来週はバタバタしそうなので、今のうちに遠出しておかなければと、青春18きっぷを発動させる。段々と慣れて来たと言うか、もはや感覚が麻痺しているとも言える、東海道線での乗り継ぎ長時間移動。宇野浩二「藏の中」を車中の共にして、七時間で名古屋駅に到着する。ホームの立食いきしめん屋で、酒精を昼間からかっ喰らい、懐かしのテレビ番組を肴に怪気炎を上げるオッチャン軍団に紛れて腹ごしらえをし、地下鉄東山線の駅に向かう。狙うは先日の名古屋行(2014/02/16参照)で、無様に閉め出されてしまった地下街の古本屋さんである。たくさんの人を運ぶ地下鉄に乗って、藤が丘方面に一駅だけ進む。鶴舞線に乗り換える流れに背を向けるようにして、ホーム東端の『東改札口』を抜けると、何百メートルも先に延びて行く、古臭くうらぶれた通路が、そのまま『伏見地下街』となっていた。地下街と言っても、長い通路の片側だけに、およそ五十の小さな店舗が連なるシンプル過ぎる商店街である。定休日なのか空き店舗なのか、結構な数のお店がシャッターを下ろしたままである。チケット屋・洋服問屋・床屋・カフェ・マッサージ・画廊・薬局…通路はアートプロジェクトで飾り立てられてはいるが、昭和な異次元は隠しようもないほどに、強力な取り残されオーラを放っている。そんな光景にジ〜ンと感動しながら、有線が虚しく流れる通路商店街をヒタヒタ歩んで行く。およそ通路の半分である『D出入口』を通過すると、いよいよ前方にチラっと、通路にはみ出した古本が見えて来た。商店街の店舗番号は18番で、配管に囲まれた入口上には簀子で作られた店名看板、二台の平台付きラックと店頭棚が通路に向かって開いている。この核シェルターのような通路に、このように古本が並んでいることを、まずは大いに祝福する。後ろを振り返ると、向かいの壁には薄いショウウィンドウが埋め込まれており、古本が飾られているのだが、右隅に多数の新書「バカの壁」が積み上がっている。説明を読むと「バカの壁」で“バカの壁”を建築中らしい。その数ただいま156冊!…プロジェクトしては楽しいが、完成後の大量の同一本の行方が、今から激しく気になってしまう…。店頭に戻り、右の小さなラックには八冊500円コミック福袋・横溝正史文庫・SF文庫、そして足元の箱にはマッチ箱が詰まっている。正面本棚には、探偵推理文庫・カラーブックス・箱入旺文社文庫・サブカル・澁澤文庫・コミックなどが収まる。左のラックにはフィギュア&おもちゃ類と共に大判のビジュアル本が並ぶ。店内は左壁・入口側・右壁に本棚を巡らせ、足元には薄く低い平台が連続。奥壁は一部が本棚で、左側が帳場となっており、椅子が壁沿いに数脚置かれて、何やらマニアックなサロンとして機能しているようだ。真ん中には平台と本棚で造られた島がひとつ。帳場に座るのは、髪を長くした明治天皇の玄孫風青年で、不思議なハイキートーンで「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。左壁棚にはサブカル・漫画評論・セレクトコミック・絶版漫画・児童文学文庫。入口右横には、思想・歴史・教養系文庫が並び、奥ではハヤカワ文庫・創元推理SF文庫・SFが待ち構えている。フロアの島には、人形・ゴシック・グロ・魔術関連・映画・音楽・ポケットブック・児童入門書・大百科・アート・写真・澁澤龍彦・永井豪。右壁に日本文学・幻想文学・海外文学・ペーパーバック・宗教・オカルト・児童文学。奥壁には美少女コミック・エロ・ロマン文庫・SMなどが固まっている。帳場前には探偵小説文庫の小さな棚あり。探偵推理文庫・SF・マニアックアート・サブカル・オカルトに力こぶの入ったお店で、欲望剥き出しにドロッとしている。若くいかがわしい「アスタルテ書房」(2009/01/12参照)と言ったところだろうか。値段はスキ無しのしっかり値。扶桑社文庫「真夜中に唄う島/朝山蜻一」を購入し、一方的に先日の『地下街休日閉鎖』への意趣返しに成功する…私はこのために名古屋にやって来たのだ!帰りの車中のお供は、横溝正史「蝶々殺人事件」であった。
2014年03月08日
3/8愛知・伏見 古書店BiblioMania
来週はバタバタしそうなので、今のうちに遠出しておかなければと、青春18きっぷを発動させる。段々と慣れて来たと言うか、もはや感覚が麻痺しているとも言える、東海道線での乗り継ぎ長時間移動。宇野浩二「藏の中」を車中の共にして、七時間で名古屋駅に到着する。ホームの立食いきしめん屋で、酒精を昼間からかっ喰らい、懐かしのテレビ番組を肴に怪気炎を上げるオッチャン軍団に紛れて腹ごしらえをし、地下鉄東山線の駅に向かう。狙うは先日の名古屋行(2014/02/16参照)で、無様に閉め出されてしまった地下街の古本屋さんである。たくさんの人を運ぶ地下鉄に乗って、藤が丘方面に一駅だけ進む。鶴舞線に乗り換える流れに背を向けるようにして、ホーム東端の『東改札口』を抜けると、何百メートルも先に延びて行く、古臭くうらぶれた通路が、そのまま『伏見地下街』となっていた。地下街と言っても、長い通路の片側だけに、およそ五十の小さな店舗が連なるシンプル過ぎる商店街である。定休日なのか空き店舗なのか、結構な数のお店がシャッターを下ろしたままである。チケット屋・洋服問屋・床屋・カフェ・マッサージ・画廊・薬局…通路はアートプロジェクトで飾り立てられてはいるが、昭和な異次元は隠しようもないほどに、強力な取り残されオーラを放っている。そんな光景にジ〜ンと感動しながら、有線が虚しく流れる通路商店街をヒタヒタ歩んで行く。およそ通路の半分である『D出入口』を通過すると、いよいよ前方にチラっと、通路にはみ出した古本が見えて来た。商店街の店舗番号は18番で、配管に囲まれた入口上には簀子で作られた店名看板、二台の平台付きラックと店頭棚が通路に向かって開いている。この核シェルターのような通路に、このように古本が並んでいることを、まずは大いに祝福する。後ろを振り返ると、向かいの壁には薄いショウウィンドウが埋め込まれており、古本が飾られているのだが、右隅に多数の新書「バカの壁」が積み上がっている。説明を読むと「バカの壁」で“バカの壁”を建築中らしい。その数ただいま156冊!…プロジェクトしては楽しいが、完成後の大量の同一本の行方が、今から激しく気になってしまう…。店頭に戻り、右の小さなラックには八冊500円コミック福袋・横溝正史文庫・SF文庫、そして足元の箱にはマッチ箱が詰まっている。正面本棚には、探偵推理文庫・カラーブックス・箱入旺文社文庫・サブカル・澁澤文庫・コミックなどが収まる。左のラックにはフィギュア&おもちゃ類と共に大判のビジュアル本が並ぶ。店内は左壁・入口側・右壁に本棚を巡らせ、足元には薄く低い平台が連続。奥壁は一部が本棚で、左側が帳場となっており、椅子が壁沿いに数脚置かれて、何やらマニアックなサロンとして機能しているようだ。真ん中には平台と本棚で造られた島がひとつ。帳場に座るのは、髪を長くした明治天皇の玄孫風青年で、不思議なハイキートーンで「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。左壁棚にはサブカル・漫画評論・セレクトコミック・絶版漫画・児童文学文庫。入口右横には、思想・歴史・教養系文庫が並び、奥ではハヤカワ文庫・創元推理SF文庫・SFが待ち構えている。フロアの島には、人形・ゴシック・グロ・魔術関連・映画・音楽・ポケットブック・児童入門書・大百科・アート・写真・澁澤龍彦・永井豪。右壁に日本文学・幻想文学・海外文学・ペーパーバック・宗教・オカルト・児童文学。奥壁には美少女コミック・エロ・ロマン文庫・SMなどが固まっている。帳場前には探偵小説文庫の小さな棚あり。探偵推理文庫・SF・マニアックアート・サブカル・オカルトに力こぶの入ったお店で、欲望剥き出しにドロッとしている。若くいかがわしい「アスタルテ書房」(2009/01/12参照)と言ったところだろうか。値段はスキ無しのしっかり値。扶桑社文庫「真夜中に唄う島/朝山蜻一」を購入し、一方的に先日の『地下街休日閉鎖』への意趣返しに成功する…私はこのために名古屋にやって来たのだ!帰りの車中のお供は、横溝正史「蝶々殺人事件」であった。
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アスタルテ書房の重厚さは気軽に選びにくい領域ですね。初めて行った時は、冷や汗出ました。
こちらは(大正時代石黒敬章蔵)として、着色のほとんど同じ位置からの撮影ですが、微妙に同じ様にも違う様にも見えます。