
去年の年末以来の、真っ平で頭上の雲が雄大過ぎる街・栃木へ。北口に出て市松模様のロータリーを進み、まずは山本有三碑に挨拶。そのロータリーからナナメに飛び出し、北へ真っ直ぐ延びて行く『蔵の街大通り』を強い風に吹かれ進む。すぐの『河合町交差点』を越えると、左手に巨大な看板を低い位置に掲げた、古い木造商店が出現。ここは老舗のハンコ屋らしいのだが、嬉しいことに最近古本の販売も始めたのである!ハンコ屋+古本屋…むぅ、渋過ぎる。そして店名と共に、外観が本当に素敵だ。軒には二階を覆うほどの巨大ブリキ看板、その下に電光掲示板と店名看板、店頭には『古本屋も始めました!』と書かれた立看板が置かれている。サッシを開けて中に入ると、入口付近は確かにハンコ屋さん、そして左側にこげ茶の本棚で造られた古本屋通路。内部は外観と違い現代的である。入口前方には応接セットがあり、歴史人物談義に花を咲かせまくっている二人の壮年男女の姿…。入口左横に帳場があり、三谷幸喜的店主がサッと立ち上がり、私を見てしばし逡巡…「あ、古本ですか?」「ハイ、そうです」「あっ、どうぞどうぞ」と恐縮している。そうか、ハンコを作りに来た可能性もあるわけか。左壁にはズラッと本棚が並び、右にはフロアを分ける様に背中合わせの棚が一本置かれ、通路奥の右壁棚へ続く。ちなみに通路は奥で行き止まりとなっている。フロア棚はその両脇をハンコケースに挟まれつつ、右に戦争・日本史・中国・韓国・韓流本を収め、左の通路側に児童文学・コミック・歴史系新書、そして日本・韓国・中国・アジア・チベット・アラブ・ロシア・南米・ヨーロッパなど世界各地の文明・文化・歴史・探検本が並んで行く。通路奥の右側には、栃木関連少々・歴史ムック・大判本。その下の床には、何故か拡大コピーされた新聞記事が大量に置かれている。左壁には、ビジネス・資格・コンピュータ・紀行・キリスト教・仏教・自己啓発・心理・文庫少々・日本文学・エッセイ・スポーツ(上村愛子プッシュ中)・推理小説・森村誠一・松本清張などなど。新しい本が中心で、古くても70年代。ジャンルが何だかバラバラではあるが、歴史・世界・キリスト教が突出している。私は世界各国の棚が面白かった。値段は普通。本を手に帳場へ向かうと、店主がサッと立ち上がり「よろしいんですか?」と本を受け取る。そして値段を告げながらさらに「よろしいんですか?」と念押し&恐縮。非常に初々しい接待の、三谷的店主さんなのである。栃木駅前で新しく灯した古本の火を、これからもよろしくお願いします!リブロポート「地球を測った男たち/フロランス・トリストラム」を購入。
posted by tokusan at 18:31|
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関東
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長谷川枕山堂です。
全国古本屋めぐりでお忙しい所、自分のブログにコメントいただきありがとうございます。
こちらこそ、ブログで紹介していただき感謝です。
自分も、予想外の波紋をネタにして、ブログを書いていますので、あまり、お気になさらないでください。
それにしても、鋭い古本屋レポート力、店内を数十分で、記憶してしまう頭脳に家族全員、感激いたしました。
どんな仕事をされているのか、気になる所ですが、いろんな事情があると思いますので、再来店の際にでもこっそり教えていただければと思います。
では、今後とも、長谷川枕山堂と栃木の古本屋達をよろしくお願いします!