ここからは、戸越公園駅と戸越銀座駅を勘違いしてしまい、歩いて武蔵小山まで行こうとズンズン西に進んで行ったら、見たこともない商店街の奥地へ奥地へと入り込んでしまう。この辺りは、長く巨大な地元商店街が、網の目のように、蜘蛛の巣のように、つながり合っているのだ。ちょっと焦りはしたが、まぁ最終的には何処かの駅にたどり着くだろうと、楽観して歩き続ける。二十分ほど歩くと、見覚えのある商店街に差し掛かるより前に、「源氏書房」(2009/04/16参照)を発見し、己の位置をようやく把握する。中に入って古本の匂いを嗅ぎながら少し涼み、日本文芸社「幽玄と怪異の奇譚18話/福馬謙造」白鳳社「西條八十詩集」を計500円で購入する。
暑さが体力と思考を削り取って行く。しかしまだまだそのまま商店街を西進して行くと、旗の台駅近くの「みやこ書房」(2009/04/17&2013/10/03参照)がさらに古本屋さんから離脱し、リサイクルショップだけでは飽き足らず、何でも屋まで始めていることを知る。…このお店は、いったい何処に向かっているのだろうか。その迷走性は、「ドエル堂」(2013/08/20参照)に比肩する気が…。
電車を乗り継いで武蔵小山で下車。もちろん向かうは「九曜書房」(2009/03/26参照)なのだが、ついこの間読了した田中小実昌「イザベラね」で、今歩いているこの高校のグラウンド脇の細道が、コミさんも通ったこの先にかつてあったストリップ劇場への道のりであることを知り、多少興奮しながテクテク。しかし「九曜書房」はお休みで、せっかくの興奮も急速に醒めてしまう。
疲れた足を引き摺って阿佐ヶ谷に帰り着き、帰り道途中の「銀星舎」(2008/10/19参照)で小休止。創元推理文庫「人生の阿呆/木々高太郎」を800円で購入しつつ、ダンナさんと坂戸の古本屋話。何とあの「BOOK ONN」(2009/07/19参照)を知っていたので「あのお店、『坂戸店』てありましたが、他もお店はあったんですかね」と聞くと「ないでしょ」と即答。スッキリしました!
お知らせひとつ
京都の老舗リトルプレス「ぎをん No.223夏期号」に『祇園の路地奥の古本屋』なる一文を寄稿しました。祇園の街をさまよいながら、最終的に深部の古本屋さんをツアーしています。祇園のお茶屋さんに置かれているそうなので、どうにかしてお手に取っていただければ幸いです!

