2015年10月08日

10/8夜の古本屋、矍鑠とした老作家、ヨコハマ古書まつり

昨日でいよいよ二冊の単行本制作作業が無事に終了!終盤の編集者さんとデザイナーさんの奮闘に喝采を送り、後は本が出来上がって来るのを待つばかりとなる。夜に飲み打ち合わせのために外出し、その前にすっかりご無沙汰の池尻大橋「江口書店」(2010/03/29参照)の明るい蛍光灯に吸い込まれ、天然社「船は生きてる/須川邦彦」スポーツ興國同盟「野球興國譜/服部喜久雄編著」(昭和二十五年発行の日本野球の歴史本。拾い物!)を計1000円で購入する。お店を出て振り返ると、蛍光灯の白い光は、意外にも暖かく路上のアスファルトを照らし出していた。
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そして本日は、午前からミステリ評論家の新保博久氏と「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と外出し、一昨年に開催した『古本屋ツアー・イン・ジャパン・ツアー・イン・ヨコハマ』(2015/12/23参照)から生まれた奇妙な縁でつながった、小説家・翻訳家・ジュブナイル作家の野田開作氏を表敬訪問する。一部では物故したと思われていたが、実は現在九十五歳でご存命なのである!お会いした氏は、実に聡明で矍鑠としており、三時間ぶっ通しで小説家としての過去から、現在までの半生を語り倒すほどのパワフルさを兼ね備えていた。三名とも、ただただ傾聴するしかなく、圧倒されっ放しとなる。中でも昭和三十〜四十年代のジュニアミステリ&SF界の裏事情などは、かなり貴重な証言であった。最後に新保氏と共に、持参した氏の著作に署名をいただき、大感激する(新保氏が署名してもらった本は、氏が子供時代に買い求め、補修を重ねながら保存していた偕成社「地球さいごの日」!そんな心暖まる光景にもまたまた感激!)。というわけで偕成社「名探偵ホームズ8 白銀号事件/野田開作 原作ドイル」が、とても素晴らしい本と化す!
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野田センセイ、ありがとうございます!いつまでもお元気で!

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すっかりのぼせ上がった三人は、帰りに関内で途中下車し、今日から開かれている『有隣堂』別館二階の「第39回ヨコハマ古書まつり」に雪崩れ込む。珍しくフォーマルな「中島古書店」さんに挨拶をし、ワゴン二十五台とガラスケースと大きな平台島で出来たL字型の会場を精査する。古書と紙物が多く刺激的で、欲しい本がたくさん見つかり、古本心が大いにときめいてしまう。「古書リネン堂」が古めかしいもの中心主義で、古書・雑誌・小冊子・小型本・紙物を特に輝かせている。「中島古書店」も気合いが入っており、ガラスケース内の稀少な詩集に見とれてしまう。色々悩んだ末、「橘書房」(2010/11/08参照)で発見した、少しへたっているが1000円の近江屋書店「記者探訪 裏面の東京 戦慄すべき暗黒面の暴露」と共に、「一心堂書店」で見つけた太陽閣「支那人街/四至本八郎」の名前にピンと来て、裸本だが1295円で迷わず購入する。この四至本八郎は、大伴昌司の父で国際ジャーナリスト。世界各地に存在する不可思議の別天地チャイナ・タウンの秘密に挑む、日中戦争開戦当時の本である。そんな獲物を抱えて夜に帰京し、それぞれの釣果を見せ合う古本打ち上げで、一日の疲れを癒す。まつりは十一日(日)までである。
posted by tokusan at 23:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログ拝見させていただきました尾竹国矢と申します。
文中に登場する作家の野田開作様に関して、はじめてのコメントにてたいへん僭越ですが、お願いがありまして、連絡させていただきました。

私の祖父( 尾竹二三男といいます )は野田開作様と大学時代以来親しくさせていただき、祖父が50才を前にして他界した後、野田様には私の父の進路の面倒にとどまらず、のこされた家族の面倒をみていただきました。

私は一度も野田様にあったことはありませんが、ぜひ一度今までのお礼を言いたいと思っています。
お礼については数年前から考えていたことですが、辿るあてがわからないことに甘えて、行動を起こしていませんでした。野田様が今、ご存命かどうかも存じていません。

もし野田様の連絡先をご存じでしたら、教えていただけないでしょうか。

以上、不躾な内容と思いますがご連絡いただければ大変幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

尾竹 国矢
Posted by 尾竹国矢 at 2017年11月12日 14:36
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