2014年05月03日

5/3 第16回 一箱古本市 二日目

今年も南陀楼綾繁氏より、一箱古本市のプレゼンターを仰せつかったので、定例の賞品である招き猫を背負って、まずは根津を目指す。中央線千代田線共にダイヤが乱れているが、午前十一時過ぎに到着し『不忍池方面改札』から、すでに多くの観光客で賑わい、夏のような日射しの地上へ上がる。

11:10 タナカホンヤの三箱。「つぐみ文庫」さんに先日のタレコミのお礼を言い、「悪い奴ほどよくWる」さんに挨拶。「蜻蛉行」さんでは手に取ったカラス本から、カラス談義に花を咲かせる。

11:25 根津教会の六箱。「人力旅人の本箱」さんの毎年決して揺るがぬ、人力旅にこだわる頑さに大いに感心。いつも「フォニャルフ」のお客さんとして会っていた「多摩や」さんは、良書を安値で販売するナイスなトランクを開いている。教会の100均机で、オーシャンライフ社「太平洋一直線/戸塚宏」を見出して購入。事件を起こす前の、栄光の軌跡本である。

11:35 ツバメブックスの二箱。「ゆず虎嘯」さんは、カバンにパンパンに詰めた絵本が、凶悪に鋭角。「Tweed 書房」さんは、男性ファッションを核にまとめた箱であったが、一冊だけ違和感満点のロマン・ブックス「誰にも出来る殺人/山田風太郎」を抜き出してみると、何とこれが『T蔵書』で、しかもお値段しっかりの千円!一箱でT蔵書と出会うのも運命かと、悩んだ末に購入する。

11:50 COUZT CAFEの四箱。「ミゥ・ブックス」さんは雑多だが魅力ある詰め込みを見せている。「幻影文庫」さんはミステリ・古本関連・哲学をマニアックに強烈に揃え、ほとんどプロ店の様相なのだが、とても安いっ!河出文庫「鮎川哲也名作選」「島久平名作選」を計1000円で購入。「文庫善哉」さんは、食と植物と女性を飾った、古本生け花のようなディスプレイ。こけしやのクッキーをもりもりいただく。

実は明記している以外にも、何冊も購入してしまっており、すでに予想外に本を買い過ぎてしまっていた。小銭と千円札を早くも使い切ってしまう。慌てて手近な薬屋に飛び込み、歯ブラシを一本買って一万円札を細かくする。

12:10 ギャラリーKINGYOの三箱は、横並びに何だか優しげな箱造りが連続している。

12:15 喜多の園の二箱。「旅猫書房」さんと「ドーナツブックス」さん共にアトラクション率高しなのだが、「喜多の園」さんに呼び込まれ古本談義。相変わらず売りたくない本が多過ぎである。

12:18 往来堂書店の二箱。「古本T」さんの『ストーンズ本が見向きもされない!』の嘆きに、哀悼の意を表明する。

12:31 コシヅカハムの六箱。「mondo books」さんに挨拶し、渋過ぎるヨンネ豆文庫「堀切橋の怪異/田中貢太郎」を1500円で購入。同じ並びのカエル本専門箱「かわず」さんと生き物の絵本が多い「つきとかえる」さんの“カエルコンボ”に感心(同じお店かと思った…)。「脳天松家」さんでは、この日のためだけに作ったオリジナル名刺を拝受する。

12:36 リカーズのだや向かいの三箱。「ユウマリ堂」の田中小実昌文庫コレクションに、目がハートマークになる。

12:43 戸野廣浩司記念劇場の四箱。「忘日舎」さんの薄暗がりでの硬い並びに背筋を伸ばし、「こなつ堂」さんの柔軟で懐がたっぷり深い壷庭的箱造りに大いに魅せられる。「とみきち屋」さんは、もはや何も言うことはない圧巻安値の一箱王者の風格&品揃え。本を照らすミニLEDライトの配慮は秀逸であった。

12:54 ビアパブイシイの二箱。「JUNGLE BOOKS」さんの“神括り”に目を瞠る。このテーマなので本当は根津教会前に出したかったとの言葉に、さらにのけぞる!

13:00 古書ほうろうの七箱。「四谷書房」さんの堅実なパラフィンの波に乗りつつ、「ちのり文庫」のホラー!恐怖!怪奇!土着!不安!不思議!のクオリティの高さに、ホーッとため息。ほうろう内にも突入し、新潮文庫「貴族の階段/武田泰淳」を315円で購入し、店主・宮地氏にご挨拶する。近くの『サミット』でパンとビールを買い、坂上の公園で昼食を摂る。雀とアリにパン屑をお裾分けし、子供たちが元気よく跳ね回るのを眺めながら、不審者よろしくビールを喉に流し込む。

13:55 ルートを逆にたどり、二巡目に入る。もはや本を買うと言うよりは、何だか挨拶回りをしている気分。

14:20 しかしコシヅカハム前の“本の本”括りで箱造りをしていた「鴉鷺工房」を覗き込むと、硬めな本ばかりの間に、さっきは無かった一冊が!おぉ!「月の輪書林古書目録十三 特集「李奉昌不敬事件」予審訊問調書」だ!聞けば500円の破格値なので、勇んで購入する。…読むぞ〜!

14:40 さらに再びの「幻影書房」で新感線文庫「金田真一耕助之介の冒険」を400円で購入。

15:19 スタート地点のタナカホンヤにたどり着き、逆打ち終了。トコトコ坂を上がって『谷中霊園』内の公園に陣取り、この文を必死に書き連ねる。

18:00 プレゼンターとして表彰式に出席。私の一位は二周目で月の輪書林目録を授けてくれた「鴉鷺書房」。たとえ一冊の本だけでも、このような喜びを与えてくれたお店には、やはり最大の感謝を捧げたい。二位は「こなつ堂」で三位は「多摩や」と「Tweed 書房」とした。「幻影書房」も選びたかったのだが、ちょっと凄過ぎたので天の邪鬼に選外。どうやら私は、奇妙な本との出会いをさせてくれたお店か、安値&良書のお店を選ぶ傾向にあるようだ…。

出店者のみなさま、助っ人のみなさま、主催者のみなさま、おつかれさまでした。
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posted by tokusan at 21:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わぁ、第3位光栄です!有難う御座います。とっても嬉しいです。

T蔵書当初はあまりの違和感に出すつもりはなかったのですが、何かお客さんとの話のきっかけになればなぁと思い、さらにこの奇妙な本は1000円なら買わないだろうしと決断し、出してみたところ、古ツアさんに出会ってしまうとは、、、売り上げになり嬉しい反面、自分のところに留めないで流通させてしまい軽率だったなぁと誠に申し訳なく反省しております。
しかしながらお会いできてうれしかったのと、お買い上げ頂いた事実を嬉しく思っています。有難う御座いました!!!
Posted by decoy(Tweed書房) at 2014年05月04日 19:50
こちらこそ面白い本をありがとうございました!あんな出会いがあってこその古本探し。decoyさんが迷いつつも並べてくれたおかげです。人の手から手に渡ってこその古本…念じていれば、いつの日かまた手元に戻って来るかもしれませんよ!
Posted by 古ツア at 2014年05月05日 19:41
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