●三河田原「ゆうゆう書房 田原店」
駅員さんに切符を手渡し駅舎を出ると、遠くに蔵王山がそびえる、閑散とした田舎町。ロータリーには数台のタクシーが列を作り、まだ遠い半島の先端方面へ向かうお客を待ちわびている。そこを通り抜けて『駅前通り』を北に進むと、早速左手に見える『古本』の文字とご対面!こんな近くに!と喜びながらも、何かがっついているのを見透かされたように照れながら、お店の前へ。元は古く黒い出桁造りの建物で、軒回りは黄色い看板で覆い込まれ、それに合わせて下の瓦や前面壁も黄色に塗られている。出入口は素っ気無いサッシ扉で、ちょっと入り難くもある…しかし“難い”だけなら入れるのだっ!と扉をカラッと開き、身体を中に捻じ入れる。入口同様装飾性の無い室内で、コミックを収めたスチール棚が立ち尽くしている。入口右横にはガラスケースで造られた帳場があり、漫画家・湊谷夢吉の描く自画像的主人公に似た男性がひとり。静かな店内を、古本を求めてまずは左側に入り込む。すると入口左横棚裏に、三本の古本棚を発見。上部に小説単行本が並び、ラノベ・出版社別文庫・ノベルスがスチール棚に二重に並べられている。棚造りは一般的で、どうやら嬉しい100均のようだ。文庫は古くても80年代止まり。店内中央の棚にも、上部にノンフィクション・タレント・エッセイ、下部にゲーム攻略本を確認する。角川文庫「SP/金城一紀」を購入。
●三河田原「天満堂 田原」
駅前のお店を出て、そのまま寂しい『駅前通り』を北進すると、大型商業施設のある『田原萱町交差点』。進路を東に採ってテクテク進むと、すぐに『船倉橋西交差点』に到達。ここから再び北に向かい、柳並木の道をさらにテクテク。200mも進めば左手に広い駐車場が現れ、おぉ!奥にまたもや『古本』の文字!側壁の赤い看板に釣られるように近付いて行くと、水色の二階建て店舗の一階が古本屋さん。軒には赤・黄色・水色の看板が巡らされ、ガラス窓には営業時間や『田原の古本屋』『全巻セットたくさんあるよ』の文字が躍っている。入口横の安売り文庫揃い&100均棚を眺めてから、マンガのポスターが貼られた自動ドアから店内へ。横長で広くキレイで、リサイクル古書店な雰囲気だが…。左側のコミック揃いに囲まれた帳場には、肌着姿のおっちゃん店主がおり「いらっしゃいませ」。背後の大きな郷土資本&箱入り本棚が、微かに何かを期待させてくれる。壁際は本棚で、フロアには横向きに長く高い背中合わせの棚が二本。右奥にアダルトゾーンがあり、仕切りにもなっている背中合わせの棚が一本。手前第一通路・左壁棚・第二通路右半分・アダルト仕切り棚は、すべてコミックで埋まっている。真ん中通路左側に、時代劇文庫・夏目漱石関連文庫・出版社別文庫・ラノベ・児童書・児童文学・語学・サブカル・新書・タレント・ハーレクインが集まっている。そのさらに奥の第三通路には、歴史・戦争・実用・オカルト・日本文学・エッセイ・ミステリ&エンタメ・美術・作品集・美術図録・アニメ・写真集・ビジュアルムック・芸能雑誌など。古い本がひょこひょこ顔を出して、古本屋さん的て楽しいぞ…ぬぉぉおおお!大好きな森やすじ先生の幼稚園&保育園用の動物カット集を発見!これは、この前買った展覧会の図録より、遥かに素晴らしいぞっ!うぁ〜、ここまで来た甲斐がありまくりだっ!…値段は…100円!!!!どひゃっほうっ!もう、私の今日は終わりました!お疲れさまでした…と言うように、意外な本がちょっと並んでいたりもする。値段は安め(特に単行本)。おっちゃんに不思議なイントネーションで精算していただく。あ!帰りの車中で気付いたのだが、90円オマケされてる。おっちゃん、ありがとう!小学館「森やすじの動物カット集/森やすじ」講談社文庫「浪漫疾風録/生島治郎」辰巳出版「人喰い映画祭【満腹編】/とみさわ昭仁」中公文庫「カッパドキヤの夏/柳宗玄」を購入。
豊橋からは距離にして十五キロほどなのだが、半島と言う地理的状況が、どうして私はこの地に来てしまったのか…の思いをムクムクと湧き上がらせる。もちろん古本屋さんを目指して来たからなのは判っているのだが、今日この時に、この渥美半島にいるのが本当に不思議でしょうがない。おかげで森やすじが手に入り、万々歳なのではあるが…。楽しさや焦りや後ろめたさや好奇心や探究心や欲望や後悔の念に、背中を押されたり足を引っ張られたりしながら、まだまだツアーは続いて行く…。

