2015年06月14日

6/14新店の当てが外れて京成線三店の消息を尋ねる

地下鉄東西線車内。盛林堂ミステリアス文庫新刊「印度の奇術師/甲賀三郎」(新聞記者・獅子内シリーズ)を、表紙の茂田井武にシビれつつ、ズルズルと読み込みながら、怪奇な事件の起こった七十三年後の東京の地下を疾走し、千葉の地上に顔を出す。妙典駅からテクテク歩いてたどりついた住宅街の中の新店は、シャッターを下ろしてグッスリとお休み中であった。微かに、遠くの見えない海の気配を感じ取りながら、考える…私ももう長年古本屋ツーリストとして過ごして来ているのだ。動じずに、次へ進もうではないか!と駅へ急いで戻り、西船橋まで行き着いて、ちょっと歩いてここらではローカル感満点の京成線のシートに腰を落ち着ける。東京の端っこで静かに古本屋を営んでいた京成線沿線三店の消息調査に、計画を変更したのである。

まずは京成高砂駅で降り、北口に出て駅前通りを心細く歩いて行く。最初だが、これが本日のクライマックス。一番存続が危ういと思われる「小野本書店」(2011/06/22参照)を目指している。あの、建物の隙間に存在するような、巻き上がったシャッターが無惨に剥き出しで、通行人が一瞥も加えない、か細いお店。棚の本は完全に時間が停まり、奥の帳場で店主が横になって、死人のように昼寝していたお店。いやぁ、あんなお店はさすがにもう…ふぉう!ある!ちゃんとあるぞ!細いけどあるぞ!と大喜びし、すぐさま薄暗い店内に身を滑り込ませる。
onomoto15.jpg
※四年前と寸分変わらぬ写真のようだが、間違いなく本日撮影したものである。
うひゃぁ、相変わらず日に焼け埃を被った本のオンパレード…でも、ちゃんと開いている。おぉ、以前は左側にあった帳場が、正面奥に移動している。そこで店主が、かなり明度の低い中、文庫本を読みふけっている…おそらく、電気代を節約しているのだろうな…。こうなったら、2020年の東京オリンピック時にも、変わらず営業してくれていることを念じつつ、新書館「もののたはむれ/松浦寿輝」集英社文庫「タカラヅカグラフィティ/橋倉正信・武田武彦編」春陽文庫「社員武士道/竹森一男」を計300円で購入する。

続いて青砥駅に移動し、青砥銀座の奥にある「竹内書店」(2009/08/25参照)を求めて歩く。うむ、元気に現役感一杯に営業中だ。これは、消息を心配したのが失礼になるほどの、以前と変わらぬ立派な古本屋さんである。激安というわけではないが、東京の中心より安値の良書が目につく端正な店内をうろつき、日本古書通信社「探偵作家追跡/若狭邦男」を900円で購入。

さらに一駅移動して、今や呑み助の聖地と化した感のある京成立石。昼間から開いている飲み屋の罠を切り抜け切り抜け、たどり着いたのは「岡島書店」(2010/02/02参照)。今でも古本市では時々お店の本を見かけるが、店舗に来たのは本当に久しぶりである。しかし確固たる姿勢を保ち、自然科学や武道、江戸東京落語を充実させ立派に営業中なのであった。尋ねたお店がすべて営業していた、今回の落胆のない小さな旅は、清々しい達成感と、小さな古本屋さんがまだまだがんばり粘る麗しい姿を、見事に味わわせてくれた。大いに感謝しつつ光文社文庫「海外ミステリー作家事典/森英俊編著」を500円で購入する。
posted by tokusan at 19:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「古書肆スクラム」ですよね?私も昼過ぎに行って、トボトボ引き上げました。twitterで、尋ねたところ、平日、8:30〜5:30の営業だそうです。
Posted by 黒猫太郎 at 2015年06月15日 07:04
というわけで本日突撃して参りました。それにしても、同日にほぼ同じ行動をとっていたとは…自分で言うのもなんですが、あんなところまで古本を見に行くとは、スゴいです!
Posted by 古ツア at 2015年06月15日 20:33
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック