仕事のギャラが小切手で送られて来た。こんなこともあるのかと、人生初めての出来事に面食らいながら、苦労して現金化する。むぅ…現金を手にしたら浅はかにも気が大きくなり、遠くへ行きたくなってしまった…。ふと気付くと、停電のためにダイヤが大混乱&大混雑の東海道新幹線に乗り込み、自由席で一時間半…。私はカツオのおつまみ『ツナピコ』発祥の地に到着。ここを古本屋さん目的で訪れるのは三度目なのである。一度目は定休日に来てしまい(2011/01/23参照)、二度目は午後からの臨時休業にぶち当たる(2011/08/20参照)。今日こそは三度目の正直だ!の思いを胸に南口方面へ。ロータリーには下りずに、細い通路からつながる空中歩廊を渡り、駅正面の『駅前通り』に出る。潮の匂いが流れて来る、港をモチーフにした寂しげな商店街である。途中の橋の欄干にある、巨大なタツノオトシゴが不気味なインパクトを放っている。何だか銚子と感じが似てるな、と考えながら強風に抗いつつ、商店街の先を目指して東南へトボトボ。500mほどで商店街が終わり、『本町2丁目交差点』に到着。クロスする『国道150号』に入って、次は南へ。左半身に見えない海の存在を感じつつ、『本町3丁目交差点』を経て一キロ弱で『焼津5丁目交差点』である。進路を東に採って、ひとつめの信号で人魚と時計を備えた鉄製のゲートが迎えてくれる、『神武通り商店街』に足を踏み入れる。奇麗に整備されてはいるが、たっぷりの地元感と、通り沿いに現れる空地が寂しい商店街…果たして今日は開いているのか…祈るような気持ちで眩しい陽光に目を細めながら、南に歩いて行く。左手に二店続きで庶民的に味のある商店建築が見えて来た。二階壁面には『with/週刊現代』の看板があり、窓下には二店共通のオレンジ色の日除け…やった!開いてるぞ!さらにその下には、『こどもの本の』とあるお店の看板があり、さらにその下に緑のテント看板が張り出し、『ミッフィー』…いや、この場合は『うさこちゃん』と呼ぶのが相応しいイラストが描かれている。ここは焼津港にほど近いため、漁船員用の古週刊誌も扱う新刊書店なのである。古本は果たして並んでいるのか…おや?早速店頭右端に、古い木製100均ワゴンがあるではないか!それほど大きくはないが、近付いて何度も視線を走らせてみる。中途半端に古いコミック・古めの文庫・単行本少々・大判ムック…文庫はカバー無しが1/3あるが、創元推理文庫のSFが多い…もしや漁船員にSF好きが…!?私は三冊を手にして店内へ。サッシ戸を開けると同時にチャイムが鳴り響く。古びた町の新刊書店である店内に、人の姿は無い。しばし物憂げで静か過ぎる、私だけの時間が店内に流れる。コミック・雑誌・文庫、それに町の書店にしては充実した児童文学と絵本…そして、右奥角に新刊書店とは異なる棚を発見。その時、奥から老店主が姿を見せ、「いらっしゃい」と言いつつ入口裏の帳場へ座った。右隅に進むと、そこにあるのは横積みされた週刊誌と漫画雑誌で、70or140円で販売されている。一部に地方出版の詩集や古い本も少々。児童用の「あめのひぶんこ」一揃いのようなものも置かれている。まぁ古い本を探すとしたら、表のワゴンに期待するしかないようだ。値段は激安。角川文庫「戯曲 少女仮面/唐十郎」創元推理文庫「スポンサーから一言」「73光年の妖怪」共にフレドリック・ブラウンを購入する。お店を出たら商店街を抜け出して、恐らく今年最後の海を見に行く。青黒く、風が強いのに静かな海と青空を見ていると、雄大さを感じるより先に、畏怖の念を抱いてしまった…。早々に引き上げて、『駅前通り』の『遠州屋』で『一本釣りもなか』を購入して帰路に着く。あぁ、やっぱり遠征はとてつもなく素敵で楽しいなぁ。
昨日は『古本ナイアガラ』内「フォニャルフ」の棚を、半分以上文庫に入れ替える。「盛林堂」さんは月曜は定休日だが、年末は31日まで営業とのこと。今年は後一回くらい、手を入れに行こうと思っております!

