通常なら今日から姿勢を正して仕事始めなのだが、年またぎの仕事が無かったのをいいことに、青春18きっぷの消化に勤しんでしまおうと、払暁の早朝に家を抜け出る。東北本線を乗り継いで行くと、郡山で篝火の灰のような雪片が、キラキラと晴れた空の下に舞い始める。沿線には、除染作業後の土をカラフルな袋にパンパンに詰め、土嚢の如く積み上げた馴染めぬ光景。福島駅で突然雪が強くなる中、阿武隈急行線に乗り換えて、福島北東部に分け入って行く。強い雪はあっという間に消え去り、またもや雪片がヒラヒラキラキラ…。濃緑の阿武隈川とランデブーしながら、キャッチフレーズの付いた駅をこなし続けて一時間。『梅花の里』角田は、未来的な駅舎を持ち、住宅街の屋根越しに屹立したロケットの見える、地方の街である。強い風が、広く平坦な街に吹き荒れている…ここは2011/01/22に遥々訪れたことがあるが、目的のお店「スリーブック」は残念ながら休業中で、その二ヶ月後には、東日本大震災が発生。もはや再びの営業は叶わぬかと思っていたのだが、最近何やら形を変えて営業を再開しているらしい情報をキャッチしたので、とにかく勢いに任せて偵察に来てみたのである…駄目だったら以前タレコミのあった、梁川のリサイクルショップに寄ればいい…。そんな軽い心持ちで、雪片を吹き付けられながら、誰もいない『駅前通り』を東に歩んで行く。『駅前』『栄町』の交差点を通過し、駅から真っ直ぐ700m余り。『市役所東交差点』で北を見ると、右手にリサイクルショップの派手な巨大看板が立っていた。パッと見、古本とは縁の無さそうな感じだが、しかし多数ある取扱品目の最初が『古本』となっているのだ!これは期待していいのだな!と大きなお店に足早にギュンギュン接近する。店頭にはワゴンがたくさん出ているが、古本は見つけられない。自動ドアから中に入ると、うおっ!目の前奥に、しっかりとした古本ゾーンがあるではないか!広い横長店内の右奥1/4が、古本・コミック・CD・ゲームに割り当てられている模様。この地に滞在出来る時間はわずかなので、古本だけを目標にして棚に取り付く。奥壁棚はすべてコミックだが、その前に並列する九本のスチール棚に、結構な量の本が並んでいる。右からラノベ・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫・教養系文庫・絶版文庫・古書・新書・歴史&歴史小説・日本文学・海外文学・サブカル・スポーツ・エッセイ・タレント・実用・ビジネス・児童文学・絵本・コンピュータ・美術図録など。また左端通路奥には無秩序な古本の山(小)があり、少し離れた所に雑誌ラックの姿も。全体的に雑本の流れではあるが、文庫には絶版が多く混ざり、単行本には80年代の本が多く見受けられ、少しだけ興奮する。値の付いていない文庫は150均、単行本は400均。値段の付いている本は、どれも普通なしっかり値となっている。何だかんだ言いながら、春陽文庫「かりそめの唇」「夜いくたび」共に北条誠「社長の娘/源氏鶏太」「青春爆弾児/風早恵介」新潮文庫「加田伶太郎全集/福永武彦」角川文庫「きまぐれ星のメモ/星新一」ハヤカワ文庫「地図にない町/フィリップ・K・ディック」盛光社ジュニアSF「人類のあけぼの号/内田庶」新潮社「何?/後藤明生」、そして本日最大の収穫は桃源社書き下ろし推理小説全集14「白の恐怖/鮎川哲也」!作者自身が封印した、今年初の完全なるどひゃっほう本である!
以上はすべて値付けナシの本である。三十五分で任務終了。さて、心はこの地に着いた時から焦り始めていたので、早めに帰ることにするか。しかし帰りの電車を調べてみると、このふるえがくるほどの接続の悪さはどうだ!…帰り着けるのは…十時くらいだろうか…。


いきなり著者が封印した幻の本をゲットとは!
これは400円だったのですか?
角川文庫とかに鮎川作品けっこうあったと思うのですが今はあまり手に入らないようですね。
そして、新年そうそうのどひゃっほう本との遭遇、おめでとうございます。
今年も、日本全国の古本屋レポートを楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。