今日一日は自由(多分)!早めに色々済ませて、ガタゴト静岡に向かう。つい先日訪れたばかりであるが、構わず向かわねばならぬ。何故ならつい最近、新しい古本屋さんが誕生したからである!徐々に近付きつつある真新しい古本屋さんの、まだ見ぬ造作をあれこれ想像しながら車中を過ごし、北口に出る。ロータリー突端から地下道に入り、まずは静岡鉄道『新静岡駅』方面を目指して北に進んで行く。地上に出て『御幸通り』をそのまま進んで行けば。やがて『江川町交差点』。ここから北東に延びる『北街道』に入って、『新静岡駅』の入った複合ビルを右に見てから、先へ先へ…。300mほどで『鷹匠二丁目交差点』。ここからさらに進めば、右手細いビルの一階前に『古本』とある白と水色の立看板!さらには壁看板の最下段に、表裏の図柄が違う店名看板!勝手にもっと小さいお店を想像していたが、薄暗い店内は中々広く奥深いようだ…。奥まった入口の左側に、50均文庫と100均単行本の箱が載った台がある。切り文字書体のような店名を見上げてから中へ。すると右手中ほどにある帳場部分で、年配のオヤジさんが振り返って、野太い声で「いらっしゃいませ」。隣りにはダッフルコートを着た岸部一徳風青年もおり、聞こえる会話から察すると、どうやら彼もお店の人のようだ。店内は手前と奥に分かれる感じで、手前の方が少し横幅が広くなっている。装飾は少なめでストイック。入ってすぐ右に絵本・児童文学棚があり、古い本が良く目立って…うあぁぁぁぁあっ!いきなり佐藤暁(現・佐藤さとる)名義の「だれも知らない小さな国」を発見してしまった!函無しで状態はあまり良くないが、何と300円!どひゃっほう!と心の中で喝采し『ぜひウチへいらして下さい』と胸に掻き抱く。静岡で“佐藤暁”の本を見つけたのは二度目(2012/12/27参照)…スゴいぞ、静岡!もはやウキウキが止まらない。右壁棚の向こうには帳場ゾーン。フロアにはミニコミやリトルプレスを置く棚があり、開店祝いの花も飾られている。左壁には、料理・食・古い児童書(少々)・洲之内徹・村山槐多・骨董・芸術・建築、そして気合いの入った棚二本分のケルト&アイルランド本。さらに奥へ進むと、ちょっと狭まる奥のフロアーに突入。左の壁沿いにはまずは机棚が置かれ、島尾敏雄一家VS武田泰淳一家の、ファミリー対決が開催されている。続く高い壁棚には、女性史・女性運動・反戦・社会運動・学生運動・近代史・静岡郷土本と並んで行く。フロアには在庫僅少新刊本が並ぶテーブルと、奥に小さな文庫箱を載せた長テーブル。その右隣りには強固な大きいスチール棚が立ち、左面には映画・落語・音楽・写真集・末井昭・南伸坊・赤瀬川原平・漫画評論・セレクト漫画・ポップカルチャー・歴史小説・時代劇が並び、右面は文芸雑誌・海外文学・パリとなっている。棚を見ている間に、お客さんが次々と入って来る。どうやら新しいお店が出来ているので、様子を探っているようだ。右端は前述のスチール棚と壁棚に挟まれた、人ひとりが通るのがやっとの細い通路になっており、壁棚にアナキズム関連、日本文学・田中小実昌・幻想文学・文学評論・本&古本&書店・現代思想・民俗学・宗教・吉本隆明・平岡正明・竹中労などが収まる。これから進むべき方向をしっかり見据えた、良いお店である。硬軟が趣味性高く融合しているが、硬の割合の方が大きい。老舗店的街の古本屋さんがほとんどの静岡では、あまり見掛けないタイプのお店なので、これから市民に重宝されて行くのではないだろうか。値段は普通。講談社「長編童話 だれも知らない小さな国/佐藤暁」PHP ESSAY BOOKS「おい、友よ/平岡正明」知恵の森文庫「ふらふら/田中小実昌」を購入。このように探し求めていた本を見つけた古本屋さんは、よほどのことが無い限り、自分にとって特別な良いお店として記憶にガリッと刻み込まれる。静岡に来たらまた寄ることにしよう、開店おめでとうございます。
[現在の村上勉描くコロボックルとは違い、アイヌ的イメージが漂う。表紙の絵は、変装用のカエルの皮を脱ぎ捨てたシーン。何と本文のレイアウトは安野光雅である]
※お知らせ1 古本界の特異点『古本ざしきわらしが行く』で、緩〜い新春座談会が掲載中。
※お知らせ2 『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』連載中のトマソン社「BOOK5 第五号」が1/25に発売。今回は開店前にニョロニョロが出現する本屋さん……お楽しみに!


いい店です。
あの空間が仕事場ってうらやましい。古書店やりたくなります。ご苦労いろいろおありでしょうが。
アナキスト関連の棚に興味あり、店主にうかがったら、大杉栄のお墓が、市内の沓谷霊園にあるとのことでした。知りませんでした。