その後、みんなで打ち上げご飯を食べながらも、今日のツアーをどうしよう?と言うことで頭がいっぱいになる。もちろんそんな問題は、神保町に足を向ければ瞬く間に解決するのだが、すでに明日はツアーに行けぬことが分かっているので、今日はどうしても面白い所に行きたいのである…と漠然と考えてムシャムシャ…。ハッ!気が付いたら私は、ひかり号に乗って西に向かっていたのである。午後三時五十八分に豊橋駅着。目標は午後三時から営業を始める『地ビールと古本』のお店である。東口に出て池のある空中広場から、路面電車の走る絶景の『駅前大通り』を見下ろす。いつまでもいつまでも路面電車が行き交うのを眺めていたいところだが、広場の右端から地上に下りて、大通りを東南へ進む。そして『駅前大通り交差点』で南に入り、古い問屋商店を楽しみながら歩いて行くと、道路なのに橋の欄干が設置された交差点。橋の両側には、古めかし同タイプの低層ビルが、アリの行列のように縦列している…これはどうやら用水路を暗渠にして、その上にビルを建てたのである。おぉ!列を成すビルの名は、どれも『水上ビル』となっている!それらに沿うようにして西に進んで行くと、一階は歩道屋根の架かる『大豊商店街』で、駄菓子・花火・玩具の問屋が多く並んでいる。さらに歩き続けると、ビルはC棟→B棟→A棟となり、そのA棟の真ん中辺りの、表にテーブル席を出しガラス窓に本の影を見せたお店に到着する…しかし外観は完全に飲食店なのである!古本を探し求めるだけの身としてはやはり入り難いのだが、もはや躊躇している場合ではないので、木枠ガラス扉の金ノブを回して中へ!右に斜めのカウンター席があり、左にはテーブル席。「いらっしゃいませ」とカウンターの中から、お洒落でハンサムなさかなクン的若者に声を掛けられる。「あの〜、本を見たいんですが…」と言うと、一瞬「えっ」と間が空いた後「大丈夫ですよ。本は全部売り物で、二階にもあります。値段は最終ページに書いてありますので」「ではまず本を見ます」と訳の分からぬ宣言をして、周囲をキョロキョロ。まずは入口両側の窓際に、サブカル・テレビ・東京文藝社の横溝正史など。コミックや風俗も紛れ込んでいる。カウンター上にもビールについての本や、ジャンプコミックス「シティーハンター」…。テーブル席の奥には腰高のボックス棚があり、旅・料理・名古屋・性愛・文学が並ぶ。階段脇には絵本・車雑誌・飛行機などが飾られたボックス棚。階段を上がって夕陽の飛び込んでいる二階へ。テーブル席・ソファ席が揃う中、左壁が一面の木棚になっており、面陳を基本として絵本・アート・コミック・性愛&エロ系写真集・日本文学文庫・写真集(自然・旅・風景)が収まる。古い本はなく、本の数もそれほど多くはないが、コンセプトはしっかりまとまっており、芯の強い棚造りが頼もしい。値段は安め〜普通。二階で実兄より探書依頼されていた、小学館少年サンデーコミックス「漂流教室/楳図かずお」全十一巻を発見したので、安値なのをこれ幸いとがっしり抱えて下に運ぶ。カウンターの上に置くと「購入ですか?」と少し驚いた様子。「ビールも飲まずに本だけですみません」と謝りながら精算する。
さぁ、すぐに東京に戻らねばならぬのだが、やはり豊橋に来たらと駅西口に抜け出して「東光堂」(2010/08/26参照)を急襲。先客とおばあちゃんの話す方言を心地良く耳にしながら、新潮社「気まぐれ美術館/洲之内徹」を760円で購入。こだま号に乗って東京に帰還する。…それにしても車中でつい読み始めた「漂流教室」。何度読んでもド級に面白い!物語が決して色褪せず、その力強さが半端じゃない!と小学生のようにグイグイ引き込まれてしまう…。


もっと長い時間を希望します。どんどん温まって面白くなってる所でお仕舞いになるのが残念です。
いただいた古本大明神のお札は祈りをこめて「風雲プロレス30年」の間に挟みました、欠巻が見つかりますように。
そして「オカトーク」後に新幹線で豊橋! すごい。