昨日、JR東日本の『三連休乗車券』を手に入れ、晴れて北海道の尻尾まで普通列車の乗り降りが、この三日間だけ自由となる。遠くへ、遥か遠方へ…と心の中で呪文のように唱えながら、特急券を買ってまずは秋田に急行する。もはや凍ったように真っ白な秋田駅からは、奥羽線に乗り換えてさらに北へ。軽い雪を巻き上げ、白い集落と荒野と凍った川を過ぎ、時に秋田杉の鉄道林に守られ、日本最大の干拓地・八郎潟の横をゴグンゴドンとひた走る。終点の東能代駅で五能線に乗り換えて五分。七時間かかって、雪の吹き荒ぶ目的駅に到着する…所々で列車が遅れたため、現地での活動時間が絶望的に少なくなってしまった…。しかし雪の吹き込むホームには、小さなバスケットコートとリングが設置されていた!ここ能代は、高校バスケ強豪校『能代工業』のあるバスケットの街なのである!さらにホームに飾られた、ユニフォーム・優勝盾・使用ボールなどに心ざわめくも、目的はあくまで古本にあることは変わらないので、気を引き締めて改札を抜け、密閉された駅舎から外に出て、風雪の攻撃をこの身に受ける。積雪は五センチほどだが、とにかく寒い。西口の駅ロータリーは緩やかな斜面に広がっており、人影は無くとても荒涼としている。ロータリーを右から、決して雪に足を滑らせぬよう小走りに回り込んで、ちょっと西にある低層のビルに囲まれた『駅前交差点』。道沿いには隙間無く四角い建物が凸凹と並び、まるで映画のセット的な、不思議な景観を造り出している。交差点の西側北寄りにある、『Canon』の看板文字と『大栄百貨店』と、二つの看板のある年季の入った横長ビルに注目する。面取りされた角の一階には、「市民センター」の入口がある…元駅前地元百貨店の建物を再利用した、市のサービス施設なのであろう。しかしここでは、安値で古本が販売されているらしいのだ!とにかく時間が無いので『ままよ!』と飛び込んでみると、当然の如く市民の憩いの場なのである。まず右に軽食やドリンクも販売するレジがあり、目の前のテーブル席ではご婦人たちがワークショップを開催中。さらに最奥のテーブルでは、中学生が団子のように固まり、間断なく歓声を上げながらゲームに熱中している。ズンズンと色々なことには構わず、その奥に進んで行くと、ひょう!右奥に結構広く、しっかりした古本ゾーンが姿を見せてくれた。またも激しくざわつく心。このゾーンは少し右側に奥まっており、手前壁・右壁・奥壁に本棚が張り付き、フロアには10均カバー無し文庫ワゴン、背中合わせの本棚が横向きに三本と斜めに二本重なっている。奥にはアップライトピアノも本棚のように並んでいる。さぁ、急いですべてに目を通さなければ…。手前壁には児童文学・児童書・絵本。右壁には料理・スポーツ・趣味・実用・参考書・辞典・自然科学・アイドル写真集(捌けてるなぁ…)・大量の文学全集。奥壁は文学全集の続きと、日本文学・コミックが収まる。フロア棚は横向き三本に、作家五十音順日本文学文庫と最上段にノベルスの列。斜めの棚は、海外文学文庫・海外文学・社会・日本文学文庫続き・雑学文庫・新書・詩歌句・郷土・宗教・オカルトと続いている。市民からの寄贈本で成り立っている、図書館的ビジュアルのお店だが、品揃えと棚造りが意外にしっかりとしている。ちょっと古い文庫も多いのでちょっと血眼になってしまうが、一番の魅力は値段が定価の九割引と言う安さであろう。正進社名作文庫「オッペルと象/宮沢賢治」「ガリヴァー旅行記/スウィフト」講談社文庫「夜の三部作/福永武彦」ソノラマ文庫「死者の学園祭/赤川次郎」光風社ノベルス「殺人魔術/梶龍雄」理論社「5000匹のホタル/松下竜一」を購入する。これだけ買って330円…。さぁ、七時間かけて来た東北の地で、三十分で330円分の古本を買ったので、もう東京に戻らなければならない…あぁ、私の頭のネジは、かなり緩んでしまっているのだろうか。電車は目まぐるしく晴れ間と吹雪が入れ替わる中を、またもゴグンゴドンと、重々しく走り抜けて行く。
2014年01月11日
1/11秋田・能代 市民プラザ
昨日、JR東日本の『三連休乗車券』を手に入れ、晴れて北海道の尻尾まで普通列車の乗り降りが、この三日間だけ自由となる。遠くへ、遥か遠方へ…と心の中で呪文のように唱えながら、特急券を買ってまずは秋田に急行する。もはや凍ったように真っ白な秋田駅からは、奥羽線に乗り換えてさらに北へ。軽い雪を巻き上げ、白い集落と荒野と凍った川を過ぎ、時に秋田杉の鉄道林に守られ、日本最大の干拓地・八郎潟の横をゴグンゴドンとひた走る。終点の東能代駅で五能線に乗り換えて五分。七時間かかって、雪の吹き荒ぶ目的駅に到着する…所々で列車が遅れたため、現地での活動時間が絶望的に少なくなってしまった…。しかし雪の吹き込むホームには、小さなバスケットコートとリングが設置されていた!ここ能代は、高校バスケ強豪校『能代工業』のあるバスケットの街なのである!さらにホームに飾られた、ユニフォーム・優勝盾・使用ボールなどに心ざわめくも、目的はあくまで古本にあることは変わらないので、気を引き締めて改札を抜け、密閉された駅舎から外に出て、風雪の攻撃をこの身に受ける。積雪は五センチほどだが、とにかく寒い。西口の駅ロータリーは緩やかな斜面に広がっており、人影は無くとても荒涼としている。ロータリーを右から、決して雪に足を滑らせぬよう小走りに回り込んで、ちょっと西にある低層のビルに囲まれた『駅前交差点』。道沿いには隙間無く四角い建物が凸凹と並び、まるで映画のセット的な、不思議な景観を造り出している。交差点の西側北寄りにある、『Canon』の看板文字と『大栄百貨店』と、二つの看板のある年季の入った横長ビルに注目する。面取りされた角の一階には、「市民センター」の入口がある…元駅前地元百貨店の建物を再利用した、市のサービス施設なのであろう。しかしここでは、安値で古本が販売されているらしいのだ!とにかく時間が無いので『ままよ!』と飛び込んでみると、当然の如く市民の憩いの場なのである。まず右に軽食やドリンクも販売するレジがあり、目の前のテーブル席ではご婦人たちがワークショップを開催中。さらに最奥のテーブルでは、中学生が団子のように固まり、間断なく歓声を上げながらゲームに熱中している。ズンズンと色々なことには構わず、その奥に進んで行くと、ひょう!右奥に結構広く、しっかりした古本ゾーンが姿を見せてくれた。またも激しくざわつく心。このゾーンは少し右側に奥まっており、手前壁・右壁・奥壁に本棚が張り付き、フロアには10均カバー無し文庫ワゴン、背中合わせの本棚が横向きに三本と斜めに二本重なっている。奥にはアップライトピアノも本棚のように並んでいる。さぁ、急いですべてに目を通さなければ…。手前壁には児童文学・児童書・絵本。右壁には料理・スポーツ・趣味・実用・参考書・辞典・自然科学・アイドル写真集(捌けてるなぁ…)・大量の文学全集。奥壁は文学全集の続きと、日本文学・コミックが収まる。フロア棚は横向き三本に、作家五十音順日本文学文庫と最上段にノベルスの列。斜めの棚は、海外文学文庫・海外文学・社会・日本文学文庫続き・雑学文庫・新書・詩歌句・郷土・宗教・オカルトと続いている。市民からの寄贈本で成り立っている、図書館的ビジュアルのお店だが、品揃えと棚造りが意外にしっかりとしている。ちょっと古い文庫も多いのでちょっと血眼になってしまうが、一番の魅力は値段が定価の九割引と言う安さであろう。正進社名作文庫「オッペルと象/宮沢賢治」「ガリヴァー旅行記/スウィフト」講談社文庫「夜の三部作/福永武彦」ソノラマ文庫「死者の学園祭/赤川次郎」光風社ノベルス「殺人魔術/梶龍雄」理論社「5000匹のホタル/松下竜一」を購入する。これだけ買って330円…。さぁ、七時間かけて来た東北の地で、三十分で330円分の古本を買ったので、もう東京に戻らなければならない…あぁ、私の頭のネジは、かなり緩んでしまっているのだろうか。電車は目まぐるしく晴れ間と吹雪が入れ替わる中を、またもゴグンゴドンと、重々しく走り抜けて行く。
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御健脚とご幸運をお祈り申し上げます。
三十分の古本棚に往復十四時間、うらやましく、また憎く思ってしまう古ツアさんです。
では私もと池袋からの帰途、隣駅の目白で下車しマクドのちょっと向こうのブックオフをたずねたら昨年末で閉店してました…。皆様には旧聞になると思いますが、思いがけなかった自分は少々ショックでした。
その後新宿に出、三丁目の用を済ませた後、新宿通りをテクテク歩いて国(旧字)島書店へ。そしたら閉店全品半額セールの告知が…。整理つき次第お店を閉じるそうです。お世話になってる古本屋さんなのでさびしいです。
今年も楽しみにしています。
よろしくお願いします。
え、国島書店さん閉店ですか!職場の近くで休憩時間にちょくちょく覗いていたのですが、、、静かに本と向き合える店内が大好きだったのですが。。
まずは行かねば!です。