2015年12月31日

12/31栃木・東武宇都宮 第65回東武古書の市

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青春18きっぷを使い、北に向かう。ついに2015年の大晦日である。大宮を過ぎると、途端に車内の底冷えが厳しくなる湘南新宿ライン。東側の窓から飛び込む透明な午前の光が、手すりの銀に反射して、冷気に煌めきを与えている。二時間でJR宇都宮駅に到着する。西口に出て、西に真っ直ぐ延びて行く『大通り』を進む。大きな地方都市は、すでに大半のお店がお正月休みに突入しており、賑やか過ぎる東京では最近それほど感じられない、年越し特有の静けさと寂しさに包まれている。1.5キロを早足で歩き抜き、東武宇都宮駅をその胎内に内臓する『東武宇都宮百貨店』にたどり着く…JR駅からはかなり遠い。暖かく大きな百貨店内に滑り込み、エスカレーターで五階へ向かい、さらにイベントスペースを目指して進行する。すると賑わいの奥の、ちょっと大きめの通路的な場所に、古本ワゴンが縦列して集まっていた。天井からは市の看板や、参加十二店の看板が下がっている。その下におよそ七十のワゴンが整然と並び、三本の長い通路を造り出している。各ワゴンには上部と下部共に木箱が積み上がり、立体的に古本を蔓延らせている。日光栃木関連や歴史戦争人文が目につくが、もちろんそれ以外の雑誌・絵本・漫画・美術・文学も幅を利かせている。古い紙物や和本の「フロスト堂」はなかなか刺激的。しかし結局は「利根川古書店」(2015/08/28参照)と「かぴぱら堂」の古書類にハートを掴まれる。向かいで行われている『プラレールフェスティバル』のBGM、鉄道アイドルソングに延々攻撃されたり、奥の通路では生魚の割烹的匂いが漂って来るのはご愛嬌。イベントスペースの、壁の薄さ故の宿命なのである。講談社「花嫁人形/蕗谷虹兒」(裸本)東京文藝社「電光石火の男/城戸禮」双葉社「怪奇探偵小説集/鮎川哲也編」小学館入門百科シリーズ「名探偵入門/加納一朗」学研美しい十代新年号付録(昭和36年)「長編推理小説 灰色の長い影/唐沢道隆」を計2600円で購入する。市は明日元日はお休みで、五日まで。
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今日の心の収穫はこの二冊。「花嫁人形」は蕗谷の署名落款入り。雑誌付録のナゾの推理小説は、とにかく読んでみないと分からない未知さが、火の点いた古本魂に油をビシャビシャ注ぐのです!

今年も一年を、古本屋さんと古本にまみれて駆け抜けて来ました。そして「野呂邦暢古本屋写真集」「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」の三冊を、様々な方の助力を得て出せたのは、一介の古本修羅にしては、上出来だったのではないかと、しんみり回顧しております。しかしすぐにも、もはや明日には来年がやって参ります。その瞬間から、似たような古本屋&古本まみれの一年を暮らすことになるのですが、それは必ずや今年とはまた違った一年となることでしょう。みなさま、また来年もよろしくお願いいたします。それでは良いお年を!良い古本屋を!良い古本を!
posted by tokusan at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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