今回が私にとっては“JR東日本パス”第一回利用期間の、最後の東北行である。山形新幹線と、その終点・新庄駅で乗り換えた奥羽本線で、山形県を縦に切り裂くように北進して行く。進むごとに山間は深さを増し、漏斗のように細く狭くなって行く。が、やがて秋田県の南東部に突入。すると山間は再び広がり始めるのだが、山々はいつまでも消えず、沿線の人々の暮らしも途切れることなく車窓に続いて行く。東京から六時間で目的駅に到着。行動可能時間は一時間である。ひとつしか無い改札は東口に面しているが、私は西側に行かねばならぬのだ。駅では大きな東西自由通路を建設中だが、まだ通行は出来ないようなので、駅の地図で線路を横断出来る場所を探し、降り注ぐ暑い日射しの中を、まだ見ぬ古本屋さんに向かってダッシュする。駅前通りを北に向かい、200mほど先の信号で西の脇道へ入ると、行く先には『本荘街道踏切』。そこを駆け抜け、駅裏の空地と住宅が集まる地帯を抜けて『国道13号』に脱出。そこから南に向かい『三枚橋交差点』を過ぎれば、お店が左手に現れ…ああぁっ…こ、これはガッツリアダルトDVDショップ…しかも路上には『ビデオ安売王』の立看板…書店が安売王になっちゃったのか?あっ、でも軒の巨大な『DVD』の文字下に、小さく小さく店名が残っている…でも…。激しく意気消沈しながら、自動ドアの向こうの店内を、キョトキョト覗き込んでみる。ラック棚が見えているが、並んでいるのは可愛い女の子のパッケージばかり…六時間かけての結果がコレなのか…あぁ、空振りは痛過ぎるなぁ〜…空振り後に再び六時間移動するのも、切な過ぎるなぁ〜…。などと凹んでいると、自動ドアがンガァ〜ッと開いてしまった。成り行きで幽鬼のように入店してみると、そこはエントランスゾーンで、比較的ソフトなものたちが並んでいる。本格的なものたちは、暖簾の奥のアダルト迷路に多数展開しているようだ。そしてここには、二本の背中合わせの棚があるのだが、何とここに書店の残滓を確認することが出来た。とは言っても、コミック・美少女コミック・アイドル写真集・コミック文庫・タレント本などしかない。一番端に置かれた旧版「忍者武芸帳」のバラ一冊(何故か値段はプレミアの二千円!)が涙を誘う。何も買えずにお店の外へ…。嗚呼、来る時は車窓の田舎風景を眺めながら、秋田の街ではどんな古いお店が待ってくれているのだろうか?果たして開いているのだろうか?地震は大丈夫だったかなぁ?おじいさん(想像)は気難しいのだろうか?もしかしてあんな本やこんな本が……だが!すべては砂上の楼閣であった!うわわぁ〜このままではおかしくなりそうだぁ!対策を練るのも放棄し、国道を取り合えず北に歩き始めると、500mほど遠くに『本』の看板があるのを発見!ここは藁をも掴むつもりで、『助けて下さい!』と言わんばかりに駆け寄ると、「ブックオフ13号横手店」。背に腹は代えられぬ!と新潮文庫「レディ・ジョーカー 上中下/高村薫」を購入する。空振りではなく、身をボールのコースに乗り出し、無理矢理“デッドボール”を掴み取ったカタチ…とても痛く切ないツアーであった。帰りは、やけに揺れるが山中の景色が極上の北上線に乗って東へ。北上駅から東北新幹線に乗車する。もう段々、古本屋さんに行ってるんだか、列車に乗りに行ってるんだか、非常にこんがらがってきました…でも第二回利用期間も、絶対何処かへツアーしてみせるぞ!
2011年06月17日
6/17秋田・横手 横手書店
今回が私にとっては“JR東日本パス”第一回利用期間の、最後の東北行である。山形新幹線と、その終点・新庄駅で乗り換えた奥羽本線で、山形県を縦に切り裂くように北進して行く。進むごとに山間は深さを増し、漏斗のように細く狭くなって行く。が、やがて秋田県の南東部に突入。すると山間は再び広がり始めるのだが、山々はいつまでも消えず、沿線の人々の暮らしも途切れることなく車窓に続いて行く。東京から六時間で目的駅に到着。行動可能時間は一時間である。ひとつしか無い改札は東口に面しているが、私は西側に行かねばならぬのだ。駅では大きな東西自由通路を建設中だが、まだ通行は出来ないようなので、駅の地図で線路を横断出来る場所を探し、降り注ぐ暑い日射しの中を、まだ見ぬ古本屋さんに向かってダッシュする。駅前通りを北に向かい、200mほど先の信号で西の脇道へ入ると、行く先には『本荘街道踏切』。そこを駆け抜け、駅裏の空地と住宅が集まる地帯を抜けて『国道13号』に脱出。そこから南に向かい『三枚橋交差点』を過ぎれば、お店が左手に現れ…ああぁっ…こ、これはガッツリアダルトDVDショップ…しかも路上には『ビデオ安売王』の立看板…書店が安売王になっちゃったのか?あっ、でも軒の巨大な『DVD』の文字下に、小さく小さく店名が残っている…でも…。激しく意気消沈しながら、自動ドアの向こうの店内を、キョトキョト覗き込んでみる。ラック棚が見えているが、並んでいるのは可愛い女の子のパッケージばかり…六時間かけての結果がコレなのか…あぁ、空振りは痛過ぎるなぁ〜…空振り後に再び六時間移動するのも、切な過ぎるなぁ〜…。などと凹んでいると、自動ドアがンガァ〜ッと開いてしまった。成り行きで幽鬼のように入店してみると、そこはエントランスゾーンで、比較的ソフトなものたちが並んでいる。本格的なものたちは、暖簾の奥のアダルト迷路に多数展開しているようだ。そしてここには、二本の背中合わせの棚があるのだが、何とここに書店の残滓を確認することが出来た。とは言っても、コミック・美少女コミック・アイドル写真集・コミック文庫・タレント本などしかない。一番端に置かれた旧版「忍者武芸帳」のバラ一冊(何故か値段はプレミアの二千円!)が涙を誘う。何も買えずにお店の外へ…。嗚呼、来る時は車窓の田舎風景を眺めながら、秋田の街ではどんな古いお店が待ってくれているのだろうか?果たして開いているのだろうか?地震は大丈夫だったかなぁ?おじいさん(想像)は気難しいのだろうか?もしかしてあんな本やこんな本が……だが!すべては砂上の楼閣であった!うわわぁ〜このままではおかしくなりそうだぁ!対策を練るのも放棄し、国道を取り合えず北に歩き始めると、500mほど遠くに『本』の看板があるのを発見!ここは藁をも掴むつもりで、『助けて下さい!』と言わんばかりに駆け寄ると、「ブックオフ13号横手店」。背に腹は代えられぬ!と新潮文庫「レディ・ジョーカー 上中下/高村薫」を購入する。空振りではなく、身をボールのコースに乗り出し、無理矢理“デッドボール”を掴み取ったカタチ…とても痛く切ないツアーであった。帰りは、やけに揺れるが山中の景色が極上の北上線に乗って東へ。北上駅から東北新幹線に乗車する。もう段々、古本屋さんに行ってるんだか、列車に乗りに行ってるんだか、非常にこんがらがってきました…でも第二回利用期間も、絶対何処かへツアーしてみせるぞ!
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