2011年07月15日

7/15宮城・仙台近辺調査の末に幻の店一店!

ずれ込み続けるスケジュールを逆利用して、無理矢理一日の間隙を作り出し、JR東日本パスで東北へ!三連休となる週末は激しい混雑が予想されるので、とにもかくにも平日に出向きたかったのである。今回は、仙台近郊の古本屋さんに的を絞り、午前中から新幹線の人となる…。

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●北山「古書 ビブロニア書店」
仙台から仙山線に乗り換えると、新幹線の描いたカーブをそのまま引き継ぐように、この路線も街中を大きく西に曲がり込んで行く。三つ目で下車すると、傾斜地の中腹にある駅。南側へ峠を越え、仙台の街を遠望する急坂を下って、どうにかお店にたどり着く。しかし残念ながら休業中の様子。恐らく震災の影響であろう。取りあえず写真を一枚撮り、入口サッシ扉の貼紙に顔を寄せる。そこには、六月中旬営業再開の予定が延期になったこと、様々なことが重なりさらに再開が遅れる見込み、などの事が7/1の日付で書かれていた。無事の再開を願っております!要再訪!

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●名取「有隣堂」
続いて仙台駅に戻り、今度は東北本線で南へ。車窓に見えた仮設住宅群に頭を垂れ、九分ほどで目的駅に到着。あたふたと店前に到着すると、こちらもシャッターが下ろされ休業中の様子なのだが、顕著な建物へのダメージが痛々しい。シャッターには3/18に判定された『応急危険度判定結果』の、黄色い“要注意”の貼紙が貼り付けられたままなのである。お店の左側壁はブルーシートで応急処置され、右側壁には大きなひび割れ…営業は望むべくもないのか…。

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●仙台「ぼおぶら屋古書店」
さて困ったなと思い、取りあえずは仙台に戻りつつ、走ってあの何度行っても開いていないお店をチェックして、それから福島・郡山と廻ってみるか!と決意する。仙台駅西口に出たら、上り新幹線の時間との勝負!空中歩廊の左側最奥『15番階段』から、下の『愛宕上杉通』へ。そこを南にちょっと下り、次の信号を西へ入ると、先へ先へと延びる『柳通』。ひたすらそこを西に進み、『大通り』を突っ切り、さらにその先の『五橋通』とクロスする交差点を越えれば、左手に何度も煮え湯を飲まされたお店が姿を現す。もう六回は訪れているだろうか。私は開いていないことを前提に、お店の方に視線を飛ばす。ところが予想に反して、心ざわめく今まで見たことのない光景が店頭に展開していた!本が出てる!本の入った箱が並んでるぞ!信号が変わるのももどかしく、慌てふためいてお店の前に駆け寄る。開いてる!古本が売ってる!どひゃっほう!ついに「ぼおぶら屋」をツアー出来るぞっ!細く茶色いビルの一階がお店で、側壁に大きな『古書買入』のオレンジ看板、軒からはくたびれた日除けが張り出し、観音開きに開け放たれた入口扉。そこには『入らいん Herein!』とある木の札。店頭には無数のダンボール小箱が並び、壁面には木箱が積み上がっている。右側に一応店内への入口があり、中へも入れるようになっている。入口右横と左壁(だいぶ傾いてるなぁ…)、合わせて三十ほどの木箱が積み上がり、後は在庫や雑多な物の山が迫る、独居房のような極狭スペース…阿佐ヶ谷の「穂高書房」(2009/02/15参照)より狭いかも…。中の様子を伺っていると、奥目の八千草薫似老婦人が顔を出し、「いらっしゃいませ。中もどうぞ」と優しい微笑み。店頭は、文庫・文学評論&研究・探偵小説・日本文学・海外文学・晶文社本・歴史・民俗学・戦争・思想・宗教など。店内は、東北・みちのく・宮城・仙台・温泉・刀剣・こけし・玩具・民芸・演劇・建築・洋書など。硬めの良書が多く、郷土本も充実。店頭は安売りと言うわけではなく、ここもまたお店の中となっている模様。ただし店内には古い本が多い。値段は高め。店内に入った私と入れ替わりに、外に出ていたご婦人に、外に出て精算をお願いする。そして思い切って、積年の夢が叶い初めてお店に入れたことを伝えると、「まぁ〜、それは申し訳ございません」と意に反して恐縮されてしまう。「今はこんな陽気でございましょう。大体12:00〜16:00に開けてるんですけど、二日開けるともう大変で。この齢でございましょう。おまけにひとりでやってるもので中々…」とはにかみながらお話ししていただいた。とにかくついにお店に入れた嬉しさを伝え、「開けてくれてて本当にありがとうございます。これからもがんばって下さい」とお辞儀。「フフ、ありがとうございます」とあちらも深々とお辞儀。走って見に来て本当に良かった…心底そう思える瞬間であった。ありがとう仙台!ちくま文庫「美食倶楽部/谷崎潤一郎」垂水書房「潜水記/黒岩茂喜」を購入。

目標として来た二店は残念だったが、幻のお店に遂に入ることが出来て、本当に良かった仙台行。お土産はやっぱり『萩の月』を購入。あぁ、後一回はパスを使って、遠くのお店へ行ってみたい…。
posted by tokusan at 20:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ぼおぶら制覇おめでとうございます。私も昨年8月青春18切符で仙台古本屋一泊ツアーをして、偶然にもここが開いていたことはと伝えしたかと。僕が寄った時はおじさんでした。雨が降ると軒先に本が出せなくなるのでおやすみになると。昨日は全国的猛暑晴天だったので開店していたのでしょうか。東日本パスで行くか青春18で行くか思案中です。でも昨夜のような地震発生でストップするかもと思うとなかなか決断できません(仕事もあるので)。ご健筆、ご健脚のほど。
Posted by 古本虫がさまよう at 2011年07月16日 05:20
ようやく念願叶いました!過去に訪ねた時も、基本的には荒天ではなかったんですけどねぇ。しかしとにかく嬉しい出来事でした。地震は確かに発生すると、身動きとれなくなる可能性が…。しかしそこは古本好きと言うことで腹を括って、取りあえず旅に出て、出会ってしまったら対処を…楽天的過ぎる意見ですが、まぁどうにかなりますよ、きっと!
Posted by tokusan at 2011年07月17日 19:49
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