『週末パス』二日目を胸に、成田線で千葉県を横断して行く。電車は乱暴な動きでレールを軋ませている。三時間半で、今日は醤油の匂いではなく、潮の香りが心地良い銚子に到着する。チャレンジするのは、駅から四キロほど西にある国道沿いのお店…その結果はすでに手に取るように判っている。しかし古本屋ツーリストとして生きる宿命で、この目でしっかりと確かめねばならぬのだっ!ふとしたことで緩みそうになる決意を、ギュッと握り締め、観光案内所にレンタサイクルを借りに行く。しかし自転車はすべて貸し出された後であった…初っ端からこれでは先が思いやられる…案内所のお姉さんに、他のレンタサイクルを教えてもらい、駅近くの自転車屋さんに急行する。しかしそこでようやく借りられた自転車は、薄汚れて錆びてボロボロ。サドルは曲がり、ペダルも歪み、ハンドルのグリップもペタペタしている…何と言う物をレンタルしているんだ。しかし私にもはや選択肢は無く、オンボロな相棒にサッと跨がり、駅西側から西に果てしなく延びて行く『国道126号』をひた走る。二つの小山をゼエゼエ越え、山の上の街を通り抜け、右に巨大な風車群を見ながら、およそ四キロ地点に『小浜工業団地入口交差点』があり、その向こうに高く黄色い『本売って下さい』の看板がようやく見えた。フゥ〜。車の多く停車する駐車場に滑り込み、店舗写真をオンボロ相棒と共に撮影する。横長で広大な店舗に入ると、まずは三本の通路が横に長いコミックゾーン。一番奥の壁棚はDVDが並び、壁の向こうはアダルト桃源郷となっている。…古本は…見当たらない。左奥にかろうじてアイドル写真集・写真週刊誌・実話&暴露ムック&雑誌・105均コンビニブックが並ぶのみ。値段は安めだが、何も買うものが見つからなかった…最初からこうなることは、判っていた…。だが、古本の有無を確認しただけでも、来た甲斐はあったのだ。そう自分に強く言い聞かせ、自動車に負けぬ速度を時折坂道で叩き出しながら、銚子駅に飛ぶようにして戻る。駅北側、『軽トラ市』が開かれて賑やかな『銚子銀座』を東に通り抜け、「アオイ古書 観音店」(2010/10/02参照)の確認に向かう…やっぱり営業してないか…大変残念である。銀座内を自転車を引いて引き返し、名店『藤村ベーカリー』であんぱん・カレーパン(シチューのようなカレーで福神漬け入り。バカウマ!)・ポテトあんぱん、それにお土産のミルクパンを購う。銚子港を眺めてパンをたいらげたら、日曜の港町をブラブラ散策。すると町外れで「アオイ古書 銚子店」の古本屋遺跡を偶然発見し、大いに興奮する。錆びてうっすら店名が残るブリキ看板が、とにかくセクシーなので、これまたオンボロ相棒と共に写真撮影。この写真を撮るために、自転車屋さんはこいつを貸してくれたのではないかと思うほど、遺跡に馴染んでしまっている!相棒よ、短い時間だったが、おつかれさまでした。
それでもやはり古本が呼んでいる気がするので、中野で途中下車して『中野ブロードウェイ』に向かい、四階「古書ワタナベ」(2008/08/28参照)で中公文庫「肌色の月/久生十蘭」を300円で、二階「古書うつつ」(2008/06/18参照)で角川文庫「エレファントマン/マイカル・ハウエル ピーター・フォード」を100円で(いやっほう!)購入。阿佐ヶ谷では「銀星舎」(2008/10/19参照)で創元推理文庫「銀座幽霊/大阪圭吉」集英社文庫「ストリップ・ティーズ/シムノン」を計1000円で購入。そして奥様と話していると、何とこちらの正体がずいぶん前から露見していたことを知る。恥ずかしくて、冷や汗がドバッ。直ぐに旦那さんも現れ、こちらでも正体が露見していたことを知る。さらに冷や汗。お二人は実は私に気を遣ってくれていたのである。それにまったく気付かぬとは、とんだピエロであった…。恥じ入りながら、大変感謝しながら、少し楽しくお話し。「まぁこれからも気軽に来て下さい」の言葉がとても嬉しかった。遠慮なくこれからも、常連でいさせてもらいます!


この前「離島の本屋…」(朴順梨氏)を読んでいたら奄美大島に「あまみ庵」という古本屋があるそうです。店内改装したりしているものの、古本を扱っているとか? 興味あるところですが行かれたことはすでにおありでしょうか?
あっ、銚子書店行かれたんですね。
私も昨年末に、iタウンページ片手に探索しましたが、古ツア様がいらっしゃったのと変わらず、アダルトばっかりだったので、早々に退散しました。娘同伴だったので、余計いづらかったのです。そのあと、クルクルに寄ったのでなんとか事なきを得ましたが…。
アオイ書店はやっぱり営業されてないんですね。今度は、松戸・柏方面を攻めてみようと思います。
先日、高根公団の鷹山堂さんに寄った際に、残念な話がありましたので、お知らせします。
銚子のアオイ古書ですが、店主さんが亡くなられたようで、閉店したそうです。
鷹山堂店主さんが、後片付けをしてきたとおっしゃっていたので、確定情報と思います。
千葉から古本の灯りがまた一つ消えてしまいました。