2012年08月18日

8/18静岡・浜松 開陽堂書店

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東海道線を、朝から乗り継ぎ乗り継ぎ、西に五時間。電車の中で暮らすのは、もう限界だっ!とばかりに列車の旅をリタイアすると、そこは大きくキレイな地方都市…浜松であった。三年半ぶりのこの土地にも、未踏のお店がまだ残っているはず…。巨大なバスターミナルを内包した北口ロータリーの、左側をぐるっと回り込んで『鍛冶町通り』を西へ。商業ビルの谷間の大きな道を、信号から流れる“富士山”の電子音をバックに歩き続ける。『伝馬町交差点』で『国道257号』に入り、一旦北へ。二つ目の『連尺交差点』で、交差点下の地下道を潜ってから、西に延びる『姫街道』に足を掛ける。道は結構な坂道で、そこに商店がポツポツと連なって行く。信号を二つ過ぎ、どうにか坂の上にたどり着く。さらに道なりに西に向かうと、右手に暗い店内を見せつける、職種判別不能な光景が出現。その暗闇に目を凝らすと、おぉ!本棚の姿が浮かび上がった!入口上の看板には、書店名にプラスして『不動産・ビル管理』の肩書きがあり、さらには『税理士・行政書士』事務所の看板が下半分を占めている…むぅ、何やら様々に混ざり合っているな…しかし店内は、生活道具に多少侵食されているとは言え、古本屋さんの設えなのである。ならばと、躊躇せずに暗闇の中に入り込む。途端に赤外線チャイムがピンポンと鳴り響く…それを聞き付けたのか、奥の磨りガラス戸の向こうから、すぐにユニフォーム作業ジャンパーを着た白髪の店主が姿を見せた。「いらっしゃい。あ、今すぐバイクを外に出しますね。これじゃぁ本が見られないもんね。いや、さっき突然雨が降って来ちゃったから…」と、店内にデンと置かれていたバイクを表に移動させ、彼はその後もサッシを開けたり閉めたり、本の整理をしたりしなかったり、終いには入口で棚の本を読み始めたり…どうやら突然の闖入者を持て余しているようだ。その暗い店内は、左右に高い壁棚、真ん中に平台付きの背中合わせの棚(平台下部も本棚)、奥壁にカラーボックス組み合わせ棚となっている。全体的に雑然としているが、棚はちゃんと確認することが出来る状態をキープしている。それにしてもこれは…少し時が止まり気味な傾向…古い本も多いが、所々に見られる複数冊ビニールパック&ビニールランダムパックは何なのだろうか?シリーズ物やジャンルでのパッケージはまだ判るが、ランダムジャンルパックの真意は何処に?保存?もしや雨漏り予防?さらには本棚の並びもカオスで、左通路は割と日本文学でまとまっているが、右側通路はカオスな状況なのである。落語・戦争・海外文学・五木寛之・高木淋光・松本清張・歴史・静岡・官能小説・コミック少々・新書・社会科学・風俗・囲碁・ヤマハ関連・地震関連・文学全集・紙物・「宇宙戦艦ヤマト」…文庫は目立たないが、店内各所に潜んでいる。暗過ぎて背文字を確認出来ない場所もあり、布団叩きを退かして見なければならないところも。しかし逆に言えば、とても探し甲斐があり、何かが隠れていそうな予感がヒシヒシ。『タイムカプセル・ビニールランダムパック』なお店なのである。値段はちょい安だが、値段の付いていない本は、一律200円で精算してくれた。「いや、もう買っていただけるだけでありがたいんですよ。だからまとめて500円にしちゃう!」とさらに合計金額から100円引きに。ありがとうございます!東邦出版社「兵隊やくざ/有馬頼義」読売新聞社「日本の秘境/柞木田龍善」学研「世界の未確認動物」を購入する。店主は満面の笑みを浮かべ「またお待ちしてます」と送り出してくれた。嫌いじゃないです、と言うか大好きだ!こう言うお店!

ゴロゴロうるさく怪しい空模様を気にしながら、『浜松城』そばの「時代舎」(2008/05/26参照)にも足を延ばす。
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ここでweb連載の取材を、と考えていたのだが、何と店頭ワゴンが雨に備えてシートで完全密封状態!これではどうにもならないので、早々に諦めた後、店内をただ楽しむことに集中する。あぁ、やっぱりここは良い古本屋さんだな。棚から発せられる美しい古本のメロディに酔い痴れながら、佐々木邦の充実っぷりに目を回す。ちくま文庫「妖精族のむすめ/ロード・ダンセイニ」原書房「定本 山之口獏詩集」(千円は安いです!)を購入。そして帰りなのだが、何と五時間立ちっ放しで電車の中で暮らすことになり、東京に帰り着いたら疲労困憊…う、うぅぅう…。
posted by tokusan at 20:31| Comment(6) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
三島の北山書店、今月限りで廃業、ただいま半額セール中です。本文を読む限りでは寄らなかったと思われるので報告まで。
Posted by 下新庄3丁目 at 2012年08月19日 17:54
うがぁ!そうなんですか。もっと早く情報を手に入れていれば、立ち寄ったのに…不覚です。そして残念です。あの格好良いおじいさん、お店閉じちゃうんですか…どうにかして行きたいな…。
Posted by tokusan at 2012年08月19日 18:32
一昨年7月ころ閉店した清水書店ですが、清水区中矢部町13−8に同名の店があることから移転した模様です。但し当方もまだ訪問していません。駅からはかなりあります。古銭が本業の大和文庫と併せて訪問もいいかもしれません。
Posted by 下新庄3丁目 at 2012年08月19日 22:28
「清水書店」は確か店内に、支店の地図が貼り出されていたはず…もしかしたら、そこに合併されたんでしょうか?「大和文庫」は、以前偵察に行ったことがあり、『次郎長商店街』に驚きつつ、古本色の少なさにツアーをせず仕舞い…改めて良く確認しに行かなければいけませんね。情報ありがとうございます!
Posted by tokusan at 2012年08月20日 19:44
本欄をみて青春18切符で浜松に行きました。このお店はしまっていましたが、時代舎などは大変いい古本屋でした。また北山書店閉店間近と知りましたので、三島にも寄りました。5割引きセール実施中でした。何冊か購入。店主も普通に足腰もしっかりしておられるようでしたが80歳を超えているとか。奥様もお元気。息子があとを継がないので…と嘆きつつも芸術家として活躍しているようで新聞記事などをもらいました。閉店しても、近くの自宅でガレージセールなどをやるかもしれないとのこと。それにしても本が多く、山積みしている部分などはチェックのしようもなく…ですが。北山書店も貴兄ブログで存在を知っただけに、二度出かけましたが、これでお別れ…になりそうです。
Posted by 古本虫がさまよう at 2012年08月24日 05:24
古本虫がさまよう様。18きっぷ発動行脚、おつかれさまです。「北山書店」行かれましたか。あの自称“本の森”を発掘するのは、生半な覚悟では出来ないでしょう。本格的な発掘隊を組まなければ。あぁ、私も手掘りに行かなければ…。
Posted by tokusan at 2012年08月24日 17:25
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