駅南口のロータリーから脱出し、東寄りにある市内電車の停留所『富山駅前』から、古い路面電車に飛び乗って大学前方面へ。路面電車、いやチンチン電車は、もう乗るだけでニコニコ出来る幸せな乗り物である。三駅目の『丸の内』で下車すると、そこは『城址公園』の真ん前。南に接する『国道41号』を渡って東に向かい、二本目の小道を南に進むと『市民プラザ』の裏手に出る。建物に沿うように南に歩き、突き当りを東に向かうと、視線の先『城址大通り』の向こうには、看板文字が派手な『総曲輪通り商店街』が見えている。そして大通りの手前、市民プラザ裏手に目指すお店を発見!小さな古い三階建てビルの一階が店舗となっている。路上には青い立看板、前面はガラスとサッシで構成され、上部には店名(こちらは「今井書店」と書かれている)、窓は一面『本買受』の貼紙で覆われている…どう見ても不動産屋の店構えである。サッシを開けて店内へ…ほぉう、芳しき古本の香りが充満している。コンクリ床の店舗は奥行きがあり、両壁には合計二十本以上のスチール棚がベタリ。フロア真ん中には片側八本ずつの背中合わせスチール棚がズズイッと二本。その先には木箱の重なりがあり、最奥に倉庫的棚も交えた広い帳場が見えている。そこには横向きに石原慎太郎風店主が座り、壁のテレビでサッカー・プレミアリーグを観戦中。出入口の左右では、ビジュアル本&ムック・雑本棚、和本の置かれたラックがまず目に入る。右壁には、世界文化・思想・哲学・社会・中国・演劇などが、多様にカオスにひたすら並んで行く。奥の方はビジュアル本・大判本・図録・作品集が収まっている。向かいは新書から始まり、雑学文庫・教養系文庫(ジャンル分けあり)・岩波文庫・海外文学文庫と並ぶ。奥に進むほど絶版率が高くなり、大いに見応えあり。そして棚脇の木箱には、さらに絶版文庫が続いた後に、唐突に出現した感のある貸本漫画群が収まっている。貸本漫画はこの裏側と、左側の棚脇にも置かれている。立ったりしゃがんだりして、上へ下へと忙しなく視線を動かしながら真ん中通路へ。右側にはハーレクイン・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫、そして奥に探偵小説文庫・日本純文学文庫・日本近代文学文庫がズラリ。ここも絶版が目白押しなので、目が皿になること請け合いである。向かいは、古典文学・日本語・俳諧・文学評論&評伝・日本文学・宮澤賢治関連・源氏鶏太・八切止夫・戦前文学本が収まる。左端通路は、壁際に富山関連本(自然・文化・文学・民俗学・歴史)・美術・骨董・民芸・日本刀・民俗学・風俗・江戸・米騒動・薬売り、そして後は箱入り資料本が並んで行く。通路棚は、考古学・古代史・歴史・宗教・禅・北陸資料本。単行本は硬めな並びだが、日本文学評論と富山関連本が突出。そして絶版文庫と貸本漫画が驚きを与えてくれる。しかし、値段は高めのスキ無しなのであった…。相変わらずサッカー中継に夢中の店主に声を掛け、素早く精算。無事に富山での輝かしい第一歩を、美しく刻むことが出来ました!教養文庫「茶室と庭/重森三玲」を購入。しかしその後が大変であった。第一歩に続いて第二歩も、と市内電車『上本町』横のお店を目指すが跡形も無し。空には突然厚い雲が垂れ込め、冷たい風が吹き始める。続いて富山駅まで戻り、北口から『富山ライトレール』に乗り込み、路面電車とはちょっと違う、低い視点と快適な乗り心地で、富山港近くの「伊波世書店」を目指す。突然の雷雨にめげずにお店にたどり着くも、銀のシートで目隠しされた扉はピッタリと閉ざされていた…。そして富山滞在タイムリミットが近付いて来る。しょぼくれて駅まで戻り、はくたか19号に乗車。…これなら八時には東京に着くな…と思っていると、強風のため糸魚川にて運転見合わせ…あぁ、私は東京に何時に戻れるのだろうか…。


市内電車「上本町」横の古書店は4〜5年くらい前に閉店されまして、あっという間に建物も取り壊されました。
一度しか行けなかったので詳しいことはわかりませんが、小柄なおばあちゃんが一人で切り盛りしておられるご様子でした。
同じく市内電車「西町」で下車し、総曲輪通りから少し脇に入ったところに新しく古本屋ができました。
また富山へお越しの際には、こちらへもどうぞ。
今日、久しぶりに今井古書堂に訪ねてみたら店名が変わっていました。どうやら一昨年2014年9月、Bookendに店舗が引き継がれ、二号店になったようです。
今井古書堂自体は堀端町に居を移し、インターネットでのみ古書販売を続けてます。