ずつ訪れて行こう。それにしても私の行動は燃費が悪い。遠い所に来たからには、一日に何軒も回ってバンバンレポートしたいものだが、ブログの性質上中々そのように効率を上げられないのが現状…。ふぅ、焦らずジワジワ進みます。
posted by tokusan at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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