明けて本日、色々始まる前に古本屋に行ってしまおうと、コソコソとホテルから脱出。黒い火山灰が微かに積もる歩道を踏み締め、鹿児島中央駅へとまずは向かう。鹿児島の古本屋さんは、日曜を定休にしているところがほとんどである。しかしちょっと離れた所にある「つばめ文庫」は日曜も営業してくれているのだ。駅前から南国バスに乗り込み、西の低山地帯へ入り込んで行く。山に住宅が張り付き広がる、ちょっと横浜・根岸辺りに似た風景が展開して行く。およそ十五分の、急坂のバス停で下車する。そしてたどり着いた所は、ちょっと古びた、住宅団地内のささやかなショッピングモール。おっ、右翼一番手前に古本屋さんが!…しかし何か様子がおかしい…活気が無い…。サッシ扉に近付き、アッ!と叫び声を小さく上げてしまう。窓には小さな貼紙があり、『本日、天文館での催事のため、店舗は休業いたしております』!…う、うぅ、今にも入れそうな店内が、目の前に広がっていると言うのに…。
諦めトボトボ引き返し、急坂のバス停ベンチに腰を下ろし、斜めになりながら対応を検討する。…やはり、その催事に向かうしか手は無いだろう。と言うわけで、目指すは有名なアーケード街『天文館』にある手芸のお店となった。
来たばかりの道を巻き戻すように引き返し、途中もしや開いているかもしれない!と期待していた「廣文館」がやっぱり閉まっているの確認してから、電停の『天文館通』前から、大きな『天文館本通り』を北上。アーケードの十字路では、中国楽器の演奏や牛の乳搾り体験などが行われており、多くの人が詰めかけている。そんな催事を横目にしながら、手芸『まきの』前に到着するが…あれ?何も出ていない…これはどうゆうことだ?お店の中を見てみるが、女子が多数詰めかけている手芸のお店で、古本の気配は何処にも感じられない…おかしい。そしてヤバい!ここで古本を見つけられなければ、末代までの恥となる!焦って賑わう通路を小走りして、店先やイベントブースを覗き込んで行く。焦る、非常に焦る!しかし虱潰しに、本通り・脇道共に駆け回った結果、『にぎわい通り』の『にぎわい通り大学』と言うコミュニティスペースのような所で、古本を売っているのを無事発見した…ふぅ、本当に見つかって良かった…。
店頭には小さな棚と箱、それに50均文庫台が四つ並び、ウィンドウ前に本棚が二本。何故か野球帽を被った少年が「いらっしゃいませぇ〜」と販売している。文庫には古い角川と集英社が多いので、思わず真剣に見入ってしまう。集英社文庫「笑い地獄/後藤明生」角川文庫「犬神博士/夢野久作」を購入。少年にお金を渡すと、本の間にポロリと落としてしまう。「あぁっ、す、すいません」と突然帽子を脱いで可愛く謝罪。君は小津映画に出て来る子供か!と、心の中で軽く突っ込んでおく。横には絵本や実用ムック、背後の棚には鹿児島&薩摩本・古い文庫・文学復刻本などが並んでいる。店内に進むと様々な物が売られているが、奥の方に古本が売られているのを確認。やはり理由は判らないが、古本市の販売場所が急遽このお店に移動になったようだ。長テーブル四本と、それぞれに箱を利用し古本を並べており、「古書リゼット」「あづさ書店」(先ほどバスの車窓から、シャッターが閉まっているの確認)「ブックノーツ」、そして「つばめ文庫」が参加している。あぁ、どれも未踏のお店ばかりじゃないか…古本に出会えたのは嬉しいが、とってもモヤモヤする状況…次に鹿児島に来る時は、日曜は絶対に避けることにしよう…。実用・新書・100均文庫が並び、古い文学本・「それいゆ」などがチラホラするが、薩摩郷土本が一番多く充実。「つばめ文庫」で集英社文庫「無芸大食大睡眠/阿佐田哲也」を購入。本を受け取りながら、『今度来た時は、お店を開けておいて下さい!』と「つばめ文庫」さんに微弱なテレパシーを送っておく。


知花敏彦さんの本があれば、教えて頂けませんか?