2016年01月23日

1/23神奈川・伊勢佐木長者町 野球古書店 咲良本屋

sakurahonya.jpg
日ノ出町駅前から『横浜駅根岸道路』を南南東に下って行く。繁華で猥雑なビル街は、まるで新しい平成が、古い昭和に飲み込まれようとしているかのような、独特な土地の雰囲気を、昼間でも精力的に発揮している。大岡川を越え、『イセザキモール』を越え、『国道16号』を越え、大通り公園に至ると、そこには市営地下鉄『伊勢佐木長者町駅』の地上口。ここからさらに南南東に300mほど歩き、『長者町一丁目交差点』で西北西へ足を向ける。しばらくすると右手に、ロケットと着陸ポッドのイカした遊具が設置された『千歳公園』が現れるので、公園をナナメにザクザク横断して、一本北の裏通りに抜け出る。さらに西北西に進めば、左手大きなビルの一階に、明るい緑のテント看板を張り出した、野球古書専門店に出会うことが出来る。コメントタレコミで知ったお店である。寂しい裏道に古本屋さんの唐突感、そして野球古書という専門性が、微妙に足を竦ませる。だが、ガラスに貼られた長嶋のバッティングフォームに勇気を貰い、ガラス戸を引き開けて店内に入る…小さい。気持ちの良い、小ささだ。壁際に本棚、そして棚前にはラックや箱や小ワゴンが置かれ、通路スペースを不規則な形にしている。左奥に小さく狭いカウンター帳場があり、物静かな現役引退した野茂英雄風青年が座っている。それにしても本当に野球本ばっかりだ!入口左横の100均野球本二段ワゴンを見てから、そこに立ったまま奥の野球特集グラフ誌ラックと、セパ各球団広報誌がズラッと並ぶ棚を、ほへ〜っと臨む。帳場横のプロ野球選手名鑑と野球雑誌に視線を走らせ、奥の棚前にちょっぴり近付く。ジャンル外50均100均箱の向こうには、高校野球・大学野球・プロ野球・小関順二(スポーツライター)・メジャーリーグ・野茂英雄が収まっている。右壁には「number」などの野球を特集したスポーツ誌、それに野球関連の文庫と新書・長嶋茂雄・王貞治・野球漫画が並んで行く。入口右横の棚には、星野仙一・野村克也・原辰徳・落合博満・松坂大輔・イチローなどが勢揃い。小さなお店だが、それでも全部を野球本で埋め尽くされると、清々しいほどの意志の強さと野球愛が、遠慮呵責なく伝わって来る。古い本はほとんどなく、九十年代以降の本が中心だが、専門店なのに値段が安め〜普通なのは魅力的である。値段は本に書かれたり貼られたりしているのではなく、スリップ形式で挟まっている。講談社「早慶戦百年 激闘と熱狂の記憶/富永俊治」を購入する。

この後は『イセザキモール』に戻り、愛しの「なぎさ書房」(2016/01/10参照)を再度訪れる。閉店セール中の店内は、相変わらず賑わっており、棚はブランクなく補充がこまめに行われているようだ。恐らくここに来られるのは、これが最後となるであろう。…ならば、何を買うべきか…。店内をじっくり一巡して選んだのは、美術本棚最上段に場違いに挟まっていた、小山書店の少年少女世界文庫第十編「街の少年/豊島與志雄」であった。50%オフの2250円で購入する。三十年間、今まで本当にお世話になりました!

日ノ出町駅にいくばくかの寂しさを抱えトボトボ戻っていると、大岡川の手前で横浜市の公共掲示板に何気なく目が留まる。あっ!そこには、さっき訪れたばかりの野球古書専門店の宣伝ビラが、ルールを守って張り出されていた…渋い!なんと渋く奥ゆかしい宣伝方法なんだ。
posted by tokusan at 19:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日、年甲斐もなく息子とジェットコースターに乗った帰りに「なぎさ書房」へ寄って参りました。「安心して下さい。まだ開いてますよ。」てな感じで、店内に入り脳裏に焼き付けてきました。時は23日の午後。ひょっとするとニアミスしていたかも。閉める店あれば、新しい店も登場するのですね。こんなマニアックな古書店がイセザキにあったとは…。今度寄ってみようっと。
Posted by papayoyo at 2016年01月25日 21:18
勘違い。「なぎさ」に訪れたのはその1週間前でした。なかなか古ツアさんには会えませぬ。いずれ港文堂で。
Posted by papayoyo at 2016年01月25日 21:22
もしや息子さんも「なぎさ書房」に?親子で古本屋さんに入る…いいですねぇ。野球古書店も機会があればぜひ!そしていずれ「港文堂」さんにて!
Posted by 古ツア at 2016年01月26日 19:09
さすがに親子で「なぎさ書房」はないです。小6で「この本屋、渋っ」って言ったら怖いでしょ(笑)。娘の同級生には小6で草野心平に心酔していた男の子がいましたけど、現在高1の彼ならアリだったかもしれません。リンク先の記事にも書きましたが桜木町で家族と別れて私一人で。でも最後に良い買い物ができました。金沢文庫はよく出没する土地ですが、古本小屋へも時々寄ります。ナチス関連はなかなか硬い書物を置いてますね。かつて近所のユニオンセンターの傍にいい感じの古本屋が出来たのですが、すぐに無くなってしまいました。近くに大学もあるのですが、新刊書店もダイエー以外ほとんどなく、本好きには中途半端な土地ですね。
Posted by papayoyo at 2016年01月27日 22:19
ワハハハ、そうですか。いや、時には古本スパルタ教育を施すのも、良いのではないでしょうか。そう言えば京浜急行沿線には、かつて『古本ユニオン』みたいな名前のマイナーチェーンがあった気がしますが…。
Posted by 古ツア at 2016年01月29日 09:05
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック