まずは京成高砂駅で降り、北口に出て駅前通りを心細く歩いて行く。最初だが、これが本日のクライマックス。一番存続が危ういと思われる「小野本書店」(2011/06/22参照)を目指している。あの、建物の隙間に存在するような、巻き上がったシャッターが無惨に剥き出しで、通行人が一瞥も加えない、か細いお店。棚の本は完全に時間が停まり、奥の帳場で店主が横になって、死人のように昼寝していたお店。いやぁ、あんなお店はさすがにもう…ふぉう!ある!ちゃんとあるぞ!細いけどあるぞ!と大喜びし、すぐさま薄暗い店内に身を滑り込ませる。
※四年前と寸分変わらぬ写真のようだが、間違いなく本日撮影したものである。
うひゃぁ、相変わらず日に焼け埃を被った本のオンパレード…でも、ちゃんと開いている。おぉ、以前は左側にあった帳場が、正面奥に移動している。そこで店主が、かなり明度の低い中、文庫本を読みふけっている…おそらく、電気代を節約しているのだろうな…。こうなったら、2020年の東京オリンピック時にも、変わらず営業してくれていることを念じつつ、新書館「もののたはむれ/松浦寿輝」集英社文庫「タカラヅカグラフィティ/橋倉正信・武田武彦編」春陽文庫「社員武士道/竹森一男」を計300円で購入する。
続いて青砥駅に移動し、青砥銀座の奥にある「竹内書店」(2009/08/25参照)を求めて歩く。うむ、元気に現役感一杯に営業中だ。これは、消息を心配したのが失礼になるほどの、以前と変わらぬ立派な古本屋さんである。激安というわけではないが、東京の中心より安値の良書が目につく端正な店内をうろつき、日本古書通信社「探偵作家追跡/若狭邦男」を900円で購入。
さらに一駅移動して、今や呑み助の聖地と化した感のある京成立石。昼間から開いている飲み屋の罠を切り抜け切り抜け、たどり着いたのは「岡島書店」(2010/02/02参照)。今でも古本市では時々お店の本を見かけるが、店舗に来たのは本当に久しぶりである。しかし確固たる姿勢を保ち、自然科学や武道、江戸東京落語を充実させ立派に営業中なのであった。尋ねたお店がすべて営業していた、今回の落胆のない小さな旅は、清々しい達成感と、小さな古本屋さんがまだまだがんばり粘る麗しい姿を、見事に味わわせてくれた。大いに感謝しつつ光文社文庫「海外ミステリー作家事典/森英俊編著」を500円で購入する。

