鶴舞で地下鉄鶴舞線に乗り換え、三駅先へ。『名古屋古本屋ロード』(2008/06/14参照)も改めて歩いてみたいが、今日はその時間は残念ながらナシ。およそ十分弱で着いた、陰鬱な70年代的駅構内から『2番出口』で地上へ。明るく白く空が広い街路には、すぐ横に子供たちが全力で遊んでいる『川名公園』があり、目の前には南北に延びる『川原通』。まずはそこを北へ歩いて行く。街中なのだが、右手には広大な空地や造成中の公園が続き、遠くまで見通せるのがとにかく気持ち良い。やがてナナメの『安田通』とぶつかる『川原通7交差点』。そこから一旦東南に下り、すぐ次の信号で北東へ延びて行く道に入ると、少し間延びした商店街的風景。200mほど前進すると、右手に七店が連なる住宅兼店舗長屋が姿を見せる。その左から二番目の二階上部には、色褪せた『古本』の看板が!さらに近寄ると、まず目に入って来るのは、黄色と黒と赤文字のドギツイ日除け看板。こってり系ラーメン屋に見えなくもないが、日除けの下には間違いなく店頭棚が存在している。入口を中心に左右に“コ”の字型に棚が組まれ、ビニールに包まれた50円均一文庫の姿!右に海外ミステリ・海外文学・日本文学一部・岩波文庫、左に日本文学がズラッと並んでいる。棚にはブランクがあり、文庫も日に焼けてザラつき気味だが、中々惹き付けられるラインナップなので、お店の中が早くも気になりながらも、一冊一冊しっかり確認する動きになってしまう。スピードを奪われながらもどうにか見終わり、コミック文庫と日本文学文庫の間を通って店内へ。うむむむ…薄暗く文庫本ばかりが挑み掛かって来る不敵な光景…これはいいな…。入ってすぐ右側に、本棚に囲まれた帳場があり、二人の男性が原発についてクールに議論中。壁際はすべて天井までの本棚、真ん中には長めと短めの背中合わせの棚が一本ずつあり、長めの棚の入口側には横に張り出した本棚がある。帳場下にもしっかりと本棚。そして店奥には、本棚に囲まれた小部屋も確認出来る。まずは帳場下の古い海外文学文庫に心奪われながら、続いてフロア棚の左棚手前&張り出し棚に吸引される。そこは絶版プレミア文庫中心の棚造りとなっており、戦争・探偵・海外SF&ミステリ・幻想・落語・サンリオ文庫・教養文庫・旺文社文庫・創元SF文庫が並び、私の心はすでにこのお店を良いお店だと認定してしまう!早速文庫を三冊ほど掴んでしまい、左端通路へ移動。入口部分はコミック文庫で占められているが、奥は190円が基本の雑学&日本文学文庫。マイナー作家まで網羅し、品切れ・絶版も多く並んでいるようだ。奥壁棚にもそれは続いており、右端に時代劇文庫が集まっている。とにかく楽しく面白く、自然と本の背をじっくり眺めて行くことになり、私はもはや独り牛歩戦術歩行…。真ん中の通路に入ると、ここは280円以上文庫のゾーンとなっており、絶版度・日本近代&純文学度・教養度・探偵度がグンとアップしていた、興奮必至の品揃え!…うあぁ、私の速度はもはやカタツムリに貶められた…。右側の短めフロア棚には、海外文学文庫がたっぷりと収まっている。帳場前から続く右壁棚は、講談社学芸文庫・ちくま学術文庫・岩波文庫・新書・ブルーバックスが並んでいる。興奮と疲労を抱えながら、ようやく奥の小部屋に突入。左側にはハヤカワ文庫・創元推理文庫を核とした海外文学190円均一文庫、右には新書(絶版あり)、そして古い岩波文庫・改造文庫・新潮文庫が、茶色く黒くうずくまっている。新書とブルーバックス以外は、とにかく文庫嵐が吹き荒れているお店である。絶版・品切れ文庫も多く、グッドな棚造りは、半ば夢の世界かと思えるほど!値段は安めで、プレミア値もかなり抑え目の良いお店なのです!ふう〜ぅ、静かなる興奮を湧き上がらせながら、一時間以上お店に滞在してしまった。五冊の文庫を手に帳場に向かおうとすると、息を切らせてたくさんの買物袋を手にしたアジア人が飛び込んで来た。そして帳場の、まがい物フライトジャケットを着たオヤジさんに向かって「バクマンはありますかぁ?マンガのマンガです」と質問。「バクマン?…う〜ん、バク…マン…。そこに漫画は並んでるから、あるんならそこだよ」とアドバイス…「BAKUMAN」はまだ文庫サイズでは出てないと思います!旺文社文庫「落穂拾い・雪の宿/小山清」中公文庫「大阪自叙伝/藤沢恒夫」創元推理文庫「陸橋殺人事件/ロナルド・A・ノックス」文春文庫「年の残り/丸谷才一」(野呂邦暢解説!)ハヤカワミステリ文庫「時の娘/ジョセフィン・テイ」を購入。
「百萬文庫」で時間を大いに使ってしまい、この後の計画が大幅に狂う。もちろんその甲斐は充分にあったのだが…。と言うわけで予定を変更し、荒畑駅近くの「御器所書店」へと向かう。このお店は二年ほど前に訪れたことがあるのだが、その時は古書市のために臨時休業しており、入店叶わなかったのだ。今度こそ!の思いを胸に、お店の前にたどり着くと、何とシャッターが閉じられている。そしてそこに貼紙があり、三月いっぱいで営業を終え、岐阜県で7/16から新たに営業を再開すると書かれていた!…何てこった。こうなったら意地だ。いつの日か絶対に訪ねてみせるぞ!


きっとお気に召したと思います。
こんな古本屋さんがもっと全国に広がってほしいですね!