「原書房」(2014/05/15参照)にて、國民書院「まじない秘密奥伝傳/石邑雲齊」(非常にインチキ臭いおまじない&薬のオンパレード!)靈響山房「んざん抄 心霊と人生雜想/宇佐美景堂編著」(分厚い文庫サイズの心霊&超能力体験や奇蹟・奇病などの体験談を集めたもの)を計700円で購入する。お店に戻って引き続き値段札貼り、貼り、貼り!結局催事用文庫を、夕暮れまでにダンボール四箱分作り出す。その後は棚出しするための本を準備するため、まずは新入荷本が棚とダブっていないか確認。大量の横溝文庫が大きな壁となって立ちはだかる。装幀・表紙絵違い、帯ありorなし…ややこしいこと甚だしい…いかん、「幽霊座」と「幽霊男」を同一視してしまいそうに…。こうして四日目は、一日中文庫本との格闘に終始したのである。
閑話休題。今読んでいるのは、相変わらず敗北気味のヤフオクにて何故か比較的安値で手に入れられた、春陽堂「探偵小説四集 五人の生命」。明治二十六年刊のA5版の100ページ強の本で、当時の定価は一冊七銭。活字も大きく、船・汽車・馬車内で暇つぶしに読まれることを想定し(だから表3&4は時刻表になっている)、尚且つ読了したなら家に持ち帰らずに、捨てることを勧めている。同シリーズに泉鏡花の探偵小説「活人形」があるはずだが、当時はやはり読み捨てられていたのだろうか…も、もったいない…。いやそんなことより、読み進めていると、あまりに驚愕のシーンにぶち当たってしまったので、ここで少し紹介しておきたい。全体的な話は端折るが、注目のシーンは、腕力知力変装力に長けた名探偵・瀬尾が、敵側の情勢を探るために老婆の物売りに変装して、アジトを偵察するところ。敵方の小娘と面談中に、今まで心安く話していたのが突然「お前は何者なんだえ?」と詰問して来たので、探偵はとぼけようとするのだが、「隠し立てしたってだめだよ」と手鏡を突きつけられる。するとなんと、探偵の変装カツラが、ずれてしまっていたのだ…「こはこは如何に…頭につけし鬘の工合の惡しかりけん、小鬢のあたりの黒髪が手拭の下より見え透くに、こはしなしたりしくじったり…」。こんな愉快な探偵小説、ありなのか?この文章を読むや否や、本当にプフッと吹き出してしまった。探偵、絶対にすれてちゃダメじゃん!

