ウィークエンドパス二日目は、新潟から『特急いなほ』に揺られ、緑色の日本海を見ながら二時間。二年ぶりに海坂藩入りする。白く神々しい出羽三山の柔らかな姿に目を細めながら、突っ切り難いロータリーを強引に突っ切り、『駅前通り』を南へ。交差点をひとつ過ぎ、次の交差点手前の脇道を西に入る。真っ直ぐ進んで200m。右手に広い駐車場を備えた『癒の蔵』と言う仰々しい名の岩盤浴場が現れる。その右側壁奥には別の店舗入口が見えており、中はシンバルが窓から覗く楽器屋になっている…ズムズムとロック音楽が響いて来るが、ここは古本も扱っているらしいのだ。怖々と中に入り込むと、そこは広めの通路になっており、最奥に倉庫への入口があり、通路はギターネック・楽器部品&小物・CD、それに音楽古雑誌やEPレコードの姿が。入口右横の部屋が楽器店になっており、その隣りのスタジオからロックの生音が聞こえて来ている…むぅ、古本は雑誌だけなのだろうか?ちょっと焦りながら通路をうろつき、楽器には何の用も無いのだが、古本確認のために店内に突入する。何処までもロックの匂いを強く漂わせる楽器屋さんだ。だが、入口左横にレコード棚を発見。そして入口右横に、大きな本棚を無事発見する。良かった!ボックス棚のメインは「ミュージックマガジン」などの音楽雑誌やバンドスコアだが、棚の両端にミュージシャン自伝&評伝・ジャズ&ロック評論・寺山修司(充実)・澁澤龍彦が並んでいる。値段は普通でかなり偏った並びだが、質は中々。欲しかった本が意外な安値で発見出来たので、それを掴んですぐさまレジへ。黒ぶちメガネのテクノボーイ・白髪のロック少女・山男的男性にチラ見されながら精算する。河出書房新社「じゃがたら/陣野俊史」を購入。
いょしっ!これでツアーは無事に終えた!行くぞ、あのお店に!ともはや小走りで、再訪したくてたまらなかった「阿部久書店」(2011/06/12参照)へ。
二年前の記憶を頼りにお店にたどり着くと、店頭にはダンボール箱がたくさん積み重なり、100均棚がほとんど見えない状態…いや、仕入れがたくさんあると言うことは、お店が元気な証拠である!喜びながら一冊抜き取って店内へ。郷土本や古い本の島をひっくり返したりしていると、帳場のおばあさんが突然「お雛様見るか?」「へっ?」と、お店の奥に招いてくれた。戸惑いながらも住居部分に入り、靴を脱いで部屋の中へ…するとそこには、緋毛氈を敷いた十段はある巨大な雛壇!並ぶ人形や小物類は、どれも古めかしく立派な、江戸期の細工の物ばかりである。瞬間、このお店の古い歴史を垣間見る…おばあさんの説明を聞きながら、古本を抱えたまま、しばらく雛壇の周囲をウロウロする。俺は今、本当に海坂藩に来てしまったのだろうか?丁寧にお礼を言い、続いて二階の探索へ向かう。あぁぁ、やはりここはスゴいお店だ。帰りの電車までまだ時間はあるので、棚をじっくり眺め、時に床に跪き、気になる所は二重棚の奥まで覗いて行く。あっという間に古本の小山が出現。ちょっと買い過ぎかな…と最後に本当に必要かどうか心の篩に掛け、数冊減らして意気揚々と階下へ向かう。本の束を帳場に差し出すと、おばあさんは「まあまあたくさん。ありがとうございます」とニコニコ顔。計算してもらうと、やはり単行本は四百円均一で、文庫は百円均一、そして収穫の「こども家の光」は二百円均一であった。どひゃっほうである。家の光協会「こども家の光(昭和二十七年〜三十七年のバラ十一冊)」(日影丈吉・星新一・西條八十・仁木悦子・北村小松・戸川幸夫などのジュブナイルが!)大地書房「私のアンデルセン/森田たま」羽田書店「宮澤賢治名作選」(昭和十四年刊の一冊もの)櫻井書店「詩集 初雪/大木實」雄鶏社「春の夜/芥川龍之介」金鈴社「朔風/牧野吉晴」文省社「日本作者辞典」筑摩書房「バトルロイヤル/サミュエル・フラー」相模書房「今和次郎著作集 住生活」春陽堂少年文庫「七面鳥の踊/鈴木三重吉」春陽堂世界名作文庫「アルマンス/スタンダール」「チュルヂス伯爵夫人/メリメ」春陽堂文庫「ドルヂェル伯の舞踏會/ラデイゲ」を計五千円ポッキリで購入。大大大満足する。また必ず、古本を買いにやって来ます!


まだ、「なんげーメール」になるさけのぅ。
だって、阿部久書店さんはげのぅ・・・。
(以上庄内弁)
かいつまんで、
愛妻の里は城下町鶴岡のライヴァルともいうべき同じ庄内地方の隣町、江戸期に北前船で栄えた港町酒田。とは言え、情けないことに酒田市内にはどでかいブックオフの影響か古本屋がなくなった。で、前回帰省時は阿部久書店へ初見参。古ツアさんの記事を見て。
おばあさん、いたよ。
お盆の急などしゃぶりで濡れて入ったら、てぬぐい貸してくれた。あったけー。
店内はまさに「ロマンシング・ストーン、秘宝の谷」。魔境の2階、地べたにポケットミステリーが無造作にうわんと積まれてた。一冊100円。めぼしいの20冊ぐらい頂いた。ほかにも誇りまみれだけど「なんでこんなのあるの」が結構ありました。たぶん、2階の奥の庄内の郷土史関係はきっと・・・。
興奮抑えて清算してもらい「いい本たくさんありますね、また来年来ますよ」と言ったら、おばあさんとても嬉しそうだった。80歳くらいかな?いいよね、こういう書店は無形文化財的古本屋だね、もはや。
注:「もっけだのー」は酒田では「すいません、ありがとうございます」的な万能あいさつ言葉。
ほんとにいつもながくで「もっけだのー」。
「つちうら古書倶楽部」が土浦駅にできたとのこと(常設・イベントスペース合わせて、250坪)。
土浦駅西口徒歩1分、パティオビル1Fらしいです。
すごい!わたしは、古書ほうろうで、以前発掘しましたよ。
好いですよね^^