2016年09月24日

9/24埼玉・浦和 浦和宿ふるさと市

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午後からは雨模様というので、午前十時に家を出て、毎月第四土曜に開かれる骨董市に急行する。湘南新宿ラインを降りて西口に出て、会場の神社をうろ覚えで来たことに己を憎みながら、駅前交番の地図とにらめっこする。確か…漢字一文字の神社だったな……これか、『調神社(つきのみやじんじゃ)』。すぐに交番裏から隘路に分け入り、『旭通り』を南に進んで行く。大きな通りを渡ると『骨董市』の幟が翻り始めるので、それをたどるようにして住宅街をさらに南に進んで行く。やがて行く手に鬱蒼とした森が…右手は二抱えもあるような巨木が林立する『調神社』で、その横の『調公園』にテントを立てた臨時の骨董店&古道具店が多数出現していた…その光景は、まるで骨董テント村である。お店は公園のほぼ全域に行き渡り、およそ百店を数える。『うんどう遊園』『わんぱく広場』『こもれび広場』『陽だまり広場』『じゃぶじゃぶ広場』など、バラエティ富んだ空間にお店が並び、骨董&古道具が並んでいるので、空間自体がオープンな迷路と化しており、その中を歩くのはなかなか楽しい体験である。それにしても、所々でメダカを販売しているのは、いったいどういう訳なのだろうか…?目指す古本は、それほど見つからず、和本・浮世絵・絵葉書・観光案内&地図は良く見かけるのだが、古本はほとんど見かけない…読み終えた文庫などもあるにはあるが…ぬぅ、三島由紀夫の全集・豪華本・スクラップを売る特異なお店が…。仕方ないので有望そうな紙物箱を、懸命に掘ることに集中する。『わんぱく広場』の一軒では、浮世絵に物凄い執着を見せる外国人女性と隣り合い、絵葉書中心の紙物の山を掘り進める…すると下層から小版のリーフレット類が出現。面白そうなのがありそうだぞと、気になる物を選り分けて行く。途中、隣の女性が精算すると、なんだかひとまとめで安い値段を告げられていた。…これは、一山で安く売ってくれるかもしれない。そう目論んで東京の建物絵葉書・復興絵葉書セット・山勝ブロマイド・アイヌ絵葉書・カメラ説明書などを「お幾らですか?」と店主に差し出してみる。しばらく精査した後に「六千円だね」と告げられる。くわっ!安くならなかったか。仕方ないのでどうしても欲しい一点に絞って値段を聞くと、仏頂面で「500円」。「いただきます!」と帝國ホテル「ホテル乃栞」を購入する。恐らく大正〜昭和初期の『帝國ホテル』の宿泊客用の案内である。いわばホテルの取扱説明書で、サービスの説明はもちろん、エレベーターの乗降方法や外国人客に対するマナーなども書かれており、当時のライト設計ホテルの様子を良く伝えている。入口前には人力車と乗合自動車があったり、家族以外の男女宿泊はお断り(男ひとりもしくは女ひとりの部屋に別姓の者がひとりで訪ねる時は、扉を開け放しにしておかなければならないのだ!)だったり、地下一階〜地上四階の館内見取り図と、とにかく心震える一冊なのである。「ありがとうございます〜。楽しんで下さい〜」の声を背にして、続いて『こもれび広場』の一店に取り憑く。ここには紙物箱が二つ…お、ひかりのくに昭和出版 テレビ絵本「わんぱくフリッパー」が出て来たぞ!それに雑誌グラビアの切り抜き「ボクたちは子どもの人気ものです!現代っ子を魅惑する怪獣スター50匹登場」は、良く見ると大伴昌司が監修してるじゃないか!慌てて値段を聞いてみると、「絵本は500円。そっちは…えぇい、サービスだ。ちょっと切れてるし、100円とか言ってもしょうがねぇ」とサービスしていただく。ありがとうございます!この切り抜き、映画・テレビの『地上怪獣』『地底怪獣』『宇宙怪獣』『水底怪獣』に分類し(水底怪獣って…)紹介しているのだが、何故かネッシーとウルトラマンも含まれてしまっている。解説文に児童心理学者の意見が載っており「怪獣に夢中になるのは強い者への憧れで、一種のハシカみたいなものなのです。だから騒いだり心配しないで、怪獣は社交のためのすばらしい道具であることを、お母さんとしては理解してあげることですね」と書かれている。…すみません、どうやらハシカにかかりっ放しなんですが…。とこんな風に、計千円でなかなか面白い物を手に入れられたので、気分を良くして会場を後にすると、新宿駅に着いたところで、酷い雨が降り始める。紙物には大敵の、雨である。少し時間がずれていたら、今日手に出来た物も、買えなかったかもしれない…。
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posted by tokusan at 15:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「わんぱくフリッパー」という名前を聞くだけで、もう「今夜は最高」ですな。
Posted by 下新庄3丁目 at 2016年09月25日 21:39
昭和初期の帝国ホテル…とくると、芥川龍之介の「歯車」を思い浮かべます。こうしたホテルの説明書と併せ読むと、芥川や堀辰雄の小説などは、面白味が増しそうですね。あるいは休筆中の乱歩が隠れ住んでたような、美少年のボーイがいたりする、戦前の神戸の「ホテル乃栞」なんて、もし在るんだったら絶対見てみたい!
Posted by 東奔西走 at 2016年09月25日 22:35
下新庄3丁目様。子どもの時は、本気でフリッパーと友達になりたかったものです。名犬ラッシーも、飼いたかったです…。
Posted by 古ツア at 2016年09月26日 19:59
東奔西走様。まさにそうなんです!あの時代の小説群の舞台を、この一冊の小さなリーフレットが、リアルに補強してくれるんです!もうその表紙の手触りすらも、ちょっと高級な本文用紙の匂いも、小説の中の昭和初期に飛び込む、引き金となるのです!
Posted by 古ツア at 2016年09月26日 20:02
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