行き先は郊外のリサイクルショップなので、今日くらいは空振りしてもまぁいいだろうと、優雅な心持ちで灼熱の秩父山脈の足元を、八高線に乗り高麗川駅下車。小さな改札を抜けると広々とした駅前。高い建物は見当たらない。線路沿いに北に進んで、最初の踏切で四本のレールを跨いで東へ。スナックや飲み屋が目立つ住宅街をウネウネと進み、鮮やかな緑のイガが防御力高めな栗林を眺めて、やがて『市役所通り』。そこを北に300mほど進むと、大きな『R』の文字が目立つ妙な形状の建物が見えて来た…果たして古本は…。緩いスロープになった駐車場を横切り、洗車をするお店の人らしき女性を横目に、昼なお暗い店内へ。すると目の前にいたのは、暑さにうだり通路に横たわった白&アジ虎のスマートな猫!うぉっ、かぁいいな、としゃがみ込んで、逃げない人なつこい猫を撫でまくる…むっ?お前、サマーカットされているな?感触が妙に肉っぽいぞ!「ニャァァァァァァァ〜」とさんざんコミュニケーションし、ようやく店内の探索に移る。中央の空っぽの帳場を中心にして、左右に縦の通路が配置されているが、奥行きは意外にない。右側に家電・家具・ペット関連が集まり、左に文房具・雑貨・道具・玩具・懐かし系玩具が集まり、中央に古道具やアンティークが固められている。そしてその奥に四畳半ほどの小部屋があり、レコード(LP&EP)・ビデオ・アダルトビデオ・カセットテープ・CD・DVDが集まっている。レコード棚の下に、外タレツアーパンフや文庫セットなどの古本をようやく発見するが、レコードなどに比べあまりに貧弱な品揃えに、がっくりと肩を落とし、最後に猫をひと撫でふた撫でして、まだ洗車中の女性に会釈して、表に逃げ出す。…やはり冴えない結果になってしまったか…これではただ。猫を撫でに遥々来ただけではないか。

というわけで、お店の写真より猫の写真を掲げておきます。
獲物なく寂しく帰り道をたどっていると、往きには気付かなかった『ポッポ道』という名の、アスファルトに二本のレールが埋め込まれた直線道の脇道を発見する。入口にある案内板を読むと、『太平洋セメント』が石灰石を運び出すために使っていた、引込み線跡地らしい。ならばこれを素直にたどれば、当然高麗川駅に苦もなく着けるはずだなと、テクテク歩き始める。すると道沿いには、鉄道の遺構や踏切までもが残されているので、ちょっとだけ己が鉄道自身になった気分を味わう。秩父山脈から、ゴロゴロと遠雷が響いて来る。

帰りに飯能で、恐ろしく連続で光る稲妻と豪雨に襲われつつ、古本ナシの無聊を慰めるため、「文祥堂」(2009/12/28参照)に立ち寄り、扶桑社文庫「加田玲太郎全集/福永武彦」宝文館「植物学九十年/牧野富太郎」(裸本)を計800円で購入する。
posted by tokusan at 18:36|
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