先月の月江寺行で(2013/06/15参照)、帰りの車窓に一瞬流れた『古本』の文字…確かに俺は見た!もはや富士急行沿線には、古本屋さんは皆無と思っていたのだが…。日を置いて時間の都合がついた本日、大月でたくさんの外国人観光客に紛れ込みながら、富士急行に乗り込んで四十分。寂れた南側の駅前に出ると、もはや営業しているのか判然としない遺跡のような観光売店があり、背後にはロッククライミングのメッカ『三ツ峠山』、正面には凶暴なまでの緑を纏った『倉見山』が迫っている。駅前から抜け出て、この地方特有の富士山型の穴が開いたブロック塀を楽しみながら、『国道139号』を西へ。山間の田舎町を、ヒュルヒュルと延び上がって行く街道の先には、黒々とした富士山の姿。何処までも立ちはだかる、その神々しいフォルムに圧倒されながら一キロも進むと、一軒の平屋倉庫型のリサイクル系古本屋さんが見えて来た。水色横長の店舗越しには、圧し掛かるような富士山が見えている…古本屋さんと富士山…中々見られない組み合わせである。それにしてもこのお店、壁や道路沿いの看板には『本・ビデオ・DVD・古本』の文字が乱舞しているのだが、店名は何処にも見当たらない。街道沿いアダルト店の影を色濃く感じながら、広い駐車場を横切り扉に手を掛ける。ここでようやく「ハンディ館」と言う店名を確認。中は広々整然としており、背の低い棚にコミック・アイドル写真集・同人誌が無機質に収まっている。ひと際高い仕切りの向こうからは、広大なアダルトスペースの気配が漂って来る…。やはりコミックとアダルトのみなのか…砂を噛むような後悔が心にかぶりつこうとした時、右奥の隅に三本の古本棚を発見する…か、かろうじて助かった。雑単行本・ケータイ小説・文学全集端本・ラノベ・ティーンズ文庫・日本文学&海外文学文庫。もちろん深みなど感じられぬ棚ではあるが、全品105円なのが救いである。祥伝社ノン・ブック「女らしさの知恵/平岩弓枝」京阪神エルマガジン社「最後の興行師/重田雅通」を購入。ひからびたヘビの死骸に驚いたりしながら、駅へと戻る。
帰りは高尾で途中下車し、名店街の古本屋さん「高尾文雅堂書店」(2009/11/18参照)に寄り道。誠文堂新光社「ニュータイプ室内飛行機集/野中繁吉」創元文庫「宮澤賢治歌集」アテネ文庫「世界の古本屋/庄司浅水」平凡社カラー新書「香りへの旅/中井英夫」を計1000円で購入し、ニヤリ。
さらに阿佐ヶ谷「古書 コンコ堂」(2011/06/21参照)の前で、精悍に日焼けした夏葉社島田氏にバッタリ。七月後半に発売される、全国四十七都道府県(利尻島から石垣島までを取材。島田氏ももちろん取材に同行されたそうである)の町の本屋さんを紹介する「本屋図鑑」の資料を手渡される。思わず「うらやましい!(全国に行けることが)」と叫んでしまった。これを買って励みにして、こちらもますます頑張ります!

