2013年01月12日

1/12山形・米沢 羽陽書房

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JR東日本の『ウィークエンドパス』を購い、二日間の東日本管内(北限・宮城まで)乗り降り自由の身分となる。早朝五時半に電車に乗り始め、八度も車内が寒過ぎる普通列車を乗り継ぎ乗り継ぎ、ヒィヒィ言いながら福島に到達。ここで奥羽本線にさらに乗り換え、山間地帯をゆるゆると突破し、キラキラと光る雪の米沢盆地に入り込んで行く…七時間半の、長く寒い旅路であった。西口ロータリーに出ると、雪は積もっているが日射しがあるので、意外に暖かな北の街である。ロータリー西側中央から、二本の道が西に延びているが、南寄りの『八谷街道』を選んで歩き始める。車道の雪は融かされているが、歩道はほぼ雪の塹壕状態。歩いたり走ったりを交互に繰り返し、慎重に雪の上を西に向かい続ける。水鳥が浮かぶ最上川を、白い息を吐き出しながら越え、ひたすら直線的に進撃し、たくさんの小さな交差点をやり過ごして行く。駅からおよそ二キロの地点、右に素敵な丸窓を持つ表現主義建築の『岡崎写真館』が現れ、左手奥に『松が岬公園』が見えた所で北へ。50mも進むと、右手に雪国の古本屋さんが、ようやく姿を見せてくれた。当然の如く雪に囲まれたお店は、ガレージのように奥まっており、右壁に105均文庫棚が設えられ、その前から左の出入口までを、乱雑な本とダンボールの山が覆ってしまっている。文庫はSFが多いようだ。積雪とむき出しの本の距離感が、非常にスリリングである。店内に踏み込むと、あらゆる通路にバランスの悪そうな本タワー(腰高)が立つ乱雑な光景(梶原の「ろここ書店」(2008/08/31参照)に似ている)。入口右横に本に囲まれた帳場があり、ご婦人が「いらっしゃいませ〜」と高貴な声音で迎えてくれる。お店は広く、ぐるっと壁棚に囲まれた空間に、手前に短めの背中合わせの棚&奥に長めの背中合わせの棚のコンビが三本置かれている。棚に目をやると、何だかとてもカオスな状態…あらゆる所でジャンルの越境が行われてしまっているようだ。それでもどうにか領域らしきものを読み取って行くと、左壁は雑本(古めの本多し)から始まり、文庫少々・新書・カラーブックス・歴史・民俗学・建築・日本文化・芸術など。向かいには山形&東北郷土本&研究資料本・戦争・文化・演劇・日本近代文学・文学評論・文学復刻本。第二通路は、棚の本はほとんどが横積みされ、規則性を把握するのはかなり困難な状態になっている。市に出したものなのか、木箱が棚のように積み上がり、棚の下半分を隠していたりもする。木村東介・歴史・全集類・「あまとりあ」などが特徴か。第三通路は、左に絶版漫画・大量のハーレクイン、右に時代劇文庫と日本文学文庫となっている。絶版も多いが、ほとんどの本に値段が書かれていないので、少し不安が押し寄せて来る。奥壁はガラスケース内に高そうな和本が飾られ、壁棚には詩集・書関連・自然・山岳など。右端通路は、左側にSF文庫・ジュブナイル文庫・ラノベ・海外文学文庫・ハヤカワポケミス・教養系文庫・絶版文庫。壁棚には、美少女コミック・絶版漫画文庫.古い本・和本・古雑誌・日本文学・歴史小説・ノンフィクション・社会・選書…とにかく乱雑で読み取り難く、床から積み上がる本や古い本がやたらと気になってしまう。なので『何かあるんじゃないか、この下に!』と常に思えてしまったりする、捜索意欲の湧き上がるお店である。値段の明記されているものは普通な値段だが、付いていないものは果たして…。単行本を避けるように文庫ばかりを選んでしまい、「お幾らでしょうか…」と帳場に手渡すと、三冊が100円で一冊だけ200円…安かった。どうやら文庫はほぼ100均のようである。創元推理文庫「矢の家/A・E・W・メイスン」「ドウエル教授の首/A・ベリャーエフ」春陽堂文庫「犀星随筆/室生犀星」春陽文庫「ゆっくり雨太郎捕物控/多岐川恭」を購入。

ふぅ、私は長い時間をかけて、四冊の文庫を雪国に買いに来たのであった。あぁ、慣れぬ積雪に、もう足がワナワナ…。明日は果たして何処に何冊買いに行くのだろうか?雪を踏み締めながら、とにかく今は必死に帰ることにする。
posted by tokusan at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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