2012年04月14日

4/14栃木・久々の益子で冷雨と古本にまみれ二店!

冬のような雨の中、宇都宮線→水戸線、そして相変わらず竹籠模様の真岡鐵道へと乗り換えて行く。途中、満開の桜並木のトンネルを駆け抜ける区間があり、車体が桜の枝にバチバチぶつかりながら疾走する乱暴さに、笑いながら感動。車内ではおばさん軍団の「うわぁ〜きれぃ〜」とうっとりする、嬌声の大合唱に包まれる。桜の恐るべき魔力を、たっぷりと体感したおよそ一分。

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●益子「はなめがね本舗 益子店」
九ヶ月ぶりの陶芸の街。前回と同じく、小さなロータリーから『駅前通り』を東に進んで、途中の豆腐屋の猫に挨拶し、『益子本通り』をさらに東にトボトボ進んで行く。寂しく600mほど進めば、信号脇に桜が咲く『鹿島神宮』。その脇道を北に入り込むと、行き着く所は区画整理された住宅地…万が一にでも、古本屋など無い光景なのである。しかしここで西側にある紺色と銀色の箱型住宅に目をやると、道沿いに木の看板が立っているのに気付く…近付いてみると『古本』の文字があり、『入り口、チョット奥。』と古風に書かれている。ほぉぉ!万に一つがあったのだっ!黄土色の砂を踏み締め、家の横っ腹にあるお店らしき入口に接近する。金属板の庇、ガラスドアに本を小脇に抱えた人物のシルエット、『レトロな古本、紙モノ、こけし』とある『OPEN』の看板。一段高くなったコンクリに上がり、傘を閉じて店内へ入る。コンクリ床の、非常にシンプルでコンパクトなお店である…これぞ心地良いヒューマンスケール!店舗スペースは縦長で、左横に帳場兼事務所スペースがあり、古本屋さんと言うよりは雑貨屋さんが似合いそうな若い女性がパソコンに向かっている。お互いに会釈しつつ、左右に設置された棚前に進む。…むっ?彼女が身体を捻りつつ、こちらに視線を投げ掛ける。そして恐る恐る「古ツアさん…ですか?」…見抜かれている!「は、ハイ。そうです」と白旗を挙げつつ即答。うぅ、まるで全国指名手配されているような…しかも最近検挙率が高いなぁ…恐ろしい世の中になったものだ。何故こうも容易く素性が判明してしまうのか?聞くと「白線文庫」さん(2010/07/19参照)とお知り合いで、「いつか絶対に来るわよ」と言われて警戒していたとのこと。お見それしました!フロア真ん中にはビンテージ絵本のカゴと、古い雑誌の低い平台。左の本棚は、セレクト日本文学文庫・旅・男性ファッション・70年代ポエム(メルヘン詩)・絶版少女漫画&少年漫画・古本関連・セレクト日本文学(男流3&女流7)・児童文学…棚、ゆわんゆわん揺れますが…。奥壁下の文庫カゴを見て、右側本棚へ。こけし本・こけし本体・民藝・台所&食卓・古いファッション誌・裁縫&手芸・カラーブックス・70年代ハウツー本・料理・こけしグッズが収まっている。おススメ本の飾られた平台の隣りには、絵本と児童文学を収納した鉄製の回転ラックがある。帳場カウンターはガラスケースになっており、のらくろ柄の手ぬぐいに目が釘付けになる。ものの見事に偏った70年代の遺産がキレイに集まったお店である。少ない冊数ながら、王道だけではなく脇道にも少し手を伸ばしているのが楽しい。値段はちょい安〜普通。精算をしながら少しの間お話しをさせていただき、お互いに笑顔をポロポロこぼし合う愉快な時が流れる。ついつい調子に乗って、この場所で開店した驚きを正直に伝えてしまう…すみません。でも本当に益子に新たな実店舗をありがとうございます!そしてこの「はなめがね本舗」には、ユニット仲間による、個性的な三店共同の町家店舗があるとのこと。こちらもいつの日か訪ねなければ…。河出新書「太宰治の手紙/小山清編」新書館「血のアラベスク/須永朝彦」河出書房新社「世界の夜と昼/湯沢光行」を購入。さらに、とことんこけしで装われた目録(中はほとんどミニビジュアル本!)もいただく。あぁ、楽しかった。

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●益子「古書 高館書林」
『益子本通り』へと戻り、再び進路を東へ。しばらくすると左手に『添谷書店』と言う名の、焼物・陶芸本の豊富さで名を馳せている新刊書店が現れる。通りに面した部分に出入り自由のギャラリースペースがあり、益子焼の普及に一役買っているのだが、その入口に以前は無かった古い箱がポツンと置かれているのが目に入った。気になって覗き込んでみると、よっ!中には古本が!箱の縁にはテプラで作成されたシールが貼られており、『古書 高館書林』『古書はギャラリー下段にもございます』とある…看板小っちゃ!書店の軒先を借りての、委託販売と言ったところだろうか。表の本はザラザラだが、ちょっと面白い本も入っており、セルフで汚れた本を拭くための手ぬぐいも常備されている。ギャラリー内に入り、壁や窓際に巡らされた低い壁棚の下に、箪笥の引き出しやカゴに入った古本を確認。その数八箱。美術&人文系の単行本と文庫本、それにサブカルと森村誠一…。値段は裏表紙に貼られており、しっかりきっちりの値付けがされている。文化出版局「ペンギニストは眠らない/糸井重里」を購入する。

さらに東へ足を延ばし、「内町工場」(2011/07/24参照)も楽しんで行く。おぉ!本棚がしっかりして、本の量も増えたようだ。それにしてもここは相変わらず、新しい本も古い本も分け隔てなく、買い易い値で並んでいて嬉しいなぁ…今ちょっと気付きました。私はこのお店が好きなのだなと。東京創元社「日本の秘境/岡田喜秋」新潮社「話の特集と仲間たち/矢崎泰久」を購入。益子に段々と広がる古本の輪を、好ましく思いつつ駅へと戻る。あっ、上り電車が今出てしまった!…次の電車は五十分後か…。
posted by tokusan at 19:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨日は冷たい雨のなか、
ご来店ありがとうございました。
ずっと読んでたブログに仲間入りできる日がくるなんて…お話も楽しく古本屋開店して良かったです!
本棚はうちのダンナお手製の解体できる作り(?)らしいんですが、ゆわんゆわんしてますよね…ご不便おかけしすみませんでしたー。

Posted by はなめがね本舗 マスダ at 2012年04月15日 10:58
コメントありがとうございます!こちらこそ失礼いたしました。暖かく迎えていただき、もう感謝感激…いやそれ以上に実店舗をありがとうございます!これからも京都店と手を携え、益子のお店たちとも手を携え、がんばってください。あ!あの教えていただいた千円のお店、いつかはどうにかして行きたいと考えております。
Posted by tokusan at 2012年04月15日 19:28
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