2014年04月04日

4/4東京・神保町 通志堂書店

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『キムラヤ』が寂しく閉店してしまった『神保町交差点』から『白山通り』を少し北上し、一本目の大きな脇道を西へ進む。すると以前訪れた「六一書房」(2014/02/27参照)隣りのビル一階に、衝撃的に息苦しいお店が存在しているのに、否が応でも気付くだろう。ガラスウィンドウにも、ちょっと奥まったガラスドアの向こうにあるのは、ギチギチに空間を埋め尽くした横積み本の群れ!もはや倉庫と化した事務所の光景なのだが、ここはそれでもお客をしっかりと受け入れる店舗なのである。そう言われると、荒れたり乱れたりしていないところが、店舗に少しだけ見えなくもない。ここは今までに何度訪れても、怖じ気づいてそのまま素通りしたり、勇気を絞り出して入ろうとしてもドアが開かなかったりと、なかなかタイミングの合わぬ難度の高いお店なのである。今日もそんな風に、取りあえずめげずにチャレンジしてみようとお店の前まで行くと、うぅっ!初めて目撃するロマンスグレイの児玉清風店主が入口の前に立ち、展覧会のポスターを貼っている…これは入れない…いや、逆にこれはチャンスじゃないか!良し、笑顔を作れ!足を踏み出せ!思い切って無造作に店主へと近付く。そしておもむろに「すいません。ちょっと伺いますが、ここはお店なんでしょうか?」一瞬戸惑いの表情を見せた店主だが、すぐにニッコリ白い歯をこぼし「えぇ、そうですよ。ちょっと本がたくさんあり過ぎますけど」「ではお店を見せていただくのは可能でしょうか?」「大丈夫ですよ。とは言っても、入れるのはこの通路だけですけどね」と、ドアの向こうの絶望的に狭い三十センチ幅の通路を指し示す。そして、入口付近の本の束を少し下ろし、入り易くしていただいた。「さあどうぞ」。長さ四メートルほどの通路店舗は、両側の本棚を基本とし、さらにその棚前に長く高い結束横積み本のタワーを連続させている。「失礼します」身体を横にして、スルッと通路に滑り込むと、目に入るのはすべて中国の本…和書ではなく唐書(?)…なので背文字はすべて漢字である。それでも歴史・伝説・書・社会などのジャンルのごく一部を推察。奥の本壁で出来た小迷路のような帳場前まで達し、すぐにシャカシャカと入口まで引き返す。つまり私のしたことと言えば、カニ歩きで四メートル通路を往復しただけなのである。まだポスターを貼り続けている店主に「どうもありがとうございました。中国の本ばかりなんですね。…すみません、何も買わずに…」「いえいえ、大丈夫ですよ」とニッコリ。店舗を超え、倉庫を超え、古本が空間の容積をすべて満たす寸前なのだが、それでも店舗を保っていることに感激する。この地上には、相変わらず様々な古本屋さんが存在するが、入店難度の高いお店に入れたことに満足して、私の表情は満面の笑顔なのである。
posted by tokusan at 19:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「キムラヤ」ちうても知らん人はパン屋と思うかもしれませんね。かつては新橋の駅直下や駅前の、現在の馬券売り場ビルにあり、ビデオテープなどを時々まとめ買いしました。その後銀座側・日比谷側両方にビルを建てるほどの隆盛を誇ったものですが、時悪くその頃からヨドやビック・ヤマダの攻勢がはじまり…。
Posted by 下新庄3丁目 at 2014年04月05日 23:32
キムラヤは、もう二十年以上前、発売されたゲームが売り切れの時に、良く見に行きました。少し他より高いのですが、まだ残っている可能性に賭けたのです。それにしても、あの交差点の光景が変わるのは、ちょっとさびしいですよ。
Posted by 古ツア at 2014年04月06日 20:57
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