改札外の高架下で立食い蕎麦を啜ってから、ちょっと潮の引いた大岡川を、涼風に撫でられながら渡る。『イセザキモール』の西部に入り込み、まずは「博文堂書店」(2011/02/19参照)で肩ならし。歳月社「幻想と怪奇」黒魔術特集・幽霊屋敷特集・現代幻想小説特集の三冊を計900円で購入する。古本エンジンをふかし始めながら、『イセザキモール』を6丁目→5丁目と東進して行く。そして5丁目が終わろうとするその時、「なぎさ書房」(2016/01/23&2016/01/10&2015/12/17&2010/04/21参照)跡地に本日新規開店したお店が、頼もしく視界に飛び込んで来た。何故だか、おめでとうという気持ちより、ありがとうと思う気持ちの方が今は強い。やはりどんな形であれ、「なぎさ書房」の生きた証が残っていることが、嬉しいのだろう。大きな日除けが覆う歩道の光景は、以前とさほど変わらない。大きな100均文庫ワゴンと単行本ワゴン、それに100均単行本棚。入口脇階段横の隠れ棚は、今は一冊も本は入っていない。「近代書房」(2008/09/07参照)から送られた祝い花と左端に置かれた店名看板と、窓に貼られた『タクシードライバー』のポスターを眺めつつ店内へ。おぉ!什器レイアウトはそのままだが、床にはカーペットが敷き詰められ、棚の色は焦げ茶に統一され、シックですっきりとしている。実はわりと広いお店なので、まだまだ本棚にはブランクが見受けられる。入ってすぐ右には一般文庫が並んでいる。短めの通路棚には、右に中公文庫と岩波文庫、左にSF文庫・日本純文学文庫・海外文学文庫がほどほどに収まる。左壁棚を見ると、あぁ!『槇ひろし+前川欣三』黄金コンビ(「カポンをはいたけんじ」「くいしんぼうのあおむしくん」など)の知らない古い絵本が三冊も面陳されているではないか!驚きながら壁棚伝いに奥へ進み、さらに絵本・女性実用・100均本&300均本ゾーン・世界各国・自然・動植物・魚と眺めて行く。奥壁の左半分はカルト&エロ&絶版コミックが主に並ぶ。そして奥の空間を左右に分つフロア棚には、左に幻想文学・寺山修司・日本文学・海外文学・詩集・映画が収まる。右側には東洋の医術・占術・仙術・神秘・隠秘学・精神(むっ、西村晃のお父さん西村真琴の「大地のはらわた」発見(裸本)。表紙は発明したロボットの学天則だ!)伝統芸能と続く。右端の棚には、仏教・哲学・思想・政治など。奥壁の右半分には歴史・昭和史・社会などが集められ、右壁棚奥は美術・国内作家プレミア写真集・オリジナルプリントが並び飾られている。まだまだ開店したてホヤホヤのお店で、その全貌は姿を現してはいない。だが、面陳された写真集・絵本・東洋関連に、将来の片鱗が見え隠れしているようだ。値段は安め〜普通。三冊選んで右側中央の帳場に向かうと、準備中の古本の山に囲まれた、ライダースジャケットの女子とモジャモジャで丸眼鏡の男子の姿。まるでライブハウスの楽屋でも覗いているようで、時代の移り変わりをじんわりと意識してしまう。中央公論社 ともだち文庫「音のさまざま/栗原嘉名芽」日本出版社「動物渡来物語/高島春雄」「戦線の博物學者 北支・蒙古編/常木勝次」(函ナシだが、新進の昆蟲学者が軍務で赴いた北支那&蒙古について、昆虫中心に記録した研究記録進軍紀行。軍人ファーブル…と言ったら伝わるだろうか…。300円だったのでさりげなくどひゃっほうである)を購入する。今後、激しく変化&進化しそうなので、また見に来ます。開店おめでとうございます。
伊勢佐木町ブルース歌碑裏にある『伊勢佐木町商店街地図』には、まだ「なぎさ書房」の名が残っている。
ブラブラとうらぶれた白昼の裏町を伝って野毛方面へ。すると街は大道芸祭の真っ最中で、表通りも裏通りも大変な人出である。慌てて「天保堂 刈部書店」(2009/07/20参照)に飛び込む。
だが、普段は静かな静かな店内に、容赦なく表の戦前〜戦後懐メロバンドの演奏が飛び込んでくる。丸谷才一訳の小学館「猫と悪魔/ジェイムズ・ジョイス」(ビニールカバー&帯付)を400円で購入し、早々に退散。華やか過ぎる街の賑わいを避けるようにして、桜木町駅前の横浜一淋し気なショッピングビル『ぴおシティ』地階の立ち呑み屋の暖簾を潜り、ビールを一杯。土曜昼間のヨコハマに、カンパイ。


なぎさの跡地に新規古本屋とは(涙)!1月に寂しい思いをしたばかりでしたが吉報です。連休中に神奈川に戻って是非訪問したいです。
現在実家ゴミ屋敷の片づけ中。1年くらいはかかりそう。じき退院してくる父と一緒に大量の本や雑誌もじっくり時間をかけて処分していくつもりです。お宝本はほとんどありませんがね。
やはり本は生活スペースのフレキシビリティを阻害します。反面教師として横須賀の自宅も考え直さないと。でもこういう新規店は購買欲をそそる。