2010年10月16日

10/16岐阜・岐阜 岐阜古書センター


gifu_kosho_center.jpg名古屋駅ホームで“きしめん”を立ち喰いし、四両編成の東海道本線に乗り換えて北へ。燃え上がる旅心と、未知の古本屋さんへの憧憬が融合し、もはや私は狂気の古本屋探訪マシーンと化しているのだ。潜水時間が段々と長くなるように、ジワリジワリと遠くへ足を延ばしてみる…引き換えは現地滞在時間。と言うことで、本日も非常に効率の悪い、遠征“一店突破”と心に決めている。電車は平面な住宅街と水田を直線に貫き続け、さらに木曽川を渡り、二十六分で駅に到着。岐阜には一度来たことがあるが、その時は仕事のみの滞在であった。改札を出て南側の『加納口』から表へ(ちなみに『中央北口』から出ると、金ピカの魔王・信長公像が出迎えてくれるぞ!)。目の前には光溢れる、キレイに整備された地方都市のロータリー。早速高架沿いに東へと向かう。『加納清水町5交差点』を直進し、名鉄の線路下を潜り、さらに東へ。『加納北広江町交差点』で南に入ると、途端に懐かしく古い街並みが展開。『御鮨街道』と言う名の通りをフラフラ進んで行くと、道幅が突然狭くなる。先ほど潜ったばかりの名鉄を今度は踏切で横切り、駅前から流れて来た清水川を渡ると、右手の遥か向こうに『古本買入』の大きな文字。あれか!あれが遥々目指して来たお店なのか!と、トトトと駆け寄る。こっちは裏側なのか?それにしても“センター”の名に相応しい、何やらおかしな建物…二階建てなのだが、上からちょこっと覗く風格ある瓦屋根から想像するに、古い建物をそのままアルミ板の外壁で、すっぽりと覆っているようだ。側面には『古本買取』の大きな看板と、窓に映る棚と本の影。建物の角はナナメに面取りされており、大通り側にサッシの出入口がある。何だか町の集会所のような店内に入ると、薄暗く色んなモノが淀んでいる雰囲気…これはいい、いいぞ!左横には乱雑な帳場があり、生命力をすべて押し隠したような静かな丸いオバチャンが、ユラリと一瞬こちらに視線を流す。ギシギシと悲鳴を上げる木の床の上には、背中合わせの棚二本とラック棚が一本置かれ、壁際窓際は造り付けの本棚やスチール棚で覆われている。そして何より目を瞠るのは、北面上部が吹き抜けになっており、その二階壁面に通路と壁棚が設置されているのだ!よし、後で必ず行こう!右端通路から続く、急勾配の階段を上がって!入口右横は、一本500円ビデオ棚や、絶版漫画箱(石森章太郎多し)からスタートし、壁棚に三冊200円の文庫・ノベルス・新書が続く。向かいも海外文学文庫を中心に、三冊200円文庫。第二通路右側に、三冊200円ソフトカバー単行本と三冊200円文学単行本&エッセイ&ノンフィクション…どうやらここは、よっぽどな本で無い限り『三冊200円』で括られているようだ(尚、組み合わせは自由である)。向かいはコミックがズラリ。奥壁に文学研究雑誌・教育・実用・全集類・児童文学・絵本が並ぶ。第三通路はコミックと雑誌で埋まり、足元にはプロレスムック箱などもあり。左端通路は、壁棚に全集類とコミック揃い、右に300円以上単行本・美術系ムック・アニメムックが収まる。帳場の左横には、300円以上のミステリ・歴史小説・復刻本・岐阜関連本が集まっている。さあ、いよいよ右端通路から奥の急階段を上がり、上階のバルコニー的通路へ!太い木の手摺りを頼りにギシミシ上がると、そこは面取りされた角部分で、表からは覆われて見えないが、窓がしっかりと残っていたりする。近付いた天井や壁の、白い美しい漆喰はホコリと煤に汚れているが、東京駅のドーム内部を下から見上げたような感動を私に与えてくれる。手摺りに手を掛け下を覗き込むと、乱雑に本が詰め込まれた、見苦しくも格好良いお店の俯瞰図。背後の棚を見ると、ここは古めかしく茶色い本が中心で、日本文学・随筆・翻訳推理小説全集・学術・全集・実用・科学などが収まっている。バルコニー通路は狭くなっているので、棚に正対し上部を見上げると、多少仰け反る感じになるので、転落の恐怖が一瞬心を掠めたりする…。本はホコリっぽく、全体的に雑本的である。床にも本が積み上げられているので、掘り出す心をボウッと燃焼させれば、自分にとって価値ある本を必ず見つけ出せるはずである。値段は安いです!どうにか三冊掘り出して、オバチャンの生気の無い精算を済ませて外へ。大通りから一本奥の道に建つ、もはや廃墟の『旧加納町役場(武田五一設計!)』にハラハラと落涙しながら、早くも岐阜に別れを告げる。あぁ、もっとゆっくりしてみたいものだ…この調子だと、いずれ泊りがけのツアーを敢行することになりそうだ。おぉ岐阜よ!次回は北口側を巡りに来たいです!集英社文庫「傷痕の街/生島治郎」新潮社「昭和東京私史/安田武」岩波新書「洞穴学ことはじめ/吉井良三」を購入。
posted by tokusan at 18:33| Comment(6) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見させていただいております。遠路の旅、ご苦労様でした。ところで、私は今日、神保町を徘徊していたのですが、古書センターの近所に新しいお店が出来てました。是非とも侵入していただきたいと思い、勝手ながらコメントを差し上げた次第で御座います。
Posted by ムッシュニヒル at 2010年10月16日 18:52
コメントありがとうございます。神保町に新しいお店が!?いつの間に!いったいどんなお店なのでしょうか…折を見て探索&ツアーしに行きます。情報提供に感謝です!
Posted by tokusan at 2010年10月17日 18:16
岐阜は古本屋の不毛地帯です。岐阜市内に限っても某チェーン店ですら何軒か閉店に追い込まれたくらいで、1995年頃と比べると半分以下に減りました。駅から遠くとても歩けない店が多かったことも一因でしょうか。「我楽多書房」「岡本書店」は岐阜駅から1キロ弱、なんとか歩けます。行ってみてください。神保町のあの店と同名の「書泉」は横浜・新杉田の「神保書店」に負けず劣らずの「どうやって生活してるんやろ」という状態の店です。廃止になった名鉄忠節駅近くでバスしか足はありませんが、お化け屋敷と思って覗いてみるのもいいかもしれません。
Posted by 下新庄3丁目 at 2011年08月09日 23:05
下新庄3丁目様。岐阜はあまり踏み込めていないので、県内の事情はまったく不明…でも駅近くのお店は健在なんですね。「書泉」!激しく食指が動きまくりです!そして岐阜にも新しい動きがあるようです。「徒然舎」が新たにオープンし、名古屋から「御器所書店」も移転済み。こちらもぜひとも行ってみたいお店なのであります!
Posted by tokusan at 2011年08月10日 18:50
ここも閉店のようです。去年の夏に一度行った際、店内が工事中だったので、改装するのかなと思っていましたが、先日行ってみたらそろばん塾が入っていたので、閉店と判断しました。まだ、「なごや古本屋案内」に載ってから一年も経っていないのでは…。
Posted by W.O.K. at 2015年01月24日 01:28
W.O.K.様。閉店情報ありがとうございます。うぅ、建物的にも内部バルコニー的にも楽しいお店だったのに…。もう一度あの場所から、店内を見下ろしてみたかったです。
Posted by 古ツア at 2015年01月24日 18:39
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック