『ウィークエンドパス』二日目は、郡山から“赤ベコ”マークのある電車・JR磐越西線に乗り込む。西に向かって徐々に標高を上げながら、狭い緑の谷底を走り抜け、一時間二十分。爽やかな風吹き渡る、四方を山と雲に取り囲まれた会津盆地に到着。駅舎を出て、赤ベコ像と白虎隊像に挨拶をし、ロータリーを抜け出してから線路に沿うように北へ。左にコンテナ基地や、扇形の操車場を眺めつつ、ズンズン北へ。道なりに500mほど進んで、『国道49号』とつながる『北柳原交差点』。この辺りにもはや観光地の気配は無く、完全に地元民の生活圏内となっている。ここから東に進むと小さな『不動川』が現れるので、橋を渡ってからすぐ川沿いに北へ。後は住宅街の中を北に進みつつ、右へ右へ右へと入り込んで行くと、やがてたどり着く自動車教習所。脇の直線道を真っ直ぐ北へ進むと、行く手に見える緑に囲まれた広大な敷地は『会津大学』で、直線道が終わった所で左を見ると、ほぉ、『会津の古書處』とある看板が立つ、モダンな和風建築の古本屋さんがそこにあった。大学前だが辺りは異様に静かで、緑の多い歩道には雑草も繁茂している。三角屋根・白壁・連続する大きなガラス窓が品良く特徴的で、入口上には金文字の店名。早速中に入ると、まずは陶器や古道具が出迎えてくれ、物や本が重層的な景色を生み出している、物量に満ちた店内。しかし乱雑さは何処にも無く、上から下までビッと整頓が行き届いている。壁棚にぐるっと囲まれた空間は横長で広く、フロアに三本の分厚い背中合わせの棚を備えている。入口右横に古道具(イタチの毛皮?や様々な人形もあり)と本に囲まれた帳場があり、白髪の萬屋錦之助と言った店主が、横向きに店番中。左壁は上部に箱入りの歴史&風俗の資料本が並び、下に歴史小説・海外文学文庫・時代劇文庫・海外文学。足下にも横積み本があり、ここには日本文学も混ざっている。向かいは下がラックになっており、大量の紙物・錦絵&浮世絵類と共に、「銀花」・自然・生物・植物・詩集などが続く。棚脇棚には全集本類が積み上がり、奥壁には左から新書(足下にオカルトあり)・書・会津資料館的紙物類&古道具類。左から二番目の通路は、左側に和本・古地図・登山、右に日本文学文庫・中公文庫・岩波文庫・選書・日本文学評論。棚脇に会津古文書ラックあり。第三通路は、左が戦争・近現代史・日本近代文学(古い本あり)・日本文学・科学、右に中国・文学復刻本・随筆・エッセイ・民俗学・日本語。こちらの棚脇には、会津の絵葉書が集合している。右端の第四通路は、入口側棚脇に美術・工芸が集まり、左側に仏教・福島本・郷土本、右壁に日本各地郷土本・東北・福島・会津がドッシリ収まっている。かなり見応えのある本棚たちなのだが、実は他にも見るべき所が潜んでいる。各通路や棚脇に足下から積み上がる本タワーが曲者なのだ!様々な方向を向く本の背を、首を横に倒しながらチェックして行くと、時折愉快な本の姿が!う〜ん、このセンス、中々絶妙だな…。郷土本の充実レベルは高く、文学にも深みと古さあり。そこかしこに美しく分布する紙物類も、目玉を楽しませてくれる。値段は普通。ただし嬉しい隙のある値段も、ジャンルによりチラホラ。新書館「さよならの城/寺山修司」青也書店「ブルークリスマス/倉本聰」ハヤカワ文庫「ミクロの決死圏/アイザック・アシモフ」講談社文庫「幻想博物館/中井英夫」を購入する。
ビデオを巻き戻すように素早く東京へ引き返し、午後六時の下北沢。盆地の爽やかさとは異なる、亜熱帯な蒸し暑さの中、雑踏をかき分けて進む。「幻游社」(2008/10/03参照)…ライブハウスの行き帰りに、時間が無くとも飛び込んだ古本屋さんである。このお店が、本日を持って閉店する。表の特徴ある細足の均一台は、すでに片付けられようとしている。店内の棚にも、所々にブランクが生じており、非常に寂しい光景となっている。しかし表にも店内にも、今日が閉店であることなどは、一切書かれていない。このまま、いつも閉店するように、静かに密かにお店を閉じるのだ。ならばこちらも、ひとりのお客として、普通に古本を買うことにしよう。「幻游社」最後の買い物は、河出文庫「吸血鬼幻想/種村季弘」。長い間、お疲れさまでした。そして本を安く売っていただき、ありがとうございました!寝室の灯りを、そっと消して眠りにつくように、下北沢の古本屋さんが一軒、フッと姿を消しました…。


何時ころお店にいらしたのでしょうか。まったく同じ昨日、勉強堂へ参りました。私は11時半くらいでしたが。
帰りは走る元気もないので、バスに乗ったのが運の尽き、延々と団地めぐりをされて、駅までおよそ40分。だって、駅へ行くとは書いてあるけど、あんなに遠回りするなんて書いてないんだもの。歩いた方が早かったなあ。
早稲田の英二は、開店前の店舗準備時期から見ています。あの店の前の裏通りを早稲田大学方面に50メートルほど行くと、昔から神保町にある天ぷら「いもや」が健在です。
もう30年以上も前から、神保町時代にはよく通った店なのですが、閉めてしまってどうなったのか知らず、10年位前に偶然発見、あちらも覚えていて、以来機会があるごとに食事しています。
神保町の店のまま+αで、安く楽しめるお店ですよ。お行儀が悪いと叱られるけど。
今日はこれから高崎です。赤坂堂が閉めちゃったので残念。