2014年03月29日

3/29古本市で行列騒動の後に「THE CASK」を

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今日は楽しみにしていた『小平市中央図書館』の「第16回チャリティ古本市」。複雑な西武線を乗り継ぎ乗り継ぎ、およそ三十分前に会場に到着し列を作っていると、自称常連さんの一人が巻き起こした行列ルール騒動に、不本意ながら巻き込まれてしまう。スタッフとオッチャンのやり取りがヒートアップしそうなのを見兼ねて、折衷案を提示してどうにかその場を収める…しかしオッチャンだけは収まらず、私を相手にグダグダと話し続ける…うぅ、気分が落ち込み、この場にいるのが苦痛になって来てしまった…。それでも午前十時の開場と共に、ホール内に古本を求めて雪崩れ込む。最初に取り憑いたのは大きな文庫平台。前の人たちのほとんどが奥の単行本や全集&古書コーナーに殺到してしまったので、最初の数分間はスムーズに見ることが出来、早速何冊かの文庫も手にする。しかし、先ほどの騒動が微妙に尾を引き、どうも気分が乗って来ない…心のギアが完全にダウナーモードに入っているようだ。そんな風に、あぁ今日はダメかもしれないと、気分をさらに落ち込ませて行く。必死に文庫の背を追いかけてみるものの、何だかやっぱり上の空なのである。気付くと、隣にあのオッチャンが来ており、文庫に食らいつき始めた。なのでそれを避けるように身体を反転させ、海外文学文庫に視線を泳がせて行く。う〜むう〜むと心の中で唸りながら、真ん中辺りの列を見ていると、背と共に表紙がチラリと見えた厚い文庫で視線が止まる。背文字の細い明朝体と、表紙に連続するあのイラストは!とすでに頭に血を昇らせながら、そいつを引き出す!うわぁーーーーーーーーーーっ!創元推理文庫「樽/F・Wクロフツ」の、可愛い樽絵カバーバージョンだっ!私は今、夢を見ているのではないだろうか?あの、いつもの欲しい本を手に入れる、ぬか喜びのあの甘美な夢を!しかし現実に、貴重な一冊は、形も色も重さも変えずに、手の中に収まっている。やった、やったのだ、勝ったのだ!すべての憂さがこれで吹き飛んだ!と、ドバッと脳内古本麻薬が大量投与されたのを大いに実感し、酩酊する。う…もう、もう、今日はこれで、ここに来た目的は達せられたのだ…。そこから一気に、ギスギスした気持ちは霧散し、余裕のある心持ちで、本の背に優しい視線を投げ掛けて行くこととなる。気付けばいつの間にか会場は大混雑しており、人が人の間に身体をグリグリギュルギュル割り込ませて移動するような状況。結局その後も四十分ほど、優しい気持ちで人の間を回遊し、計十五冊を手にする。
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それらを激安の計490円で購入。特に嬉しかったのは先述の「樽」に加え、角川文庫「エレファントマン/マイカル・ハウエル+ピーター・フォード」講談社「でかでか人とちびちび人/立原えりか」(昭和三十六年初版)隣人之友社「百姓弥之助の話 第二冊 塾教育の巻/中里介山」(なんと毛筆の献呈署名入り!)である。無事に会場を脱出し、参戦していた岡崎武志氏と昼食を共にする。その際、上京中の大阪のネット古書店「固有の鼻歌」さんを紹介していただき、戦果を見せ合ったりしながら、お二人の大阪古本屋情報に耳を傾け楽しむ。
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介山先生っ!

帰りに西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に立ち寄り、盛林堂ミステリアス文庫「架空都市 ドノゴトンカ 城左門短篇集」(新刊)を購入。本日最大の収穫「樽」を店主に見ていただくと、このカバーは14版・15版が確認されているらしいのだが、この13版は珍しい本であることが判明する。なので今高らかに宣言しよう、どひゃっほうと!…それにしても、ジェットコースターのような午前中であった。あのすべての出来事が、古本に起因していると考えると、ちょっと恐ろしくなってしまう…どれだけ古本に振り回されているんだ…。
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これが、三十円のTHE CASKだ!
posted by tokusan at 15:57| Comment(6) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここは自分もいきました!

おもしろいブツは少なかったんですが賑わってましたね!
Posted by M書店 at 2014年03月30日 08:22
おもろい!今回の古本ツアーブログは。
いつも面白いけど今回は出色で破格のa lot of fun。
オカタケ日記でもあるように、「人がいい受難の相」ありありですね。
絶対に都会で古本商売なんて出来ないタイプですね。
お安くしておくよ、神奈川県央でどう?
Posted by 古本受難のキリストの使徒 at 2014年03月30日 19:44
M書店様。おぉ、参戦されてたのですね。おつかれさまでした。私はここは、とても安くて、毎回意外な本を手にすることが出来るので、かなり好きですよ。
Posted by 古ツア at 2014年03月30日 21:21
古本受難のキリストの使徒様。どうやら、何か呼び寄せてしまう特殊能力が備わっているようです…先行きが不安になります…。
Posted by 古ツア at 2014年03月30日 21:23
私も行きました!
入り口で渡された小平図書館友の会の会報に、6月に岡崎武志さんの講演があると。
プロフィールの「11年前は小平市民」が友の会の矜持を感じさせてくれました。
戦果は羽鳥書店が数冊と藤子展のカタログです。
古ツアさんは、あの本と人の中で介山先生の献呈署名入りをひくとはなんてすごい。
まつわりついていたのはオッチャンの皮をかぶった古本の精だったのでは。
Posted by 神楽坂・うし at 2014年04月02日 16:05
神楽坂・うし様。うぉ!では同じ空間ですれ違っていたかもしれませんね。藤子展のカタログがうらやましいです!岡崎氏の講演は、私は古本探索中に会場内で、壁に貼ってあるチラシで気付き、氏の姿を群集の中に探した後に、二度見してしまいました。とにかく結果良ければすべて良し!な一日でありました。
Posted by 古ツア at 2014年04月02日 22:10
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