2014年01月11日

1/11秋田・能代 市民プラザ

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昨日、JR東日本の『三連休乗車券』を手に入れ、晴れて北海道の尻尾まで普通列車の乗り降りが、この三日間だけ自由となる。遠くへ、遥か遠方へ…と心の中で呪文のように唱えながら、特急券を買ってまずは秋田に急行する。もはや凍ったように真っ白な秋田駅からは、奥羽線に乗り換えてさらに北へ。軽い雪を巻き上げ、白い集落と荒野と凍った川を過ぎ、時に秋田杉の鉄道林に守られ、日本最大の干拓地・八郎潟の横をゴグンゴドンとひた走る。終点の東能代駅で五能線に乗り換えて五分。七時間かかって、雪の吹き荒ぶ目的駅に到着する…所々で列車が遅れたため、現地での活動時間が絶望的に少なくなってしまった…。しかし雪の吹き込むホームには、小さなバスケットコートとリングが設置されていた!ここ能代は、高校バスケ強豪校『能代工業』のあるバスケットの街なのである!さらにホームに飾られた、ユニフォーム・優勝盾・使用ボールなどに心ざわめくも、目的はあくまで古本にあることは変わらないので、気を引き締めて改札を抜け、密閉された駅舎から外に出て、風雪の攻撃をこの身に受ける。積雪は五センチほどだが、とにかく寒い。西口の駅ロータリーは緩やかな斜面に広がっており、人影は無くとても荒涼としている。ロータリーを右から、決して雪に足を滑らせぬよう小走りに回り込んで、ちょっと西にある低層のビルに囲まれた『駅前交差点』。道沿いには隙間無く四角い建物が凸凹と並び、まるで映画のセット的な、不思議な景観を造り出している。交差点の西側北寄りにある、『Canon』の看板文字と『大栄百貨店』と、二つの看板のある年季の入った横長ビルに注目する。面取りされた角の一階には、「市民センター」の入口がある…元駅前地元百貨店の建物を再利用した、市のサービス施設なのであろう。しかしここでは、安値で古本が販売されているらしいのだ!とにかく時間が無いので『ままよ!』と飛び込んでみると、当然の如く市民の憩いの場なのである。まず右に軽食やドリンクも販売するレジがあり、目の前のテーブル席ではご婦人たちがワークショップを開催中。さらに最奥のテーブルでは、中学生が団子のように固まり、間断なく歓声を上げながらゲームに熱中している。ズンズンと色々なことには構わず、その奥に進んで行くと、ひょう!右奥に結構広く、しっかりした古本ゾーンが姿を見せてくれた。またも激しくざわつく心。このゾーンは少し右側に奥まっており、手前壁・右壁・奥壁に本棚が張り付き、フロアには10均カバー無し文庫ワゴン、背中合わせの本棚が横向きに三本と斜めに二本重なっている。奥にはアップライトピアノも本棚のように並んでいる。さぁ、急いですべてに目を通さなければ…。手前壁には児童文学・児童書・絵本。右壁には料理・スポーツ・趣味・実用・参考書・辞典・自然科学・アイドル写真集(捌けてるなぁ…)・大量の文学全集。奥壁は文学全集の続きと、日本文学・コミックが収まる。フロア棚は横向き三本に、作家五十音順日本文学文庫と最上段にノベルスの列。斜めの棚は、海外文学文庫・海外文学・社会・日本文学文庫続き・雑学文庫・新書・詩歌句・郷土・宗教・オカルトと続いている。市民からの寄贈本で成り立っている、図書館的ビジュアルのお店だが、品揃えと棚造りが意外にしっかりとしている。ちょっと古い文庫も多いのでちょっと血眼になってしまうが、一番の魅力は値段が定価の九割引と言う安さであろう。正進社名作文庫「オッペルと象/宮沢賢治」「ガリヴァー旅行記/スウィフト」講談社文庫「夜の三部作/福永武彦」ソノラマ文庫「死者の学園祭/赤川次郎」光風社ノベルス「殺人魔術/梶龍雄」理論社「5000匹のホタル/松下竜一」を購入する。これだけ買って330円…。さぁ、七時間かけて来た東北の地で、三十分で330円分の古本を買ったので、もう東京に戻らなければならない…あぁ、私の頭のネジは、かなり緩んでしまっているのだろうか。電車は目まぐるしく晴れ間と吹雪が入れ替わる中を、またもゴグンゴドンと、重々しく走り抜けて行く。

posted by tokusan at 22:20| Comment(6) | TrackBack(0) | 東北 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本年も古ツアさんの文章を楽しみにしています。
御健脚とご幸運をお祈り申し上げます。

三十分の古本棚に往復十四時間、うらやましく、また憎く思ってしまう古ツアさんです。
では私もと池袋からの帰途、隣駅の目白で下車しマクドのちょっと向こうのブックオフをたずねたら昨年末で閉店してました…。皆様には旧聞になると思いますが、思いがけなかった自分は少々ショックでした。
その後新宿に出、三丁目の用を済ませた後、新宿通りをテクテク歩いて国(旧字)島書店へ。そしたら閉店全品半額セールの告知が…。整理つき次第お店を閉じるそうです。お世話になってる古本屋さんなのでさびしいです。

Posted by 神楽坂・うし at 2014年01月12日 16:10
明けましておめでとうございます。今年もクレイジーに早速駆けずり回っていますので、憎みながらも応援よろしくお願いいたします!えええっ!「國島書店」が閉店!? 最近多そんなパターンが多くて、残念な気持ちが止まりません。それでも確認しに行かなければ…。そいて大田区の方にある事務所店の方はどうなってしまうのでしょうか?そちらも確認してみなければ…。
Posted by tokusan at 2014年01月12日 23:18
新年からのすさまじい活動「範囲」に心を打たれています。
今年も楽しみにしています。
よろしくお願いします。

え、国島書店さん閉店ですか!職場の近くで休憩時間にちょくちょく覗いていたのですが、、、静かに本と向き合える店内が大好きだったのですが。。

まずは行かねば!です。
Posted by 東中神の男 at 2014年01月13日 02:35
東中神の男様。今年もよろしくお願いいたします。ちょっと飛ばし過ぎて、現在ガス欠気味です…笑ってやって下さい。と言うわけで本日ヨロヨロと「國島書店」を見て来ました。着々と閉店準備が進んでいるようなので、お早めに!
Posted by tokusan at 2014年01月13日 16:55
東京からわざわざ市民プラザに本を買いに来る人がいるなんてビックリです。
Posted by デビるもん at 2016年05月18日 22:14
デビるもん様。ありがとうございます。過分な褒め言葉であります!今思い出しても楽しい旅でした。地元の方でしょうか?ではまだ市民プラザは健在なんですね。またいつか機会があれば、同様に日帰りで行きたいと思います!
Posted by 古ツア at 2016年05月19日 21:23
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