2011年10月29日

10/29神奈川・山手 一寒堂書店

ikkando_shoten_night.jpg
しかし10/29は古書まつりとトークだけでは終わらなかった…。イベントが終わり、後ろの席でボ〜ッとしていると、かたわらにひとりの女性が、サササと駆け寄って来た。そして本日配布した『植草甚一の足跡をたずねて』のチラシを出し、「私、今日ここから来ました」と本牧一丁目バス停の写真を指差す。続いて衝撃の一言が彼女の口から飛び出した!すでに閉店し、これが恐らくそのお店ではなかったのか、と掲載した商店の写真を指差し「ここ、おばあさんがやってます。夜からやってるんです!」「え?今でもやってるんですか?」「やってます。夜からやってるんです!」…ガ〜ン!おぉ、何と言うことだ。まさかあれが営業しているお店だったとは…これはそのお店の安否をこの目でしっかりと確認し、訂正しなければならない。それにしても看板も何も無く、昼間は本当に営業しているお店には見えなかった。それに夜に本牧を訪れることなど決してないので、このままだったらこのお店にたどり着くことはなかったのであろう。私がJ・J氏の足跡を追い掛けたチラシを作り、それを彼女が見たことによりもたらされた素晴らしい情報!あぁ、偶然の重なりってワンダフルだ!と思いながら「神奈川古書会館」を後にして、みなとみらい線の人となる。終点の『元町・中華街駅』で下車し、元町を抜けて大トンネルを潜って『本牧通り』をブラブラ…しかし『夜』って一体何時なんだ…?次第に辺りが薄暗くなり始めた午後五時。『本牧通り』沿いの『山手駅入口交差点』から東に100m弱ほどの店前に到着。しかしシャッターは冷たく閉ざされている…『夜』って何時なんだ…まぁしばらく辺りをうろつくとするか。タイムリミットは一応午後六時に設定しておこう、と夜の本牧を徘徊する。ことあるごとに引き返し、お店の状態を確認してみるが動きは無く、ただ暗闇が深くなるばかり…しかし五時半過ぎに見に行くと、あっ光が!シャッターが開いている!前を通り過ぎながら確認すると、元気の良いおばあさんが絶賛開店中なのである!『くるまや』の前を通り過ぎる寅さんのように、一旦通行人のフリをして通過する。しばらくして踵を返し、店前に立ち感動に打ち震える!木製柱のトタン歩道屋根の下に輝く、昭和三十年代〜四十年代を定着させた古本屋さんである!横長でガラス戸を全開にし、店頭にはアダルト雑誌ワゴンと新刊雑誌ワゴンが横向きに置かれている。コンクリ土間の店内は古い木製壁棚に囲まれ、土間には平台と棚付き平台が二台縦に置かれている。正面奥に新刊漫画雑誌とアダルト雑誌を積み上げた帳場…椎名町の「みのる書房」(2009/02/24参照)や滝野川一丁目の「龍文堂書店」(2009/07/08参照)を連想させる古さと造りである。左端通路には巨大な火鉢、右端通路には井戸端会議用か椅子が二脚置かれている。平台は左から、アダルト満載、上部に経年劣化したハーレクイン・文庫・官能文庫と平台にアダルト、上部に国内&海外ミステリ文庫と平台にアダルト&劇画の構成。壁棚は左から、実用・歴史小説・時代劇ノベルス&文庫(棚が二重で裏にはコバルト文庫・春陽文庫などもあり)・源氏鶏太・日本文学・全集類・社会・人文、角を曲がって登山&山岳・詩・川柳・美術・ノベルス(二重棚)となっている。棚下は小さな平台で、ティーンズ文庫・時代劇箱・写真集などがホコリを被っている。そして右側壁際はすべてコミックが並び、70~80年代がほとんどで少女漫画多し!な展開を見せている。…J・J氏が目的とした洋書&洋雑誌は皆無だが、新たにひとつ足跡をたどれたことに感激する。棚は時間が停まった感じでブランクもあり、ホコリを被っているものが多い。値段はちょい安。「狭くてゴメンね」と笑うおばあさんに精算をお願いしながら、何処にも無いお店の名前を訪ねてみた。「“いっかんどう”って言うの」…やはりそうでしたか!「もう看板も何も無くなっちゃたけど、七十年やってるのよ」「な、七十年!?」「ほら、字はこう書くの」と頭上から下がる白い板を裏返す。そこには「一寒堂書店 SINCE1940」と刻まれていた!このおばあさんは、恐らくJ・J氏の応対をしたことがあるのだろうなと思い、お礼を言ってお店を出る。今日、このお店に来られて、本当に良かった!みなさん、「一寒堂」は健在で、夜から営業しています!そして名も知らぬ女(ひと)よ、ありがとうございました!国書刊行会「五足の靴と熊本・天草/濱名志松編著」を購入。
※下の写真は昼間の様子。
ikkando_shoten.jpg

posted by tokusan at 22:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ようこそ夜の本牧へ。本当に行ってくれたんですね。
ありがとうございます。
Posted by 本牧1丁目 at 2011年11月03日 23:55
会場ではありがとうございました。貴重な生の情報をいただけて、本当に嬉しかったです。あの日のすべては「一寒堂書店」にたどり着くために、あったのかもしれません!
Posted by tokusan at 2011年11月05日 19:02
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック