●須賀川「古書ふみくら」
ひとつしか無い改札を出ると、東側のロータリー。駅舎は二階への立入が禁じられているが、街は日常な感じが漂っている。『駅前通り』をテクテク南へ。緩やかな坂道を下り『須賀川橋』で釈迦堂川を渡ると上り坂…この辺りから、徐々に地震が街に残した爪痕を、目にすることになる。ひしゃげた商店・崩落した壁・傾いた給水タンク・割れたガラスウィンドウ・歪んだ路面…街自体はしっかりと形を成しているのだが、細部に残されたままの破壊の跡が、目に飛び込んでくるのだ。そして建物に貼られた『応急危険度判定結果』。緑は『調査済』でこれは大丈夫なのだが、他に黄色の『要注意』と赤の『危険』があり、こちらは建物の使用に様々な注意が必要となるようだ。しかし建物や道が傷付いていても、お店は営業を再開し、すでに復興と日常が混ざり合い始めている。人間のたくましさに心の中で拍手しつつ、改めて地震の恐ろしさを感じながら、古本屋を求めてさらに南へ。通りは途中からその名を『松明通り』と変え、いつの間にか街のメインストリート。駅から1.5キロで『国道18号線』に到着。この交差点で東を見ると。『古書買入』の看板が街路樹の向こうにチラリと見えている。おぉ〜!よくぞご無事で!と思いながら駆け寄ると…何と言うことだ…入口横に『危険』の判定結果が貼り出されている!…なになに『落下物(壁・看板に注意)』『この建築物に立ち入ることは危険です。応急処置を行った後に立ち入ること』…なるほど。まぁどうやらちゃんと営業中なので、これらはクリアしているのだろう!ガガララと重いサッシ戸を開けて店内へ。ほほぅ、とても地震があったとは思えない整然さだ。さぞかし復旧には心血を注がれたのであろう。薄暗く天井まで棚が伸び、細い通路が連続している。壁際はすべて本棚で、真ん中に背中合わせの棚が三本、奥に帳場があり、年若い古本屋さんらしくない若い女性がパソコン操作中。左端通路に入ると、壁棚に横積み福島郷土資料本がレンガのように収まっている。右は棚のほとんどが空いているが、奥に戦争関連が集められている。足元には古雑誌や小冊子の詰まった木箱が置かれている。第二通路は、左側に引き続き郷土本が収まり、奥に宮本百合子・短歌・斉藤茂吉。そして棚脇に梶山季之&オカルト棚あり…濃厚な組み合わせだ。右側には新書・ちくま文庫・中公文庫・講談社学術文庫・日本文学文庫・時代劇文庫が並ぶ。足元には大量の美術図録。第三通路は、左に辞典・焼物・海外文学・出版・図書館・読書・書店、右に詩歌句・文学評論・現代史・戦争・歴史・江戸風俗。棚脇に民俗学や岩波文庫棚あり。入口右横にはカオス気味に本が並び、文化・教育・科学・風土・文学・宗教などが掴み難い状態。右端通路は、左側に文学評論・文学復刻本・戦争・古い文学&実用&手引き類、右壁棚には全国郷土資料・中山義秀・日本文化・社会制度・古典文学となっている。各棚の下部は大判本&ビジュアル本が見え隠れしながら収まっている。帳場の左には演劇・歌舞伎・戦争文庫、右に福島関連本と「ふくしま文庫」棚。郷土資料本と戦争関連の多いお店で、古本だけでなく紙物や古道具も店内に潜んでいる。棚はカオスな感じが漂い、店舗と言うよりはちょっと倉庫的な印象を受ける。値段は普通〜高め。ここは郡山駅前にもお店があるので、近いうちにツアーしたいものである。早川書房「正午二分前/ノエル・F・ブッシュ」を購入。
●須賀川「BOOKランド」
「ふみくら」近くの『くまたぱん本舗』で、何かも知らず『くまたぱん』なる可愛い名前のお菓子を買い(後で食べたら、サクサクの餡子に砂糖をまぶした甘いお菓子。でもそれほど甘くなく美味!)、今度は駅の西側を目指す。釈迦堂川を西に渡ると、こちらの方が被害が少ない気が…気のせいだろうか…。駅からはロータリーから西に進み、『東北本線跨線橋』を渡って『須賀川駅入口交差点』を深い地下道で通過。坂道を上がって『須賀川桐蔭高校』脇を下って行く。こちらは通り沿いに大型店舗が連なる、郊外の典型的風景。坂道を下り切って交差点を越えると、左手に高い『古本』の看板が見えて来た。大きな店舗かと思って近付くと、駐車場は広いが中規模のリサイクル古書店。駐車場右側には著作権を無視しているであろう、横長な『ドラえもん』のパチモンイラストがあり、店舗は二階中央に不可解な花のイラスト、一階左側はトタンで覆われ何やら応急処置が施されている。真ん中の出入口には『余震が続いているので立読みはご遠慮下さい』のコワイ貼紙。中は薄暗く広く、女性店員が独りで切り盛りしている。棚のほとんどはコミック&ゲームだが、左端の通路二本に古本が集合している。トタン裏の窓際にはゲーム攻略本と児童文学が並び、左壁は不自然なほど古めかしい古書ゾーンからスタート。正統派な文学系や全集類・戦争・教育関連が並び、ガイド・実用・ビジュアルムック・再び古書・50円単行本・雑本・海外文学。向かいにはアダルトDVDとミステリ&エンタメ。棚脇には雑学文庫が細く収まる。隣の通路には、左に女流文学文庫(津原泰水と中島らもが混入中)・時代劇文庫・歴史&時代劇小説・日本純文学文庫・新書・ノベルス。右に日本文学文庫・ミステリ&アクション文庫・ラノベと並んで行く。本の量はそれなりに多いが、雑本的で微妙に古い棚となっている。値段は安め。ちくま文庫「浅草寿司屋ばなし/内田栄一」を購入。
無事に二店を回ったと言うよりは、無事に営業してくれていて、本当に嬉しかった!ありがとう!色んなことがあるけども、色んな形で人間の生活は続いて行く。よし『JR東日本パス』を利用して、東北の古本屋さんに次々と足跡を残して行こう!あぁ、早く六月にならないものか…。

