2016年02月25日

2/25茨城・つくば 女子系古書部

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色々放っぽり出して、つくばエクスプレスで終点までの小旅行。月に数回しか不定期営業しない、現役なのにすでに幻であるかのようなお店を目指す。まずは駅南側のインフォメーションセンターでレンタサイクルを調達し、サドルをしっかり調整して、広く無機質で寒い街中へ漕ぎ出す。『県道244号』である『学園西大通り』をひたすら南下し始め、中心街を離れるとすぐに、小ビルと商業建築と集合住宅が余裕を持って建ち並ぶ景色が、ダラダラダラと続いて行く。漕いで漕いで、やがて左手に大きな『洞峰公園』が見える交差点に差し掛かる。そこを越えると、公園の向こうのビルの屋上に、天文台と球形の気象レーダーが見え始めたので、気分が高揚する。交差点から二つ目の信号手前で細い脇道に入り込んで南西に進むと、嘘のように開けた畑の中の一本道となり、またもや高揚。目の前には『産業技術総合研究所』の、低い金属柵に囲まれた恐ろしく大きな敷地が広がっていた。ここからはひたすらに、敷地沿いに西へ西南へとなぞるように進み続ける。ちょっと広めな道路と合流した所で、広大な畑を右にしてまだまだ先を目指すと、その右手に『小野川児童公園』が現れるので、すかさず西に入り込む。公園を過ぎるとそこは住宅街の端っこで、やがて右手の畑の間に、赤屋根の平屋で小さく可愛い山小屋風のお店を、無事発見する。駅からの所要時間は二十分強。それにしても、このお店の在り方はとても素敵だ。店前の植栽を回り込むようにして、ウッドデッキへの数段を上がる。木のドアとガラス窓、『GOOD BOOK GOOD LIFE』の立看板、台の上に置かれた店名看板。嬉しいことに軒からは『古本』の小さな吊看板も下がっている。金属製のドアレバーを下げて中に入る。暗い色調の木造空間で、軋む床板がわずかに明るい。入った所が小さな古本屋空間で、左右と奥に木製本棚やラックが展開して行く。右側の棚の向こうは『ミウコネアン』という器類を並べた空間になっている。入店の気配を察知したのか、奥の部屋へのカーテンが揺らぎ、木村多江風女性が「いらっしゃいませ」と顔を見せた。ホニャホニャと軟らかい音楽が流れている。入ってすぐ左には文庫・美術図録・エッセイ&ルポ系単行本が並び、その周囲や奥の壁ラックには絵本が飾られている。右には新書・図録・食・犬が並び、単行本やアート本がそれに続いて行く。奥の棚には、食・民俗学・思想・清貧・歴史・アート・詩・暮らし・地理などが集められている。新しめの本がメインで、冊数はそう多くないが、女子的に硬めな並びが、意外なところまで手を伸ばす感があり、一筋縄ではゆかぬ棚造りが面白い。その棚はそれほど好みではないのだが、自転車で見知らぬ土地を駆け抜けて、こんな意表を突く空間に出会うことになるとは、ツアー冥利に尽きる体験であった。値段は普通。「すみません」とカーテンの向こうに声をかけて精算すると、店主が勇気を持っておずおずという感じで、「普段あまりお店を開けていないのですが、こんなイベントに参加します。色んなお店も、出ます!」と、三月末に参加するという『御殿まるごとマーケット』のちらしをいただく。光文社知恵の森文庫「幻の時刻表/曽田英夫」を購入する。

表に出て、お店を振り返り、改めて畑の中の素敵なロケーションを堪能する。駅にエッチラオッチラ引き返し、せっかくなので北側に突き抜けて、学術的に硬い「学園都市古書センター」(2010/05/26参照)を訪問。朝日文芸文庫「十字街/久生十蘭」冬樹社現代作家入門叢書「埴谷雄高」福山書店「美術大講座 圖案科 5 装飾美術史」(今和次郎も執筆しており、函付美品で100円!)を計650円で購入する。
posted by tokusan at 19:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
つくば周辺はバスがあるものの非常に移動が不便そうなイメージがあるのですがレンタサイクルはいいですね。実は千代田区にもあったはずですがまるで普及していません。それにしても愛想のいい木村多江さん、ぜひお目にかかりたいと思ってしまう初期高齢者です^^;
Posted by デカダン文庫下得意 at 2016年02月25日 20:20
あぁ、やっぱり注目するのは、そこなのですね。ぜひ数少ない営業日を確認して、いざつくばへ!
Posted by 古ツア at 2016年02月26日 20:27
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