2015年02月01日

2/1静岡・静岡 古書 壁と卵

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昨夜は戦場のような過酷な写真撮影に従事して、疲弊。寒い今朝、布団から重い体を引き剥がし、この疲れを癒すには古本を買い漁るしかないはずだと、東海道線で西へ下る。青空の三倍濃い青のきらめく海面を眺めて、去年の梅雨の晴れ間以来の静岡駅。こっちの方が少しは温暖なのかと思っていたら、変わらぬ寒さが身にしみる。北口に出て、デッキのようなロータリーを、地下道には入らずに、線路沿いに南西に向かう。そして『国道1号』の東海道に出て、さらに真っ直ぐ南西へ歩き続ける。駅前の繁華街はすぐに遠退き、人影の無い車ばかりの幹線道路をひたすら進む。駅から一キロ弱、『天王町交差点』を越え、次の『吉野町交差点』で北西に進路を採る。街は静けさを増し、低い家並が広がっている。テクテクと人に出会わずに『駒形通り』の交差点に到達。東側を見ると、閑散とした、商店らしきものが途切れ途切れに続く商店街らしき姿があり、この辺り特有の歩道に架かるトタン屋根がポツポツとつながっている。交差点脇のお店にもその屋根が架かっており、そこが小さく静かな古本屋さんであった。まずその鄙びた佇まいに歓喜を覚える。シンプルな店名が入る簡素なサッシの前には、墨痕鮮やかな立看板・額・雑誌箱・全集壁などが広がっている。戸をスラッと開けて中に入ると、棚の肉迫する小さな店内。左はキレイに組まれたボックス壁棚で、真ん中には背中合わせの本棚と両脇も本棚で固めた四面棚があり、右は壁棚。そして奥がカウンター帳場と一本の本棚と、回すのにかなりの力がいる回転式本棚で構成されている。店主の姿はまだ目視出来ない…。入って直ぐの正面は100均の文庫&単行本&コミック&雑誌棚。右に進むと壁棚は、椎名誠・東海林さだお・小泉武夫・嵐山光三郎・玉村豊男・開高健・池波正太郎・山口瞳などに分かれているが、これはほぼすべてが食関連の本をセレクト!異様なこだわりをヒシヒシと感じ取る。奥には水木しげる・旅・村上春樹が集まっている。向かいには食全般・ガイド・静岡・建築・言語。奥へ進んで回転式本棚を力一杯回してみると、そこには吉本ばなな・長嶋有・奥田英朗などの現代日本作家がたっぷりと詰め込まれていた。頭上の壁には岩合光昭の猫写真オリジナルプリントあり!カルチャー雑誌棚と寺山修司・吉本隆明・サブカル・オカルト・現代社会棚が向かい合う極短通路を過ぎると、下にCD棚があり、カウンター上にミニ四駆の箱が積み上がった帳場にたどり着き、ここでようやく店主と対面する。田宮模型のロゴステッカーが貼られたガラス障子を背にして、浅野いにお漫画キャラ風の青年店主が、ここで初めて「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。左側通路は、壁棚に和洋写真集やアート関連が存在感たっぷりに並び、平台には古い映画雑誌や薄手の古パンフレットが積み重なる。それに動物本が棚下に揃っている。向かいには写真カメラ関連と、手塚治虫が多く集まる。不思議なこだわりが満ちた古本屋さんである。何がどうなったら、写真集・食・旅・手塚治虫が尖るのか、その興味は尽きない。値段は普通。角川文庫「雨に濡れた舗道/リチャード・マイルス」(カバー無し)創元推理文庫「寝台車の殺人/セバスチアン・ジャプリゾ」を割引フェアの一割引で購入する。

そのまま勘に頼って街を彷徨えば、しっかりと「太田書店 七間町店」(2014/06/16参照)のある街角に到着し、賑わう店内を楽しんで三冊ほど買い込んだ後、「あべの古書店」(2012/12/27参照)に向かおうとするが、今度は方向感覚を見事に失い、ありゃりゃりゃ駅前に来てしまった。仕方なく「あべの」は諦めて、「栄豊堂書店古書部」(2010/05/04参照)と「水曜文庫」(2013/01/24参照)に立ち寄り、一冊ずつ購入。「水曜文庫」店主の市原氏が私のことを覚えていて下さり、感激の後恐縮。近辺の古本屋さんの話や、最近開いた古本市イベントのお話しなどうかがう。静岡の古本屋さんが、力を合わせて奮闘しているようで、実に頼もしい限りである。東海地区にこれからも濃厚な古本を!再会を約してお店を後にし、まだ午後四時だが開いているかな?と南口の「一冊萬字亭」(2013/03/02参照)にも足を延ばしてみる。やった、開いてる!いつものように誰もいない店内に飛び込み、棚や本タワーを凝視物色する。さりげなく所々で本が入れ替えられていることに驚きつつ、ロマンブックス「飛田ホテル/黒岩重吾」文華新書「失踪/高木彬光」講談社少年少女世界探偵小説全集5「金色のわしの秘密/クイーン」(裸本)あかね書房「ドラゴンプールの怪事件/S・S・バンダイン」ポプラ社「獅子の爪」「王冠の謎」共にドイルで昭和四十年代山中版ホームズ、毎日新聞社「正伝 昭和漫画/寺光忠男」を計1460円で購入する。おかげで疲れがだいぶ吹っ飛びました。
posted by tokusan at 22:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
静岡のコバヤシ古本が、店内の本全品100円の閉店セールをやっています。閉店の理由は店主の病気で、体が思うように動かせないそうで、とても辛そうでした。「もう少し本が売れればこれでも続けたいって思うのに、全然売れないから…」という店主の言葉に涙を堪えて店を後にしました。
Posted by W.O.K. at 2016年01月12日 01:49
情報ありがとうございます。そ、それは寂しいコメントですね。全品100円ですか。あのお店なら、遠慮せずにガシガシ掘り出してみれば、何か出て来そうな気配が満点ですが…。
Posted by 古ツア at 2016年01月13日 17:39
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