2016年04月05日

4/5群馬・国定 エイト

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小山駅で両毛線に乗り換えると、穴蔵のようなホームの片隅には、去年閉店した立食い蕎麦屋の簡素な店舗が、まだ残っていた。碗を受け取ると、蕎麦の匂いとともに湯気が立ち上がる両手の中を思い出し、ボタンを押して電車に乗り込む。揺れる車体で、とても春とは思えぬ曇天下の北関東を東西に横断し、伊勢崎駅のひとつ前で下車。駅前に、駐車場と駐輪場と自動車屋しかない、小さなロータリー。目の粗いアスファルトの上をトボトボ歩き始め、まずは線路沿いに西南へ。踏切脇の『この先大型車両通り抜けできません』と看板のある小さな道に入ると、カーブ途中の街道と合流する。その先の、今度は頭上に『県立精神医療センター』と案内のある道に入り、西へ。約200メートルでたどり着く、大きな敷地の『県立精神医療センター』の桜並木と前庭は、まるで映画のワンシーンように隙無く美しく存在していた。そこを過ぎると、黒土の畑と工場と農家と住宅が立ち現れ、時折この地方特有の長い並木のような防風林が、道にクロスする。医療センターから1.3キロも来れば『市場町2丁目交差点』。ここから、だれもいないスロット店や焼肉屋、風俗路面店などを眺めながら300mほど南に進むと、左手に『ソニックランド』と掲げられた、明らかに元パチンコ店な巨大店舗が、ぬぬっと姿を現す。広い駐車場前には『焼きまんじゅう・焼きそば』の幟がはためき、建物の右横っ腹には確かにその販売所が付属している。しかしメインは古本やDVDを商っているはずなのである。ウィンドウには主婦向け&子供向けのメッセージが多数貼り出されているが、一番気になったのは『家族で楽しむ♪陸水空ラジコン』…確かに楽しそうだ、ラジコン一家…。広いエントランスに入り、天井が高くさらに広い店内に進むと、客の姿の皆無な空間に、電子チャイムの音が虚ろに鳴り響く。すると左手から、エプロン姿の会社役員風壮年男性が現れ「いらっしゃいませ」とバリトンボイスを聞かせてくれる。目の前には、高い白木の棚が横向きに林立している。左はおもちゃ・雑貨・帳場ゾーンで、右側は壁も含めて古本ゾーンとなっている。だが、そのほとんどが面陳の女性向けムック・ビジュアルムックで、惑わすように雑誌・漫画雑誌・ビジネス書・エッセイ・ゲーム攻略本・バーゲン本・絵本が紛れ込んでいるのである。左手にはコミックばかりがしっかりと集まっている。奥へズイズイ進んで行くと、右寄り五本目の通路に単行本&文庫通路をようやく発見。小野田少尉・有吉佐和子・歴史・ラノベ・ちょっと古めの日本文学文庫・五木寛之・山手樹一郎・松本清張・吉川英治・司馬遼太郎などなど。さらに奥には大量のシングルCD面陳棚と、またもやムック&LPレコードラックが続く。それに、奥の広大なアダルト空間入口周りには、アダルト序章的なソフトな本が集められている。ムックに物凄く力を入れた、珍しいお店である。何故こんなにもムック本を、ひたすら丁寧に執拗に面陳しているのだろうか。それは奇観と言って良いほどの、ある意味非効率な光景なのである。値段は安め〜普通。講談社「妹たちのかがり火 戦死した兄さんを悼む/仁木悦子編」(兄を戦争で失った妹たちの文集、筆者のひとりの献呈署名と、重い手紙が挟み込まれていた…)を購入する。
posted by tokusan at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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