●草薙「ブックマーケットa-Too 南瀬名店」
古本は入ってすぐ左奥の、手前第一通路と第二通路の片面に並べられている。お店がデカイだけあって量はそれなり。すでに体力の消耗が甚だしく、とても本など探すような状態ではないのだが、クワッと目を見開き、無理矢理本の背に視線を注いで行く。第一通路には女性実用・児童文学・最新刊単行本・ミステリ&エンタメ・単行本各種・50均単行本・日本文学文庫・海外文学文庫・時代劇文庫・50均文庫。第二通路にはラノベ・ノベルス・新書・50均新書&ノベルスとなっている。並びは雑本的で、古い本や絶版文庫はほとんど並んでいない。値段は普通。飛鳥部勝則のノベルスにプレミア値が付けられているのには魂消た。疲れながらも50均の二冊をどうにか選ぶ。岩波ジュニア新書「ぼくたちのアニメ史/辻真先」グリーンアローブックス「宇宙人の死体写真集/中杉省三」を購入…あぁ、私は散々歩き回った挙げ句、何を買ってしまっているのか…。
●静岡「コバヤシ古本」
一応古本は買えたのだが、こんな締まらない終わり方は断固として拒否したい。がんばってトボトボ草薙駅まで戻り、東海道線でついこの間訪れたばかりの静岡駅へ向かう。既視感のあり過ぎる改札を抜けて、今回は南口へ。北口に比べて少しこじんまりとしているが、立派な地方都市のロータリーである。そのロータリーから南に延びる『石田街道』を300mほど進み、五叉路の『稲川交差点』で東へ。真っ直ぐ200mほど進んで、『稲川交番西交差点』で再び南へ。大通りから入った住宅街の路地をちょっと進むと、右手に突然怪しい古本屋さんが現れる。それにしても、あるべき場所にちゃんとお店が開いているのは、何と嬉しいことなのか!蓄積した疲労をが少しだけ何処かへ…。店頭には立看板・幟・自販機が並び立ち、中央入口の両側に巨大なテント幕が垂れ下がり、雑然と統一性の無い反住宅街な雰囲気が漂う。サッシの引き戸を開けると『ピピピピピピ』とブザーが鳴り、店内の何処かにいる店主に、来店を知らせる仕組みとなっている。そして店内は、店頭よりさらに怪しい状況となっている。入ってすぐの空間は棚に疎らに囲まれ、入口右横に文学・実用・雑学・サブカルの単行本棚。右奥には物凄く明るいアダルト小部屋があり、その入口脇に五段の文庫棚が置かれている。左には中身の疎らなコミック棚があり、正面にはノベルス・新書単行本棚。その横に奥に進む通路があり、左側にコミック横積みの峻険な山で造り上げられた、立ち入り禁止の通路が広がっている…この奥の何処かに店主は潜んでいるようだ。右には入口に100均文庫棚を置いた、行き止まりのアダルト雑誌&アイドル写真集の通路が、奥へと延びて行っている。行き止まり部分には、シネアルバムの姿が少々。ほとんどコミックの山で埋まった、一本の通路と玄関と小部屋で出来た、不思議な構造のお店である。古本は雑本的で、値段は普通。まぁとにかくアダルトとコミックがメインである。そんな中からも二冊をセレクト。立ち入り禁止通路の奥に声を掛けてみる。すると、「あ、今そっちに行きます」と返答があり、コミックの山の間から、仙人化した村上隆風店主が姿を見せた。愛想良く通路を行き来して精算していただく。実業之日本社「ゲームボーイ大百科」二見書房「仮面ライダー大研究/TARKUS編」を購入…あぁ、またしても私は何を買っているのか…。
冬の青春18きっぷツアー最終回は、予想外に過酷な展開となってしまった。駄本をバッグに詰め込んで、もはや走ることの叶わぬ疲れた足を引き摺りながら大通りに出ると、往きには気付かなかった、ビルの側壁に残された完璧なる『原爆タイプ』のトマソンに感激する!夕暮れに浮かび上がる、不気味なほど黒々としたその痕跡に、今にも吸い込まれてしまいそうだ。


でも、この素敵なトマソンに会いに行ったのだと思えば…私もこんな物件に出会ってみたいものです。